胃がんは早期発見が難しく、初期症状がほとんど現れない場合があります。

しかし、胃がんの特徴や原因を理解し、症状に注意を払うことで早期発見の可能性が高まります。

今回の記事では、胃がんの初期症状や発生原因、検査方法や治療法について解説します。

 

胃がんとは？

胃がんは、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍で、日本では比較的多く見られるがんの一つです。

初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行することがあります。

胃がんの前兆と原因

胃がんは一般的に前兆としての症状がほとんど現れず、進行すると異変を感じることが多くなります。

がんの前兆とは、がんが発生・進行していることが疑われる「予兆」としての兆候です。

例えば、食欲不振や胃もたれ、腹部の不快感などが現れることがありますが、これらは胃がんの前兆なのか、風邪や胃炎の症状なのか、区別しにくいため注意が必要です。

胃がんの最大の原因はピロリ菌感染です。

胃がんの原因としては、他に塩分の多い食事、喫煙、過度の飲酒、家族歴、遺伝的要素も関連しています。

胃がんの種類

胃がんは「早期胃がん」と「進行胃がん」の二つに大きく分類され、さらに組織型によって細かく分類されます。

胃がんの分類

＜進行度による分類＞

• 早期胃がん：がんが胃の粘膜層にとどまっている段階で、転移リスクが低い。
• 進行胃がん：がんが筋層や他の臓器に広がっている状態。

＜組織型による分類＞※以下、特徴的な胃がんを1例として紹介しています。

• 腺がん：胃壁の最も内側の粘膜上皮細胞から発生するがん。最も一般的なタイプ。
• 扁平上皮がん：胃以外の粘膜はほとんど皮膚と同じ扁平上皮細胞だが、胃の粘膜は胃酸や粘液を分泌する腺細胞のため、胃がんでは比較的少ないタイプ。
• 印環細胞がん：がん細胞が「印環」のような形状を呈する特徴を持つがん。がん全体としては稀だが、その中では胃に多く発生する。

（参考：東京医科大学病院）

胃がんの初期症状とは？

胃がんの初期症状は非常にわかりにくく、体調不良や胃炎と勘違いされることがよくあります。

初期段階では症状がほとんど現れないか、軽い胃もたれや食欲不振程度で済むことが多いため、気づかないうちに病状が進行してしまうことも少なくありません。

胃がんの初期症状1：胃もたれ

胃もたれは、食後に胃が重く感じたり、食べ物が消化されにくいと感じるのが特徴です。

食べ過ぎや脂っこいものを摂取した後の胃もたれはよくありますが、特に理由がないのに続く場合は注意が必要です。

早めに医療機関を受診することが大切です。

胃がんの初期症状2：食欲不振

普段は食事を楽しんでいたのに、急に食欲が減ったり、少量の食事でも満腹感を感じることが増えた場合は注意が必要です。

特に、慢性的に食欲が回復しない場合は胃の異常を疑いましょう。

食欲不振はストレスや生活習慣の乱れでも起こりますが、放置せず医療機関で診察を受けることが大切です。

胃がんの初期症状3：腹部の不快感

初期症状で痛みが現れることは少ないですが、稀に胃のあたりに鈍い痛みや違和感を感じることがあります。これは一時的なものではなく慢性的に続くことが特徴です。

特に、食事中や食後に腹部の重さや圧迫感を感じる場合は注意が必要です。

これらの症状は胃炎や消化不良と間違えられやすく、軽視されがちですが、胃がんの兆候である可能性もあります。

腹部の不快感が繰り返されたり、徐々に悪化する場合は、早めに医療機関で検査を受けることをおすすめします。

胃がんの検査方法

胃がんの検査には、さまざまな方法があります。

最も一般的なのは「胃内視鏡検査（胃カメラ）」です。

胃の内部を直接観察し、異常が見つかれば組織を採取して詳しく調べることができます。

この方法は精度が高く、早期がんの発見に非常に適しています。

もう一つの検査法は「バリウム検査」です。造影剤を飲んで胃の形状や異常をX線で確認しますが、胃内視鏡検査に比べて精度は劣ります。

必要に応じて、血液検査で腫瘍マーカーを測定したり、ピロリ菌の有無を調べることもあります。

胃がんの治療法とは？

胃がんは進行度に応じてステージIからIVに分類され、治療方針が大きく異なります。

早期のステージでは、がんを完全に取り除くことを目的に手術が行われることが多く、進行した場合は化学療法や放射線治療が中心となります。

薬物療法

薬物療法は、胃がん治療で重要な役割を果たします。

主に化学療法、分子標的療法があります。化学療法は抗がん剤を使ってがん細胞の増殖を抑え、手術後の再発防止や進行がんの治療に利用されます。

分子標的療法はがん細胞の特定の分子を攻撃し、副作用が比較的少ないのが特徴です。

手術療法

手術療法は、胃がん治療で最も一般的かつ効果的な方法とされ、主に早期の胃がんに適用されます。

がんの位置や進行度に応じて、「内視鏡的粘膜切除術（EMR）」や「内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）」が体への負担が少ない方法として行われます。

進行がんには、胃の一部または全体を切除する「部分胃切除」や「全胃切除」が行われ、必要に応じてリンパ節の摘出も行われます。

手術後の再発を防ぐために、化学療法を併用することもあります。

放射線治療

放射線治療は、高エネルギーの放射線でがん細胞を破壊する治療法です。

主に手術が難しい場合や化学療法と併用されることが多く、進行がんでは腫瘍の縮小や症状緩和を目的に使用されることもあります。

放射線はがん細胞にダメージを与えて増殖を抑えますが、正常な組織への影響も考慮が必要なため、副作用の管理が重要です。

対症療法（緩和ケア）

対症療法（緩和ケア）は、胃がんに伴う症状を和らげ、患者さまの生活の質を向上させることを目的としています。

痛みや吐き気、食欲不振などの身体的な苦痛を軽減するだけでなく、心理的なサポートも含まれます。

緩和ケアは病気の進行に関わらず、早い段階から受けることが推奨され、がん治療と並行して行われます。

医療チームが連携して患者さま一人ひとりの症状やニーズに対応することで、患者さまと家族の負担を軽減します。

ステージ4や末期の胃がんでの免疫療法

ステージ4や末期の胃がんは、がんが他の臓器に転移していることが多いため、治療の主な目的は延命や症状の緩和となりますが、その中でも免疫療法が新しい治療法として注目されています。

免疫療法は、体の免疫システムを活性化させてがん細胞を攻撃する治療です。

化学療法や放射線治療と併用されることが多く、副作用が少なく体への負担が軽い点が特徴です。

胃がんを予防するためのピロリ菌チェック

胃がんを予防するには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。

まず、ピロリ菌感染の有無を調べ、必要であれば除菌治療を受けるのが効果的です。

塩分の多い食事は胃に負担をかけ、がんのリスクを高めるため、塩分摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。

さらに、野菜や果物など抗酸化作用のある食品を積極的に摂取することも推奨されます。

また、喫煙や過度の飲酒は胃がんのリスクを高める要因ですので、これらを控えることが望ましいです。

定期的な健康診断を受け、早期発見に努めることも重要です。

胃がん予防のポイント

＜ピロリ菌のチェックと除菌＞

• ピロリ菌感染の有無を調べ、必要に応じて除菌治療を受ける。

＜塩分摂取の制限＞

• 塩分の多い食事は胃への負担を増やす。
• 塩分を控え、バランスの取れた食事を心がける。

＜抗酸化食品の摂取＞

• 野菜や果物など抗酸化作用のある食品を積極的に摂る。

＜喫煙・過度の飲酒を控える＞

• 喫煙や過度の飲酒はリスクを高める要因。

＜定期的な健康診断＞

• 健康診断を受け、早期発見・予防に努める。

胃がんに関するよくある質問

胃がんの前兆となるサインは？

胃がんの前兆となるサインは以下のようなものがあります。

胃がんの前兆サイン

• 食欲不振：食事をとる気が起こらない。
• 胃もたれ：胃の重さや不快感を感じる。
• 腹部の不快感：胃のあたりに違和感がある。
• 体重減少：理由もなく体重が減る（特に要注意）。
• 食事後の膨満感：食後に胃が張る感じが続く。
• 胸焼け：胸のあたりが焼けるような感覚が慢性的に続く。

 

これらの症状は胃炎や消化不良と似ているため、軽視されがちですが、胃がんの前兆の可能性もあります。

長期間続く場合は、早めに医療機関を受診し、胃内視鏡検査を受けることが重要です。

胃がんステージ1の症状は？

ステージ1の胃がんは、がんがまだ胃の粘膜層にとどまっているため、自覚症状がほとんどありません。

そのため、多くの人は体調の異変に気づかないことがあります。

症状が出たとしても、胃がんの前兆としての軽い胃もたれや食欲不振、食後の違和感などで、日常生活に大きな支障は少ないです。

胃がんと6種複合免疫療法

6種複合免疫療法は、胃がんに対する新しい治療の選択肢として注目されています。

この治療法は、患者さまの免疫力を強化し、がん細胞を攻撃する力を高めることを目的としています。

手術、化学療法、放射線治療など他の治療法と組み合わせることで、治療効果をさらに向上させることが期待されます。

以下、6種複合免疫療法について、詳しく解説します。

副作用が少ない6種複合免疫療法

「6種複合免疫療法」の特徴を3つ紹介します。

①がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する

がん3大療法（外科手術／化学療法／放射線治療）との併用が可能で、一部（T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病／T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫）を除く、ほぼ全てのがんに対応します。

また、手術後に残ったがん細胞にも対応し、がん細胞増殖の抑制、再発・転移の予防にも効果的です。

②副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である

患者さまご自身の免疫細胞を使用するため、抗がん剤のような強い副作用がほとんどありません。

そのため、他のがん治療で治療継続は困難と判断された場合でも、6種複合免疫療法なら治療を継続できる可能性があります。

また、費用は治療ごとでのお支払いのため、医療費を一度にまとめて支払う必要もありません。

③入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる

6種複合免疫療法は、採血によって取り出した免疫細胞を培養し、活性化させた後点滴で体内に戻すという治療法です。方法は、採血と点滴だけの通院治療です。

そのため、入院の必要がなく、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができます。

6種複合免疫療法の治療効果

以下は、6回（1クール）の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。

A判定〜C判定の約79％の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26％の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。

また、6種複合免疫療法の大きな特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。

以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。

詳細は以下よりお問い合わせください。