がん免疫療法コラム

がんはにおいがするって本当?体臭などが変わる原因やがんのにおいへの対策を解説

がんが進行すると、特有のにおいが生じることがあります。においの感じ方は人それぞれで、ある人にとっては全く気にならないにおいが、別の人にとっては強く不快に感じることがあります。がんによるにおいは、患者さん自身のQOL(生活の質)を大きく低下させるだけでなく、日々のケアを支える家族の精神的負担にもなり得ます。

本記事では、がんのにおいや原因、その対策方法について解説します。

がんには特有のにおいがある


がんには独特のにおいがあり、原因によってにおいの種類は異なります。以下に詳しく解説します。

体臭や口臭の変化によるにおい

体質の変化が体臭や口臭に影響を与えることがあります。特に、十分なケアがされないと、その変化は一段と顕著になり、不快なにおいとなって現れます。そして、このにおいは健康状態の変化を示すサインの一つです。

乳がんの場合、炎症が起きることで、たくあんのような発酵した食物のにおいを発することがあります。

同様に、大腸がんも特徴的なにおいを発することがあります。大腸がんの場合、お腹にガスが溜まることで、腐った玉ねぎのようなにおいがすることがあります。このようなにおいが感じられた場合、早急に医療機関での診断を受けることが重要です。

体のにおいはただ不快なだけでなく、私たちの健康状態を伝える重要なメッセージであることを理解することが大切です。

自壊創のにおい

自壊創とは、がん細胞が増殖し、その結果として体組織が壊死(自壊)してしまう状態のことです。自壊創は痛みや出血、そして特有の臭いを伴うことがあります。特に、皮膚表面にできたがんが自壊することで、においが発生しやすくなります。

特に、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんなどの呼吸器系のがんは、肉が腐ったような特徴的なにおいです。

消化管瘻孔やストーマ装具の装着不具合によるにおい

消化管瘻孔やストーマ装具は、体の中の物質を外に排出するための医療機器です。装着不具合が生じると、尿や便のにおいが漏れ出すことがあります。正しい装着方法や日常的な管理、定期的な医療機関でのチェックにより、においは最小限に抑えることが可能です。

がんのにおいに関する実験例


犬や線虫の特性を活かし、においによってがんを検出する有名な実験があります。実験内容や結果について紹介します。

がん探知犬

がん探知犬はその名の通り、自身の優れた嗅覚を駆使して、人間ががんを持っているか否かを高い精度で嗅ぎ分けることが可能です。人間が持つ嗅覚と比べて圧倒的に優れた犬の嗅覚は、吐き出される息や血液、尿などから微量の異常を察知します。この特性を利用し、がんの早期発見に役立てるという目的で訓練されています。

犬が嗅ぎ分けることができるがんの存在は、その結果を記録した研究によっても明らかになっています。これらの研究では、驚くことにほぼ100%に近い嗅ぎ分けの結果を達成しています。これは、犬の嗅覚が人間のそれと比較してどれだけ優れているかを示す、明確な証拠と言えるでしょう。

しかし、犬が嗅ぎ分けるにおいの物質自体は現状ではまだ特定されていません。そのため、この現象を科学的に解明するための研究が引き続き行われています。

現在では、「がん探知犬」の能力を活用したスクリーニング検査を行っている機関も存在します。これらの機関では、犬の嗅覚を用いたがんの早期発見を目指し、その能力を最大限に活用しています。犬の驚くべき能力が、今後の医療の現場でどのように活用されていくかは大いに注目です。

線虫によるがん探知

私たちの目には見えない小さな生き物である「線虫」も、においを嗅ぎ分ける能力を持っています。体長約1mmという極めて小さなこの生物は、がんが放つ特有のにおいに引き寄せられる性質を持ち、そのにおいを嗅ぎ分けることで、がんの存在を察知します。

実際に、線虫の特性を利用したがんのスクリーニング検査を行う機関も存在します。線虫の特性は、従来のがん検診では見つけ出すことが難しい早期のがんを発見するための新たな方法となり得ます。

そして、線虫によるがんの早期発見が、現代医療の一部として普及する日もそう遠くはないかもしれません。

がんによるにおいへの対策


病気による体臭は、個人だけでなく周囲の人々にも影響を及ぼすことがあります。体臭の対策として、環境を改善する方法も重要です。その一つに、脱臭機の活用があります。脱臭機は、空間のにおいを吸着し除去することで、室内の空気を清潔に保つ役割を果たします。

また、定期的な掃除や換気も有効なにおい対策です。室内の清掃を怠ると、ダニやカビ、埃などが溜まり、それらが原因で臭いが発生することがあります。換気により、部屋の中の汚れた空気を新鮮な空気で置き換えることができます。

しかし、環境を改善するだけでなく、病巣局所の処置も重要です。体臭の原因となる病気の治療に努めて、根本的な体臭の改善を目指しましょう。次に、その具体的な方法について詳しく説明します。

洗浄

体臭の根本的な改善の一つに病巣局所の処置があります。その際、次のような方法が有効です。

まず、体を洗う際には、シャワーを直接当てずに流すようにしましょう。直接当てると、皮膚が過度に刺激を受けてしまう可能性があります。また、弱酸性の石鹸を使用することで、皮膚pHを守りつつ、適切に汚れを洗い流すことができます。

さらに、創部とその周囲の皮膚については、たっぷりの微温湯で洗い流しましょう。可能であれば、生理食塩水を用いると良いでしょう。これらの方法は、創部の清潔を保つために重要で、結果的に体臭の改善につながります。

ドレッシング

滲出液の臭いを吸収するには、活性炭シートの利用が推奨されます。ドレッシング材の上から直接被せることで、活性炭が臭いを吸着し、体臭の軽減に役立ちます。

抗菌薬

がんによるにおい対策として有効な薬にはいくつかの種類があります。その一つにメトロニダゾール軟膏があります。メトロニダゾール軟膏は抗菌薬で、特に嫌気性細菌に対する効果が高く、腐敗臭を和らげます。

また、カデックスⓇ軟膏も同様に抗菌作用を持つ薬で、さらに消臭効果もあるため、患部の臭い対策に有効です。この薬は強い抗菌作用を持ちつつ、皮膚にやさしく長期間使用しても皮膚の刺激が少ないという特長があります。

さらに、ロゼックスゲルもメトロニダゾールを主成分とし、抗菌、消臭効果を持つことで、患部の臭いを抑えるのに効果的です。これらの薬剤は、医療専門家の指導の下で適切に使用することで、がんによるにおいを安全に軽減することが可能です。

モーズペースト

モーズペーストは皮膚悪性腫瘍や乳癌の皮膚病変などの治療に用いられる薬剤で、特に悪臭を伴う潰瘍面の治療に役立ちます。主成分は塩化亜鉛で、これが潰瘍面の水分と反応してイオン化します。その結果、蛋白凝集作用が生じ、腫瘍細胞や腫瘍血管、そして二次感染した細菌の細胞膜を硬化させる効果があります。

この硬化作用により、潰瘍部からの滲出液が減少し、さらに止血効果もあるため、出血を伴う症状の改善にも有効です。また、腫瘍脱除の助けともなります。

まとめ


本記事では、がんが生じると特有のにおいが発生すること、そしてそれが患者さん自身や周囲の人々にとって大きな負担となることについて説明しました。患者さん自身やご家族が参考にできるよう、においに対処するための様々な方法についても解説しました。

最後に「6種複合免疫療法」という先進的な治療法をご紹介します。これは、免疫システムを活性化させることで、がん細胞と闘う力を体内から引き出す独自の治療法です。自身の免疫細胞を使用するため、副作用が少なく身体への負担が少ないのが特長です。

福岡同仁クリニックでは、6種複合免疫療法を行っています。高い専門性と豊富な経験を持つスタッフが、患者様一人ひとりの状況に応じた最適な治療を提供しています。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

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