がん免疫療法コラム

がん治療で余命宣告されるタイミングはいつ?余命宣告が信頼できるものか基準を解説

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監修者 | 麻生 俊英

福岡同仁クリニック院長。医学博士。九州大学医学部卒業後、九州大学医学部付属病院、メルボルン王立こども病院、インドネシア国立ハラパンキタ心臓センター、北里大学胸部外科等を経て現職。
国際救援基礎研修(国際赤十字連盟)、コソボ難民救援(国際赤十字連盟、国際赤十字委員会)、トルコ地震被災者救援(日本赤十字)、東南アジアの移民に関するセミナ―(国際赤十字連盟)等において国際救援に従事。

がん治療に励む患者様にとって、最も聞きたくないことが『余命宣告』。「あなたの余命は・・・」と告げられ、目の前が真っ白になってしまったという方も多くいらっしゃいます。また、余命宣告が本当に信頼できるものなのか、判断基準が分からないという方も少なくないでしょう。そもそも余命宣告とは、いつ・どういうタイミングにされるものなのでしょう?くわえて、医師はどのような基準から余命を判断しているのでしょうか?

今回は、がんの余命宣告がどのタイミングで、どんな基準のもとに行われるのかを解説いたします。

余命宣告の基準は?決まったルールがないって本当?


余命宣告は、患者様やその家族にとって、非常にショッキングな情報となることが多いです。しかし、その背後には医師の経験や専門知識、そして様々な判断基準が存在しています。

余命宣告の時期や内容は、医師の判断によって大きく異なります。3ヶ月と短く伝える医師もいれば、3年と長く伝える医師もいます。また、一切余命宣告をしないという医師も少なくありません。これは、宣告される期間が「大体の目安」であり、正確な数字を示すものではないためです。

では、医師はどのような基準で患者様の余命を判断するのでしょうか。実は、余命宣告には厳密なルールは存在しないのですが、一般的に医師は病気の進行状況や病気生存率、治療の反応、過去の症例などの経験値から、患者様の状況を導き出しています。また、年齢や一般的な健康状態、合併症の有無、治療の効果や副作用など、様々な要因を踏まえた上で、総合的な判断が行われます。

余命宣告が行われる理由の一つに、患者様やその家族に心の準備をさせる意味合いがあります。突然の死や急な病状の悪化に対して、家族が納得しづらい場合や疑念を抱くことを防ぐため、ある程度の前触れとして伝えられることが多いのです。

がん治療中の患者において、余命宣告が行われる時期は、治療の効果が不十分であったり、治療の選択肢が限られてきた場合に多く見られます。

余命宣告は、患者様や家族にとっては困難な時期を迎えるサインとなりますが、その背後には医師の深い配慮と専門的な判断があることを理解していただきたいと思います。

がん治療で余命宣告されるタイミングはいつ?


がん治療においては、多くの方が「標準治療」や「3大治療」と呼ばれる方法を通じて治療を受けることになります。これは、「手術療法」「化学療法(抗がん剤)」「放射線療法」の3つの主要な治療法を指します。患者様の病状やがんの種類、進行度に応じて、これらの治療法を組み合わせたり、同時進行で行うことが一般的です。

しかし、がん治療は簡単ではありません。ある患者様には手術が適しているかもしれませんが、転移してしまった場合や放射線治療が効果を示さなかった場合、または様々な抗がん剤を試しても効果が認められない場合も考えられます。このような状況で、治療の選択肢が狭まり、これ以上の治療が困難となった場合、医師からの余命宣告が行われることが多いのです。

その背景には、病状や体質、年齢などの要因が大きく影響しています。例えば、高齢の方や体力が低下している方は、強力な治療の副作用に耐えるのが難しい場合があります。同様に、がんの種類や進行度、転移の状況なども、治療の選択やその後の予後に大きく影響する要因となります。

医師が余命宣告を行う背景には、「治療を投げ出してしまう」という意図は含まれていません。むしろ、これ以上手の尽くしようがないと判断し、患者様やそのご家族の心の準備や、今後の生活の計画を立てる手助けをするためのものです。

結論として、余命宣告されるタイミングは「標準治療でがんを治療できなかった時」が最も多いと言えます。しかし、それは医師の手を尽くした結果であり、それぞれの患者様の最善を考えた結果であることを理解していただきたいと思います。

余命宣告の落とし穴とは?


上述の通り、余命宣告は「標準治療でがんが治療できなかった時」に多く行われるのは周知の事実です。しかしこの事実の裏には、大きな落とし穴が潜んでいます。

その落とし穴とは、「標準治療の結果だけを基に判断している」という点です。現代のがん治療は、標準治療だけでなく、保険適用外の先進医療や自由診療など、様々な方法が存在します。しかし、多くの医師は「標準治療以外は厚労省が認可していない」という理由で、これらの治療方法を患者様に勧めないのが現状です。

確かに、標準治療には過去の症例や信頼性の高い科学的データが基づいています。そのため、標準治療だけを頼りにすることが間違いだとは言えません。しかし、わずかな確率であっても、標準治療以外の方法でがんを治療する可能性があることを忘れてはいけません。その可能性を信じて、様々な治療を試してみたいと考える患者様も少なくありません。それにもかかわらず、医師から「これ以上治療の方法はない」と告げられ、余命宣告を受ける患者様は数多くいます。

このような現状から、次の疑問が湧いてきます。

「それでは、標準治療以外のがん治療には、具体的にどんなものがあるのでしょうか?」

これについては、次の項目で詳しく解説いたします。

余命宣告後もがん治療を諦めない!


がんの余命宣告は、その名の通り「予想される命の期間」を示すものであり、これが絶対のものではないことを理解することが大切です。多くの場合、この宣告は『標準治療でがんが小さくならなかった』という状況を基にされています。しかし、この宣告を受けたからといって、治療の選択肢が尽きたわけではありません。

ここで、標準治療以外の「第四の選択肢」として、最近注目されている「がん免疫療法」についてご紹介します。がん免疫療法は、体自体の免疫力を利用して、がん細胞を攻撃する新しいアプローチの治療法です。この治療は、標準治療が効果を示さない患者様にも希望を与え、多くの成功例が報告されています。

実際に、余命宣告を受けた後、がん免疫療法に挑戦し、状態が大きく改善した患者も少なくありません。そのため、「まだ希望はある」と考え、前向きに生きる活力を得ることができます。特に、この治療法は身体への負担が少なく、安静に過ごすよりも、治療を選択し、行動することで、生きる意欲も湧いてくると言われています。

余命宣告を受けても、まだ戦う道は存在します。希望を捨てず、新たな治療法を追求することで、驚くような結果を手にすることも十分考えられます。もし、余命宣告を受けた後、次のステップが分からない場合、当クリニックはいつでもサポートいたします。お気軽にご相談ください。

6種複合免疫療法

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