がん免疫療法コラム
がんの余命宣告って、信頼できるの?
がん治療に励む患者様にとって、最も聞きたくないことが『余命宣告』。
「あなたの余命は・・・」と告げられ、目の前が真っ白になってしまったという方も多くいらっしゃいます。
そもそも余命宣告とは、どういう時にされるものなのでしょうか?
●余命宣告には、実は決まったルールがない!?
余命宣告は、全て医師の判断によるものです。
3ヶ月と短く伝える医師もいれば、3年と長く伝える医師もいます。また余命宣告をしない、という医師もいます。
宣告する余命の期間も、医師の経験に基づいた正確な数字というわけではなく、「大体の目安」として設定されています。
そもそも、なぜ余命宣告をするのかというと、例えば余命宣告をせずに患者様が急死された場合など、「病院の治療に問題があったんじゃないか?」
と遺族が納得しないケースがあります。
こういった事態を避けるため、「先が長くない」ということを前もって知らせるために、余命宣告が行われるケースが考えられます。
その他にも「遺族に心の準備の時間を与えるため」「ご本人に余裕を持って身辺整理してもらうため」など、医師ごとに様々な心情、信念のもと、余命宣告は行われます。
では、がん治療中の場合、どういった時に余命宣告をされる時が多いのでしょうか?
●がん治療で余命宣告されるタイミングは、“標準治療でがんを治療できなかった時”が最も多い
がん治療には標準治療、または3大治療と呼ばれる治療法があります。
1・手術
2・抗がん剤
3・放射線治療
の3つです。
これら3つの治療を状態に合わせて選択、あるいは同時進行で一般的ながん治療は行われています。
この“標準治療でできることが無くなった”時に、余命宣告をされることが多いと考えられます。
手術を行ったが転移してしまった、放射線も効かない、抗がん剤を色々と試しても癌は消えない…。
これ以上試せる治療はない、仮に続けてもがんは小さくならない、患者様の体力も持たない。
もう治療はやめて、想定される余命を告げて、後は患者様とご家族の判断に任せよう…。
このような流れで、余命宣告が行われるケースが最も多いです。
治療を投げ出してしまう、というと印象が良くありませんが、医師も好んで余命宣告しているわけではなく、
これ以上は手の尽くしようがないと判断した上で、やむなく宣告していると考えられます。
●余命宣告の落とし穴とは?
上述の通り、余命宣告は「標準治療でがんが治療できなかった時」に多く行われています。
しかし、実はここに一つの落とし穴があります。
それは“標準治療の結果でだけ判断している”、という点です。
がん治療は、標準治療以外にも、保険適用外ですが先進医療、自由診療など多くのがん治療があります。
しかし、標準治療以外を行う医師のほとんどは、「標準治療以外は厚労省が認可していないから」という理由で、
先進医療や自由診療などは一切勧めない場合がほとんどです。
確かに、標準治療は過去の症例や科学的なデータなどが揃っているため、標準治療にだけこだわることは何も間違いではありません。
しかし、標準治療以外でもがんの治療法はある、わずかな確率でもがんを治せるかもしれない…
そういう可能性があるにも関わらず、医師から「もうあなたの治療はこれ以上何もできない」と断言され、余命宣告されて絶望される患者様も多くいるのが実情です。
●余命宣告後も、がん治療を諦めない
がんの余命宣告は、あくまでひとつの目安であり、その基準は『標準治療でがんが小さくならなかった』という理由でしかありません。
余命宣告を受けてただ悲観するのではなく、他にもできる治療がまだ残されているという事実を認識し、諦めずに治療法を探すという道もまだ残されています。
『まだ希望はある』という事実だけで、生きることに前向きになれますし、また安静に過ごすよりは行動することで、生きる活力も沸いてきます。
余命宣告をされたからといって、どうか希望は捨てないでください。
また、どうしていいかわからない、という方は、お気軽に当クリニックまでお問い合わせください。