がん免疫療法コラム

子宮がんの末期症状とは? ステージⅣにおける治療法について解説

がんは進行度によってさまざまな症状を呈します。女性特有のがんである子宮がんの末期症状とは、どのようなものなのでしょうか。

今回は、子宮がんで末期になっている患者さんやそのご家族に向けて情報をまとめました。ステージⅣにおける治療法について詳しく解説していますので、参考にご覧ください。

子宮がんとは?


まずは子宮がんの概要を説明します。

女性特有のがんである子宮がんには、目立った初期症状がほとんどありません。症状が進行すると不正出血や性交時の出血、おりものの色やにおいなどの変化がみられるようになります。

子宮がんは大きく分けて、子宮頸がんと子宮体がんの2種類です。それぞれの特徴を次章で解説します。

子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮頸部にできるがんでゆっくりと進行します。がんになる前に、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)ができるという特徴があります。20代や30代の女性の場合、子宮頸がんはがんによる死亡原因の1位です。

子宮体がん(子宮内膜がん)

子宮体がんは、子宮体部にできるがんです。40歳代後半から増加する傾向にあり、近年では子宮がん全体の30%前後を占めています。

子宮がんの末期症状


続いては、子宮がんの末期症状を解説します。

末期の子宮がんでは、多量出血、下腹部の痛み、下肢のむくみ、血便や血尿、体重の減少、疲労感などの症状が顕著に現れることが多いです。腹水がたまる場合もあり、腹部が膨らんだり尿や便の通りが悪くなります。

他の臓器への転移


子宮がんが進行するということは、他の部位へ転移するということでもあります。近接した部位への転移が一般的で、リンパ節、卵巣、卵管などへの転移が懸念されます。

膀胱や直腸に広がることもあり、離れた臓器への転移の可能性もあります。肺や肝臓などへの転移にも注意しましょう。

子宮がんのステージ別5年生存率


続いては、子宮がんのステージ別5年生存率を解説します。

子宮頸がん・子宮体がんともに大きく4つのステージに分類され、どのステージまで進行しているかで完治できる確率が変化します。

ステージ 子宮頸がんの進行期分類 5年生存率
Ⅰ期 がんが子宮頸部にとどまるもの、子宮体部浸潤の有無は考慮しない 90%以上
Ⅱ期 がんが子宮頸部を超えて広がっているが、膣壁下三分の一または骨盤壁には達していない 70~85%程度
Ⅲ期 がんの浸潤が膣壁下三分の一まで達するもの、ならびに・あるいは骨盤壁まで達するもの、ならびに・あるいは水腎症や無機能腎の原因となっているもの、ならびに・あるいは骨盤リンパ節ならびに・あるいは傍大動脈リンパ節に転移が認められるもの 60%程度
Ⅳ期 がんが膀胱粘膜または直腸粘膜に浸潤するが、小骨盤腔を超えて広がるもの 20%

(参考:がん情報サービス 院内がん登録全国集計結果閲覧システム

末期の子宮がんの治療法


続いては、末期の子宮がんの治療法を解説します。

末期の子宮がんの治療法については、ステージや治療を受ける方の希望、年齢、体調などを加味して、医師と相談して決定します。手術療法・放射線療法・薬物療法について次章で詳しく紹介します。

手術療法

末期の子宮がんの治療法1つ目は、手術療法です。

子宮体がんの場合、末期でも手術療法が適用となるケースがあります。子宮体がんの手術療法には、子宮全摘出、両側付属器(卵巣・卵管摘出術)、大網切除術、リンパ節郭清(骨盤リンパ節、傍大動脈リンパ節)などがあります。子宮全摘出には、単純子宮全摘出術・準広汎子宮全摘出術・広汎子宮全摘出術があります。

原則として、開腹して子宮と両側の付属器を摘出します。

リンパ節郭清は、リンパ節への転移の可能性がある場合に検討されます。腟壁の一部を切除することもあり、子宮と卵巣・卵管を摘出すると妊娠ができなくなります。

手術療法をはじめとするがんの治療は、妊娠や出産に大きく影響することがあるため、将来子どもをもつことを希望している場合は、事前に医師に相談するようにしましょう。

子宮体がんの手術療法の合併症は、以下の通りです。

  • 移動困難
  • 排尿のトラブル
  • 便秘
  • 腸閉塞
  • リンパ浮腫
  • 卵巣欠落症状(ほてり・発汗など更年期障害と同様の症状)

放射線治療

末期の子宮がんの治療法2つ目は、放射線治療です。

子宮がんの放射線治療では、主にがん細胞にダメージを与えがんを小さくすることを目的としますが、治癒を目的とした根治的放射線治療を検討するケースもあります。

末期の子宮頸がんの場合には、同時化学放射線治療が適用となる場合があります。同時化学放射線治療は、放射線治療と抗がん剤治療を同時に行う治療です。

放射線治療の副作用は以下の通りです。

  • 直腸炎
  • 膀胱炎
  • 小腸の閉塞
  • 下痢

副作用の程度は、人によって異なります。

薬物療法

末期の子宮がんの治療法3つ目は、薬物療法です。

子宮がんの薬物療法は、主に遠隔転移のある進行がんや再発したがんに対して行います。がんが手術で切除できない場合や、切除しきれない場合にも検討されます。子宮がんの薬物療法では、細胞障害性抗がん薬や分子標的薬などを使用します。

細胞障害性抗がん薬は、細胞の増殖の仕組みに注目してがんを攻撃する薬剤です。一般的に、アントラサイクリン系もしくはタキサン系と呼ばれる薬剤と白金製剤と呼ばれる薬を併用して使用します。

分子標的薬は、再発がんで白金製剤を含む薬物療法を行ったことがある場合に使用を検討されます。

薬物療法の副作用は、使用する薬剤によって異なります。副作用の程度によっては治療の継続が困難になりますので、担当医に相談しましょう。

細胞障害性抗がん薬の主な副作用は以下の通りです。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 脱毛
  • 末梢神経障害(手足のしびれ、運動障害、味覚障害、聴力障害など)
  • 骨髄抑制(白血球数の減少による感染への抵抗力の低下)

など。

その他に検討できる子宮がんの治療法


手術療法や薬物療法以外に検討できる子宮がんの治療法や痛みの緩和方法などをいくつか紹介します。

免疫療法

子宮がんの免疫療法は、がん治療の第4の選択肢と呼ばれています。手術療法や放射線療法、薬物療法と組み合わせることで、 相乗効果が期待できます。転移した進行がんや再発したがんにも有効で、ステージⅣまで進行している子宮がんの治療法としても検討できるという特徴があります。

免疫チェックポイント阻害薬による治療では、T細胞やがん細胞のアンテナに作用して免疫にブレーキがかかるのを防ぐことができます。免疫細胞療法にはさまざまな種類があります。一部を表形式で紹介します。

樹状細胞ワクチン療法 樹状細胞ワクチン療法では、単球を培養・活性化させることで、がん細胞にアプローチします。樹状細胞は、がんの目印を最初に確認し、その特徴を免疫細胞であるリンパ球に伝える役割を担っています。
エフェクターT細胞療法 エフェクターT細胞療法は、がん細胞への攻撃力を強めるためにT細胞を体の外に取り出して行います。取り出したT細胞にがん細胞の目印を見分ける遺伝子を組み入れ、増殖させてから体の中に戻します。
NK細胞療法 NK細胞療法では、自身の免疫細胞を用いてがん細胞にアプローチします。NK細胞は、がん細胞を発見すると真っ先に単独で攻撃する能力を持っています。特殊なNK細胞培養培地を用いることで、効率的に高い細胞殺傷能力を持ったNK細胞の培養が可能です。
アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法) アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)では、リンパ球を分離して、T細胞の表面にあるCD3という分子を刺激して、T細胞を活性化させます。その上で、インターロイキン2でリンパ球を増殖させ、患者さんの体内に戻すという治療方法です。
ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法) ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)は、T細胞の中に数%あるガンマ・デルタT細胞という免疫細胞を使用する治療法です。ガンマ・デルタT細胞はがん細胞に対して、とても高い殺傷能力を持っており、高い治療効果が期待できる比較的新しい治療方法として注目を集めています。
6種複合免疫療法 6種複合免疫療法は、免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻す療法です。がん細胞を発見、認識、攻撃するなどそれぞれ役割を持つ免疫細胞を同時に増殖・活性化することで、より効果的にがん細胞と闘えるように免疫力を高めてくれます。温熱療法や漢方、鍼治療、ビタミン療法などとの併用も可能です。

緩和ケア

手術療法や薬物療法以外に検討できる子宮がんの治療法として、緩和ケアも有効です。子宮がんの緩和ケア(支持療法)では、精神的な辛さやがんへの不安を軽くしたり、がんの症状や治療に伴う副作用や合併症などを軽減できます。アピアランス(外見)ケアでは、外見の変化による苦痛の軽減を目指せるため、ぜひ効果的に活用しましょう。

6種複合免疫療法

まとめ


今回は、子宮がんの末期症状を紹介しました。

子宮がんの末期では、多量出血、下腹部の痛み、下肢のむくみ、血便や血尿、体重の減少、疲労感などが顕著に現れます。ステージⅣにおける治療法としては、手術療法・放射線療法・薬物療法があります。

また、免疫療法や緩和ケアによる治療も可能ですので、ぜひ医師と相談の上検討してみてください。がんは早期に発見することで適切な治療を受けることができ、予後にも良い影響を及ぼします。定期的な検査を受け、早期発見に努めましょう。

同仁がん免疫研究所は、今回紹介した「6種複合免疫療法」を行っている施設です。

これまで多くの患者さんのがん治療を行い、患者さん一人一人に合わせた治療法をご提案しています。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

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