がん免疫療法コラム

いつもと違う腰痛はがんのサイン? 腰痛の症状が出る女性特有のがんと治療法について解説

慢性的な腰痛にお悩みの方も多いかと思います。何気ない痛みだと放置しがちですが、実はがんの症状によって腰痛が引き起こされている可能性もあります。

今回は、腰痛の症状が出る女性特有のがんと治療法について解説します。腰痛に悩んでいてがんとの関係性が気になっている女性に向けて情報をまとめました。

ぜひ参考にご覧ください。

その腰痛、がんのサインかもしれません


腰痛の一般的な原因には、骨や筋肉、椎間関節の疲労や腰の骨の老化などによるものです。整体やマッサージに通ったり、湿布などで対策している方も多いのではないでしょうか。通常、起き上がる時や前かがみになる時に腰痛が生じやすいとされています。

また横になって楽な姿勢でじっとしていれば痛みは和らぐことが多く、これらの症状の場合はがんのリスクは少ないと言われています。

ですが、腰痛の中には内臓や骨などの疾患が関わっている場合もあるので、痛みが強かったり続いたりする場合には整形外科を受診することを推奨します。

一方で以下に挙げるような腰痛の症状がある場合は、がんやその他の内臓疾患、消化器官系の疾患、脊椎や脊髄の腫瘍などの大きな疾患の可能性があります。これらの症状がある場合には、早急に病院の診察を受けてください。

  • 常に腰痛がある
  • 腰痛の他に体重減少や発熱がある
  • 腰痛の他に手足のしびれや感覚障害がある

 

腰痛の症状が出る、女性特有のがんの種類


続いては、腰痛の症状が出る、女性特有のがんの種類を紹介します。

ここまでに紹介した症状は、女性の方が現れやすいと言われています。婦人科系の内臓疾患や、女性特有のがんが潜んでいる可能性があるため注意が必要です。

子宮頸がん

腰痛の症状が出る、女性特有のがんの種類1つ目は、子宮頸がんです。

子宮頸部にできるがんのことです。子宮頸部上皮内腫瘍や上皮内腺がんといった、がん化する前の状態を経て発症します。

子宮頸がんは、進行すると骨盤の中のリンパ節に転移したり、子宮頸部の周りの組織に広がったり、子宮から離れた肺などの臓器に転移したりすることがあるため、注意が必要です。

初期の子宮頸がんは、腰痛の症状が生じることはほとんどないが、がんが進行して骨盤に広がると腰の痛みが生じるケースがあります。腰痛以外の自覚症状として、おりものや出血、痛みがあります。

子宮体がん

腰痛の症状が出る、女性特有のがんの種類2つ目は、子宮体がんです。

子宮体部にできるがんです。子宮体がんは、進行すると子宮頸部や腟、リンパ節、卵巣、卵管に広がります。

さらに膀胱や直腸に広がったり、肺や肝臓など離れた臓器に転移したりすることもあるため、注意が必要です。

がんが進行すると腰痛の症状が出るケースがあります。腰痛以外の自覚症状としては、出血があります。月経ではない期間や閉経後にも出血が生じる場合には、注意しましょう。おりものに血が混ざり褐色になるだけのケースもあるので、判別が難しい場合もあります。

また、下腹部の痛み、性交時の痛み、腰痛、下肢のむくみなどの症状が現れる場合もあります。気になる症状がある場合には我慢せずに、婦人科を受診しましょう。

卵巣がん

腰痛の症状が出る、女性特有のがんの3つ目は、卵巣がんです。

卵巣がんは卵巣に発生します。卵巣腫瘍は、発生する組織によって「上皮性腫瘍」「胚細胞腫瘍」「性索間質性腫瘍」の3つに分けられます。

卵巣がんが進行すると、お腹に腹水がたまることがあります。腹水が周囲の臓器を圧迫して腰痛が生じるケースがあるため、注意が必要です。

その他にも腫瘍が大きくなることで卵巣のねじれてしまったり破裂してしまったりすることによる痛みや、周囲の臓器や神経を圧迫することによる痛み、消化管内にガスがたまることによる痛みなどが生じることもあります。

腰痛以外の自覚症状は、頻尿や便秘、脚がむくんだりすることもあります。気になる症状がある場合には我慢せずに、婦人科を受診しましょう。

乳がん

腰痛の症状が出る、女性特有のがんの種類4つ目は、乳がんです。

乳がんは乳腺の組織にできるがんです。乳管から発生することが多く、小葉から発生するケースもあります。乳がんによって直接腰痛が生じることはないが、乳がんは骨に転移しやすいという特徴があります。

そのため乳がんが骨に転移していると、腰痛やひざの痛みなどが生じるケースがあります。

また、骨が溶けたり破壊されたりすることで、強い痛みを感じる場合もあります。腰痛以外の自覚症状は、乳房のしこりです。自分で乳房を触ることで分かります。あるいは、乳房にくぼみができる、乳頭や乳輪がただれる、左右の乳房の形が非対照になる、乳頭から分泌物が出るといった自覚症状があります。

腰痛の症状が出る、その他のがんの種類


女性特有のがん以外にも、腰痛が現れる主ながんの種類を紹介します。

大腸がん

腰痛の症状が出るがんには、大腸がんがあります。

結腸・直腸に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するケースがあります。大腸がんが進行していると、腰痛の症状が現れることがあります。腰痛以外の自覚症状としては、血便や下血で、便の表面に血液が付着することがあります。

すい臓がん

腰痛の症状が出るがんには、すい臓がんがあります。

多くは膵管に発生します。ほとんどは腺がんという組織型です。すい臓がんが進行していると、がんの腫瘍が周囲の組織や神経を圧迫して腰痛が現れることがあります。

腰痛以外の自覚症状には、腹痛、食欲不振、腹部膨満感、黄疸、腰や背中の痛みがあります。また、急に糖尿病が発症するケースもあるそうです。

血液がん

腰痛の症状が出るがんには、血液がんがあります。

多発性骨髄腫は、白血球の中のリンパ球のうち、B細胞から分化した形質細胞ががん化して生じます。骨髄腫細胞になり、骨髄腫細胞が主に骨髄で増える病気です。

多発性骨髄腫になると、骨が徐々に破壊されていってしまうため、腰痛や背中の痛みが生じることが多いと言われています。荷重がかかる背骨が圧迫骨折を起こし、腰痛が現れるケースも多いとのこと。

腰痛以外の自覚症状としては、息切れや動悸、鼻血、歯茎からの出血、倦怠感、発熱などがあります。

腰痛によってがんが発覚したときの治療法


続いては、腰痛によってがんが発覚したときの主な治療法を紹介します。

がんの種類やステージ、治療を受ける方の年齢、体調、希望などを、医師と治療を受ける方ですり合わせて治療法を決めることが大切です。場合によってはいくつかの治療法を組み合わせた、集学的治療を受けるケースもあります。

患者さんとご家族が十分に納得したうえで、最適な治療をご検討ください。

手術療法

腰痛によってがんが発覚したときの治療法である手術療法の概要や特徴、メリット・デメリットについて紹介します。

手術療法は、がんに対する三大療法の一つです。手術療法は、がんを切除によって取り除く治療法です。がんの転移や浸潤がない場合に検討される治療法で、がんの初期に根治目的として行われることが多いです。

腰痛の症状は進行がんで現れることが多いため、手術療法は選択されない可能性もあります。また手術による侵襲が大きい場合には、この他の治療法が適応されます。

手術療法には下記のようなメリットがあります。

  • 完治が見込める
  • 再発・転移予防になる
  • がんの進行を抑えられる

 

手術療法には下記のようなデメリットがあります。

  • 侵襲が大きい
  • 入院が必要
  • 合併症や副作用がある

 

手術による合併症として、創感染や感染症、肺炎などがあります。また縫合不全、腸閉塞、嗄声のリスクもあります。

放射線療法

次に、腰痛によってがんが発覚したときの治療法である放射線療法の概要や特徴、メリット・デメリットについて紹介します。

放射線療法は、がんに対する三大療法の一つです。放射線療法は、放射線をがんに放射することで、細胞の遺伝子に損傷を与える治療法です。また、近年正常細胞へのダメージが少ない放射線療法が研究されています。

放射線療法には下記のようなメリットがあります。

  • 再発・転移予防になる
  • がんの進行を抑えられる
  • 通院で治療を受けられる
  • 比較的負担が少ない
  • 手術後の補助的な治療としても役立つ

 

放射線療法には下記のようなデメリットがあります。

  • 放射線療法だけでは治癒を目指せない場合がある
  • 副作用がある

 

薬物療法

腰痛によってがんが発覚したときの治療法である薬物療法の概要や特徴、メリット・デメリットについて紹介します。

薬物療法は、がんに対する三大療法の一つです。薬物療法は、抗がん剤によってがん細胞の増殖を防いだり、破壊したりする治療方法として知られています。抗がん剤は、飲み薬や点滴、注射などで投与するものもあり、幅広い投与方法が用いられています。

抗がん剤には、以下に挙げるようなものがあります。

  • 代謝拮抗薬
  • 微小管阻害薬
  • 白金製剤
  • トポイソメラーゼ阻害薬
  • 抗生物質

 

薬物療法には下記のようなメリットがあります。

  • 全身に病変が及ぶがんにも効果がある
  • 再発・転移予防になる
  • がんの進行を抑えられる
  • 通院で治療を受けられる

 

また、薬物療法のデメリットは以下のとおりです。

  • 薬物療法だけでは治癒を目指せない場合がある
  • 副作用がある

 

副作用はアレルギー反応を始め、吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、下痢、感染症、脱毛、手足のしびれなど多岐に渡ります。治療中には疲れやすさやだるさを感じることもあります。

また、副作用が精神的にも影響を及ぼす事もあり、時間を有意義に過ごそうと考えている患者様のQOL(生活の質)を低下させる可能性もあります。

重篤な副作用として、骨髄抑制や肝機能障害・腎障害・心機能障害にも注意が必要です。重篤な副作用を避けるために、気になる症状などがあれば、早急に医師や看護師に伝えることが重要です。

免疫療法

続いては、免疫療法の概要や特徴、メリット・デメリットについて紹介します。

免疫療法とは、治療を受ける方の体に元々備わっている免疫細胞を利用して、がんを治療する方法です。がんに対する三大療法に続く、第四のがんの治療法といわれている治療法です。

また、免疫療法は大きく以下の2つに分けられます。

  • 免疫チェックポイント阻害薬による治療
  • 免疫細胞療法

 

免疫チェックポイント阻害薬は、T細胞やがん細胞のアンテナに作用し、免疫にブレーキがかかることを防ぐ薬です。さまざまな種類があり、それぞれ対応するがんが異なります。

免疫細胞療法とは、免疫(免疫細胞が攻撃する力)を強める効果がある治療方法です。重篤な副作用は少なく、軽い発熱、発疹などが出る可能性はあります。免疫細胞療法には、樹状細胞ワクチン療法や活性化Tリンパ球療法、アルファ・ベータT細胞療法、NK細胞療法、6種複合免疫療法などがあります。

免疫療法には下記のようなメリットがあります。

  • 一部のがんを除き基本的にほとんどのがんに適応している
  • 再発・転移予防になる
  • 3大治療の効果が出にくくなったケースに対しても、効果を期待できる場合がある
  • がんの進行を抑えられる
  • 通院で治療を受けられる
  • 比較的負担が少ない

 

また、免疫療法のデメリットは以下のとおりです。

  • 免疫療法だけでは治癒を目指せない場合がある
  • 軽度な副作用がある
  • 効果の表れ方には個人差がある
  • 保険適応でない場合がある

 

腰痛がつらい場合は緩和ケアを行うケースも


腰痛がつらい場合は緩和ケアを行うケースもあります。がんを根治するための治療法ではなく、腰痛を含めた体の痛みや辛さなど心身のさまざまなつらさを和らげる取り組みのことです。

緩和ケアは、進行していないうちから始めるものです。がんと発覚したときから他の治療と並行して受けられます。自身がつらいときはいつでも受けられるので、タイミングは自身で選択できます。

緩和ケアと免疫療法を併用すると、がん治療の効果を効率化できるので、ぜひご検討ください。

6種複合免疫療法

まとめ


今回は、いつもと違う腰痛はがんのサインなのか情報をまとめました。横になって楽な姿勢でじっとしていれば痛みが和らぐ場合はがんのリスクは少ないと言われています。

ですが、常に腰痛に悩まされていたり腰痛の他に体重減少や発熱、手足のしびれ、感覚障害などがある場合は早急に病院に受診してください。大きな疾患やがんの可能性がゼロではありません。

腰痛の症状が出る女性特有のがんには、子宮頸がんや子宮体がん、卵巣がん、乳がんなどがあります。

がんが発覚したときには、適切な治療を受けましょう。がんと診断された場合、さまざまな治療法を医師と検討していくことが大切です。

今回紹介した免疫療法のうち、6種複合免疫療法というものがあります。

6種複合免疫療法を提供している福岡同仁クリニックについて、特長を簡単に紹介します。

福岡同仁クリニックは、がん免疫療法専門の再生医療クリニックとして、6種複合免疫療法を提供しています。これまで多くの患者さんのがん治療を行い、患者さん一人ひとりに合わせた治療法をご提案しています。

福岡同仁クリニックについてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

監修:福岡同仁クリニック院長 麻生俊英

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