がん免疫療法コラム

がんの痛みはどうして起こるの? 原因や治療法について解説

この記事ではがんに伴う痛みの原因、特徴、そして治療法について詳しく解説しています。がんと闘う中での痛み管理の重要性を理解し、治療の選択肢を考慮するための情報を得ることが可能です。

がんによる痛みについて詳しく知りたい方、または痛みの治療を検討している方は、ぜひ一読ください。

痛みは体からのSOS


痛みは私たちの体が発する重要な警告信号です。この信号は、私たちを危険から守るために不可欠な役割を果たしています。

例えば、痛みがあることでがんなどの重大な疾患に気づくことができる人もいます。しかし、痛みの原因ががんであると判明した場合、その痛みの「SOSを伝える」という役割は終わったことになります。そのため、がんが判明した時点で緩和ケアを始めることが重要です。

がんの痛みとは?


がんは多くの人々が経験する病気であり、その症状の中でも特に痛みはよくあるものの一つです。実際に、末期がんの患者さんの約70%が主な症状として痛みを報告しており、その中でも約80%の人々は激しい痛みを経験しています。このことからも、がんによる痛みの深刻さが伺えます。

しかし、がんの痛みについての一般的な誤解があります。多くの人々は、がんが進行しステージが上がることで痛みが増すと考えがちですが、これは必ずしも正しくありません。実際には、がんが進行していなくても、痛みを伴うことがあります。これは、がんの種類や位置、周囲の組織への影響など、多くの要因によって決まります。

がんの痛みは3種類に分けられる


痛みはその原因によって3つのタイプに分類されます。「がんそのものが原因となる痛み」「がん治療に伴う痛み」「がんに関連して生じる痛み」です。それぞれの特徴について解説します。

がんそのものが原因となる痛み

がんによる痛みは、さまざまな要因によって引き起こされますが、中でもがん自体が原因となるケースが最も多いです。腫瘍が成長し、周囲の健康な臓器や組織に浸潤したり、増大したり、または他の部位に転移した場合、これが痛みの原因となります。特に、腫瘍が神経に浸潤すると、「神経障害性疼痛」と呼ばれる特有の痛みが発生し、治療が困難になります。

がん治療に伴う痛み

がん治療は、その過程で痛みを引き起こす可能性があります。特に、手術後には術後の痛みが生じることが一般的です。これは手術による身体的な切除や組織の修復過程に伴うもので、一時的なものから長期にわたるものまでさまざまです。

また、化学療法は神経系に影響を及ぼすことがあり、これによって「神経障害性疼痛」が生じることがあります。この種の痛みは特に治療が難しく、継続的な痛み管理が必要とされます。

がんに関連して生じる痛み

長期間の安静や寝たきりによって腰痛が生じることがあります。また、体液の滞留によるむくみや、長時間同じ姿勢を取り続けることで引き起こされるとこずれなどの痛みなども、治療期間中によく見られます。

さらに、がん患者さんはがん以外の病気によって痛みを感じることもあります。例えば、関節炎や胆石症などの病気は、がん患者さんにおいても発症する可能性があり、これらの症状が痛みの原因となることがあります。

痛みに対する治療を始めるべき時期


がんによる痛みがある場合、我慢せずに生活の質(QOL)を向上させるために、早急に治療を開始することが推奨されます。実際、がんと診断されると、約20~50%の患者さんに痛みが現れるとされています。これは、がんの進行段階に関わらず起こり得る症状です。

特に重要なのは、がんが末期に達し、治療が困難になった場合であっても、痛みの緩和ケアは必要不可欠であるという点です。痛みの緩和ケアは、がんの治療自体と同じくらい重要であり、患者さんの快適さと生活の質の維持に大きく影響します。そのため、がんの診断を受けた時点で、痛みの管理に注目し、必要に応じて迅速に介入することが大切です。

痛みを軽減させる治療の方針


世界保健機関(WHO)によるがん疼痛治療法は、がんによる痛みを管理するための効果的なアプローチを提供しています。WHOは、がんの痛みが治療可能であり、そして治療されるべきであると強調しています。この方針に基づき、がん患者さんは適切な痛みの治療を受ける権利があります。

WHO方式のがん疼痛治療法は、痛みの強さや患者さんの状態に応じて段階的に薬物治療を行うことを推奨しています。軽度の痛みには非オピオイド鎮痛薬を、中等度から重度の痛みにはオピオイド鎮痛薬を使用することが勧められます。さらに、必要に応じて補助的な薬剤や治療法を組み合わせることが推奨されます。

WHO方式の治療法は、患者さん一人ひとりの痛みの状況に合わせて柔軟に対応可能であり、個々のニーズに合わせた痛みの管理を目指しています。このアプローチにより、がん患者さんは痛みを適切に管理し、生活の質を向上させることができるのです。この治療法は、がんによる痛みの治療において国際的な標準となっています。

痛みの診察・検査方法


がんに伴う痛みの種類を正確に判定するためには、診察と検査が不可欠です。治療計画を立てる上で、まずは患者さんの問診がメインとなります。問診では、痛みの部位、痛みの種類や特徴(鋭い、鈍い、燃えるような痛みなど)、痛みの発生時や継続時間、痛みが増す条件などについて詳細に尋ねます。これらの情報は、痛みの原因を特定し、効果的な治療法を選択するために重要です。

次に、触診が行われます。これは、痛みの部位に直接触れて圧痛の有無を確認する方法です。圧痛の有無は、痛みの原因や性質を理解するのに役立ちます。また、患者さん自身の感覚をもとにした身体診察も重要です。例えば、特定の動作で痛みが変化するかどうかなど、患者さん自身の体感が重要な情報源となります。

加えて、画像診断も痛みの評価に利用されます。がん治療においては、CTスキャンやMRIなどの画像診断がすでに行われていることが多く、これらの画像は痛みの原因を探る上で有用です。画像診断により、腫瘍の位置や大きさ、周囲の組織や器官への影響などが詳細に把握され、痛みの原因を特定します。

痛みを軽減させる治療方法


がんによる痛みを抑える治療は、原則としてがん自体の治療と並行して行われます。患者さんの状況に応じてさまざまな方法が選択され、これには放射線治療、薬物療法、神経ブロックなどが含まれます。これらの治療法は、がんの進行を抑えると同時に、痛みを和らげることを目的としています。

放射線療法

放射線療法は、がん細胞に直接放射線を照射し、その増殖を阻止する方法です。この治療は局所療法の一種であり、放射線が照射される範囲は厳密にコントロールされます。これにより、患者さんの体の特定部位にあるがん細胞にのみ影響を与えることができ、周囲の正常な組織への影響を最小限に抑えることが可能です。

放射線療法は、がんを治療する主要な手段の一つですが、痛みの緩和にも非常に有効です。特に、骨や神経など、痛みを引き起こす部位にがん細胞が存在する場合に効果的です。放射線ががん細胞に働きかけ、腫瘍のサイズを縮小することで、圧迫されていた周囲の組織や神経への負担が減少し、結果として痛みが和らぐことがあります。

薬物療法

がんに伴う痛みの治療には、鎮痛薬や鎮痛補助薬の定期的な内服が重要です。これらの薬剤を規則正しく服用することで、痛みを和らげます。また、痛みの状態に応じて、貼り薬や坐薬などの局所的な治療法も利用されます。さらに、急に痛みが強くなった際には、頓服薬を用いて対処します。

がんの症状があまり進展していない初期の段階では、これらの方法がよく採用されます。しかし、病状が進行すると、痛みのコントロールが難しくなることがあります。この場合、医療用麻薬(モルヒネなど)の使用が検討されることもあります。これらの強力な鎮痛剤は、より強い痛みに対して効果的です。

ただし、これらの治療法には副作用のリスクも伴います。便秘、吐き気、眠気などの副作用が生じる可能性があり、これらの管理も治療の一環として重要になります。がんによる痛みの治療は、痛みを和らげるだけでなく、副作用への対応も含めた総合的なアプローチが求められます。

神経ブロック療法

神経ブロック療法は、特定の神経に薬剤を注入し、痛みの伝達を遮断する治療法です。この方法により、痛みを直接的に軽減することができ、結果として鎮痛薬の必要量を減らすことにもつながります。神経ブロックは、局所的な痛みに特に効果的で、副作用のリスクも低減されるため、がん患者さんの痛み管理において重要な選択肢の一つとされています。

免疫療法と組み合わせることによる効果


免疫療法は、がん治療の新たなアプローチであり、患者さんの免疫力を高めることによってがん細胞を攻撃する治療法です。手術、放射線療法、化学療法に続く「第4のがん治療」として注目されており、特に一部の血液系のがんを除く多くのがん種に対して可能性があるとされています。近年では、この分野の研究開発が活発に進められ、新しい治療法の開発が期待されています。

免疫療法は、がん細胞の成長を抑えるだけでなく、患者さんの全体的な健康状態を向上させることも目指しています。この治療法を、痛みを軽減させる治療方法と組み合わせて行うことにより、がん治療の効果をより効率的に得ることが期待されます。

痛みの管理は、がん患者さんの生活の質を向上させ、免疫療法の効果を最大限に引き出す上で重要な役割を果たします。このように、免疫療法と痛み緩和治療の組み合わせは、がん治療の効果を高め、患者さんの快適さを保つための重要な戦略となっています。

6種複合免疫療法とは?


「6種複合免疫療法」は、がん治療における先進的なアプローチの一つです。この治療法は、6種類の異なる免疫細胞を同時に培養し、がん細胞に対する強力な免疫反応を促進することを目的としています。これらの免疫細胞は、それぞれ異なる役割を持ち、チームとして協力しながらがん細胞を攻撃します。

6種複合免疫療法で培養する免疫細胞は以下のものです。

免疫細胞の種類 特徴
NK細胞 がん細胞やウイルス感染細胞を直接攻撃する。
樹状細胞 免疫系にがん細胞の存在を識別し、反応を促進する。
ヘルパーT細胞 免疫反応を調節し、他の免疫細胞の活性化を助ける。
キラーT細胞 感染細胞やがん細胞を特定し、破壊する。
NKT細胞 NK細胞とT細胞の両方の特性を持ち、免疫応答を強化する。
ガンマ・デルタT細胞 異常な細胞を識別し、攻撃する。

6種複合免疫療法

まとめ


この記事では、がんの痛みに対する治療法について解説しました。緩和ケアはがん治療と並行して行われることがほとんどです。そして、緩和ケアは免疫療法と組み合わせることで、治療効果を最大限に引き出すことができると言われています。

特に、6種複合免疫療法は、がん治療の新しい可能性を開く革新的な方法の一つとして注目されています。この治療法は、6種類の異なる免疫細胞を利用し、それぞれの細胞が持つ独自の機能を活かしてがん細胞に対抗します。

福岡同仁クリニックでは、この6種複合免疫療法を提供しています。当クリニックの特長は、最新の医療技術を取り入れつつ、患者さん一人ひとりの体調や症状に合わせた個別性の高い治療を行うところにあります。高い専門性を持つスタッフが、患者さんの安心と安全を第一に考え、丁寧なカウンセリングを行います。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

監修:福岡同仁クリニック院長 麻生俊英

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