がん免疫療法コラム

がんを再発させないための予防策とは? 再発のパターンや術後補助療法について解説

この記事を読むことで、がんの再発についての詳細な情報や、再発予防のための治療法に関する知識が得られます。再発のメカニズム、再発予防の種類と特徴、それらの適用条件や効果など、がんの再発に関心がある方や再発予防治療を検討している方にとって役立つ情報を提供します。

がんは再発する可能性がある


がんは、一度完全に寛解したとしても、再発する可能性がある病気です。この再発は患者さんにとって非常に大きなショックを与えるものです。治療を乗り越えた後の安堵感から再び病と向き合うことは、心理的にも肉体的にも大きな負担となります。

再発した場合、患者さんは初めての治療期間以上に周囲からの支援を必要とします。家族や友人、医療スタッフからの精神的な支えや、治療に関する情報提供、日常生活のサポートなど、総合的なケアが求められます。再発という試練を乗り越えるためには、患者さん一人だけではなく、周囲の理解と支援が不可欠です。

がんが再発してしまう理由


がんの再発について理解するには、まず「寛解」という状態を知ることが重要です。寛解とは、がんが取り除かれた、または検出されない状態を指します。

しかし、現在の医療技術では、画像診断や検査では捉えられない微小ながん細胞が体内に残っている可能性があります。そのため、完全寛解と診断されても、原発巣のがん細胞が微量に残っていることがあります。

残ってしまったがん細胞は、時間が経過するにつれて成長し、再び大きくなる可能性があります。これが再発です。再発したがんは、初めて発症した時と同じ場所に現れることもあれば、他の部位に現れることもあります。重要なことは、寛解は完治を意味するわけではないということです。寛解状態であっても、再発のリスクは常に存在します。

原発巣とは?

がんの最初の発生部位を「原発巣」と言います。寛解状態にある原発巣から、同じ性質を持つがん細胞が再び発生した場合、これを「再発」と診断します。詳細は後述しますが、再発したがん細胞は別の部位に転移することもあります。

一方で、原発巣とは異なる性質のがんが見つかった場合、これは再発ではなく、新たに発症したがんと考えられます。

がんが再発する3つのパターン


再発には、「局所再発」「領域再発」「遠隔再発」の3つの主要なパターンがあり、それぞれに対応した予防方法が存在します。

局所再発

がんが原発巣、つまり最初に発生した場所やその近くで再び発生することを「局所再発」と呼びます。局所再発は、特定のがん種においてよく見られます。

例えば、肝細胞がんは局所再発の一例です。肝細胞がんの背景には、慢性肝炎や肝硬変が存在することが多く、これらの条件は肝臓内の別の場所でのがんの局所再発を促進する要因となります。

領域再発

がんが周囲の組織に浸潤し、隣接するリンパ節に発生することを「領域再発」といいます。領域再発は、がんが周辺組織に広がり、近くのリンパ節に影響を及ぼすことを意味します。

領域再発の一例として乳がんが挙げられます。乳がんの場合、乳房内や脇下、鎖骨周辺、鎖骨下、傍旨骨(鎖骨上リンパ節)などに存在するリンパ節への再発が見られやすいです。これは、乳がん細胞がリンパ液を介してこれらのリンパ節に広がるためです。

遠隔再発

がんがリンパ管や血管を通じて、元の部位から遠く離れた箇所に現れることを「遠隔再発」と言います。これは、がん細胞が体内を移動し、別の場所で再び増殖することを意味します。遠隔再発は、事実上の転移としての再発です。

遠隔再発の具体例として、結腸がんがあります。結腸がんの場合、結腸はお腹の中の広い空間に位置しており、広範囲に切除することが可能です。これにより、局所にがん細胞が残る確率は低くなります。

しかし、がん細胞は静脈経路を通じて移動することがあり、特に肝臓での遠隔再発が多く見られます。このように、結腸がんは、初期の発生部位から離れた場所、特に肝臓での再発が特徴的です。

がんの再発リスクを下げるためにできること


がん治療においては、早期発見だけでなく、再発の予防も非常に重要です。特に、原発巣のがんのステージが高いほど、再発のリスクは上昇します。一般に、がん患者さんが手術後5年間再発を経験しない場合、その後にがんが再発する確率は著しく低くなります。この5年間無再発の状態は、がんが治ったとみなされる重要な指標です。

したがって、この5年間の再発を防ぐことが、がん治療において重要な焦点となります。以下に、がんの再発リスクを下げるためにできることを紹介します。

定期的に検査を受ける

がん治療においては、医師の指示に従い、定期的な検査を受けることが強く推奨されます。これには、血液検査、画像診断、身体検査などが含まれ、これらは再発を早期に発見するために不可欠です。

早期発見は、再発がんの治療成果を高める鍵となります。定期的な検査は、がんの微小な変化を捉え、治療計画の調整や早期介入を可能にします。患者さん自身が自分の健康状態に注意を払い、定期検査のスケジュールを守ることは、がんの再発を防ぐ上で極めて重要です。

術後補助療法を受ける

がん治療において再発予防のために「術後補助療法」という選択肢があります。これは、特に再発リスクが高いと想定される場合に重要です。術後補助療法には、がんの種類、範囲、進行度、患者さんの体の状態などに基づいて、さまざまな方法が選択されます。

がんの治療法には、全身療法と局所療法があります。全身療法は、化学療法や免疫療法など、がん細胞を体全体で攻撃する方法です。一方、局所療法は、放射線療法や手術など、特定の部位に対して直接的に働きかける方法です。

再発部位は事前に特定することが困難なため、術後補助療法では一般的に全身療法から始めます。これにより、体内に潜む潜在的ながん細胞に対処します。

しかし、ケースによっては、局所再発を防ぐために局所療法が採用されることもあります。これは、特定のリスクが高い部位に集中して治療を行うためです。

術後補助療法の種類


では、術後補助療法にはどのような種類があるのか以下に解説していきます。

薬物療法

薬物療法は全身治療の一種で、全身にがんが転移する可能性が高い場合に採用されます。この治療法は、体内のあらゆる場所に広がりうるがん細胞に対処するためのものです。

術後補助化学療法は、抗がん剤などを用いて、手術で取り残された微小ながん細胞の分裂を抑えることで、再発を予防する治療法です。この方法は、手術後のがん細胞の残存リスクに対応するために用いられ、再発の確率を低減させることを目的としています。

また、術後内分泌療法(ホルモン療法)も一般的な治療法です。この治療は、特に女性ホルモンの働きを抑えることでがん細胞の分裂を阻害し、再発を予防することを目指します。主に乳がんの治療に適用され、5年から10年にわたる長期に渡る治療が一般的です。

免疫療法

免疫療法は、全身治療の一環として、体の免疫システムを強化し、がん細胞を排除する治療法です。この治療は、自己の免疫システムを活用してがんと戦う方法で、特に肺がんや肝臓がんの再発リスクを低減させる効果があるとされています。免疫細胞治療に関する論文報告では、この治療法が再発予防治療として有効であることが示されています。

免疫療法は、患者さんの生活の質(QOL)を維持しながら行うことが可能です。このため、再発を防ぎながらも、患者さんの日常生活に過度の負担をかけない治療法として期待されています。現在、研究や臨床応用が進められており、がん治療の新たな選択肢として注目されているのが免疫療法なのです。

放射線療法

放射線療法は、局所治療の一つであり、放射線をがん細胞に直接照射することで、その増殖を阻止し再発を予防する治療法です。この方法は、特定の部位に存在するがん細胞に焦点を当て、高精度な放射線を使用してがん細胞を破壊します。放射線療法は、がん細胞のDNAを損傷させることで、がん細胞の成長と分裂を妨げる効果があります。

特に手術不能ながんや、手術後の残存がん細胞の処理に有効です。また、再発のリスクが高い部位への治療にも使用されることがあります。放射線療法は、他の治療法と組み合わせて使用されることも多く、化学療法や免疫療法との併用により、治療効果を高めることが可能です。

術後補助療法を受ける際の注意点


術後補助療法は、がんの種類や進行度に応じて推奨される治療法が異なります。この治療の適用には、時期が限定されている場合もあり、治療開始のタイミングが重要です。

また、化学療法や放射線療法などの術後補助療法には副作用のリスクも伴います。これらの副作用には、疲労感、吐き気、脱毛などが含まれることがあり、患者さんの日常生活に影響を与える可能性があります。

したがって、治療を受ける前には、医師としっかりと相談し、治療のメリットとリスクを十分に理解することが大切です。医師は、患者さんの健康状態、がんの特性、治療の副作用などを総合的に考慮して、最適な治療法を提案します。

6種複合免疫療法

まとめ


再発予防はがん治療の重要な側面であり、多様な治療法が存在します。その中で特に注目されているのが、免疫療法です。免疫療法は患者さんの生活の質を維持しながら、治療を進められる革新的な治療法です。

そして、免疫療法の中には、さまざまな種類の治療法が存在します。今回、ご紹介するのは「6種複合免疫療法」です。この治療法は、体内に存在する6種類の免疫細胞を体外に取り出し、活性化・増殖させた後に体内に戻すことで、がんと戦う力を強化します。

がんの再発予防に期待されており、現在も研究開発が進められています。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

監修:福岡同仁クリニック院長 麻生俊英

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