がん免疫療法コラム

がんで仕事ができない場合に使える公的制度とは? 経済的負担を軽減させる方法

がん治療は副作用が大きく出ることも多く、今まで通りの生活が困難になることがあります。特に、仕事を休職・離職せざるを得ない場合、経済的な不安も大きくなるでしょう。

本記事では、がんで仕事ができない場合に使える公的制度について解説します。制度をうまく活用することで、がん治療中でも経済的負担を軽減させることが可能です。

また、記事の最後に副作用が比較的少ないと言われている「免疫療法」についてもご紹介します。

がん・6種複合免疫療法

がんと宣告されて「もう仕事はできない……」とあきらめる前に


がんと聞くと、多くの人がその重大さを感じ、不安を覚えるかもしれません。しかし、近年の医療技術の進歩により、がんはもはや不治の病ではなくなりました。現代では「長く付き合う病気」として位置づけられています。治療方法や技術が進化したことで、多くの患者さんががんとの共存を実現し、普段の生活を続けながら治療を受けることが可能になりました。

このような背景を受け、国もがん患者さんの社会的なサポートを強化しており、実際、厚生労働省はがん患者さんの雇用を後押しするガイドラインなどを発行しています。

また、治療後の生活を考えた場合、休職を取ることも一つの選択肢となるでしょう。休職を取ることで、治療に専念し、その後の生活や仕事に戻るための体力や心の準備を整えることができます。

参考:治療と仕事の両立について|厚生労働省

仕事ができないときは公的制度を利用しましょう


仕事を続けるかどうかは、がん患者さんの日常生活において非常に重要な選択の一つです。しかし、体調や治療の内容、生活状況など、さまざまな要因を考慮した上で、最善の判断を下す必要があります。検討の結果、仕事を続けることが困難だと判断した場合、公的制度を活用しながら治療や緩和ケアに集中することが望ましいです。

休職・離職に対する公的制度


まずは、休職・離職に対する公的制度についてご紹介します。

傷病手当金

日本の健康保険の制度は、私たちの健康を支える多岐にわたるサポートを提供しています。その中の一つが「傷病手当金」という制度です。これは、被保険者が病気やケガのために仕事を休むことになった際、事業主からの報酬が受けられない状況にある人々に対して、一定の金額を支給するためのものです。

具体的には、病気やケガで連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなくなった場合に、この傷病手当金が支給されることになっています。病気やケガによる経済的な不安から解放され、安心して治療に専念することができるでしょう。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会

失業手当(基本手当)

日本の雇用保険の制度は、労働者の雇用安定や生活の安定を目的とした重要な制度の一つです。その中でも特に注目されるのが「失業手当」という給付です。この失業手当は、失業者が再就職活動を行う上での経済的な負担を軽減するためのもので、失業中の生活を心配せずに、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されます。

また、失業者には新たなスキルや職業の知識を身につける機会も提供されています。公共職業訓練などのプログラムが存在し、これにより労働者は再就職市場での競争力を上げることが可能です。特に、公共職業訓練等を受講することが必要であると認められた場合、安定所長からその訓練の受講を「指示」されることもあります。

参考:病気やケガで会社を休んだとき (傷病手当金)|全国健康保険協会

心身の障害に対する公的制度


続いて、心身の障害に対する公的制度をご紹介します。

障害年金

日本における「障害年金」は、障害を持つ人々が経済的な支援を受けられるように設けられた制度です。この年金は、障害者が以前の仕事に復帰できない場合や、収入を得ることが困難な場合に支給されるものです。

障害年金は、国民年金と厚生年金の両方の制度に基づいています。具体的には、国民年金に加入していた方は「障害基礎年金」として、厚生年金に加入していた方は「障害厚生年金」として請求することが可能です。これにより、障害の程度や原因に関係なく、適切な支援を受けることができます。

参考:障害年金|日本年金機構

心身障害者福祉手当

心身障害者福祉手当は、障害を持つ方々の生活を支援するための給付金制度です。この手当は、各市区町村ごとに独自の制度として設けられており、障害の状態や生活状況に応じて異なるサポートが提供されます。

例えば、福岡市では「福岡市重度心身障がい者福祉手当」という名前でこの制度が運用されています。この手当は、重度の障害を持つ市民に対して、経済的なサポートとして毎年12月に支給されるものです。

特別障害者手当

特別障害者手当は、厚生労働省が提供する福祉制度の一つです。この手当は、心身に重度の障害を持つ方々を対象としており、その障害のために日常生活を送る際に常時介護が必要となる方々に対して支給されるものとなっています。目的は、障害を持つ方々が適切なサポートを受けられるようにすることで、より良い生活の質を保障することにあります。

重度の障害を持つことは、日常のさまざまな場面で困難を伴います。そのため、特別障害者手当は、経済的なサポートを通じてこれらの困難を少しでも軽減するためのものであり、大変重要な支援策となっています。

参考:特別障害者手当について|厚生労働省

生活の困窮に対する公的制度


重度の症状や治療の専念により、生活が困窮するほど経済状況が悪化することがあります。その場合に活用できる公的制度を以下にご紹介します。

生活福祉資金貸付

生活福祉資金貸付は、経済的に困難な状況にある人々が必要な資金を確保するための貸付制度です。都道府県社会福祉協議会がこの制度を提供しており、具体的な手続きや相談は県内の市区町村社会福祉協議会が窓口として対応しています。

この貸付制度の対象は、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯など、経済的に困難な状況にあるさまざまな世帯です。生活の中で予期せぬ出費や困難な状況が生じた際に、この生活福祉資金貸付を利用して必要な資金を借り入れることができます。

参考:生活福祉資金貸付制度 |厚生労働省

生活保護 

生活保護は、市区町村または都道府県が提供する制度で、自らの力で生活を維持することが難しい方々に、生活の基盤を守るための経済的支援を行うものです。生活に困窮する事情が生じた際、国や地方自治体が一定の基準に基づき、必要な支援を提供します。

具体的には、生活必需品や医療、住居、教育など、生活のあらゆる面での支援が行われます。この制度は、国民全体が持っている「最低限度の生活を保障する権利」を実現するためのものであり、自分の力で生活を維持することが困難な方々を支援するための最後の砦とも言えます。

福岡市の場合、生活保護に関する窓口は「福岡市福祉局 生活福祉部 保護課」です。市民が生活保護の申請や相談をしたい場合は、こちらをご確認ください。

参考:生活保護制度|厚生労働省

老齢年金の繰り上げ支給

老齢年金とは、高齢となったときに受け取ることができる年金制度の一つで、その中でも「老齢基礎年金」と「厚生年金」が主要な制度として存在します。通常、これらの年金は65歳から受け取ることができますが、状況や希望に応じて60歳から65歳までの間に、早期に年金を受け取ることができる制度があり、これを「老齢年金の繰り上げ支給」と言います。

繰り上げ支給を希望することで、年金の受給開始時期を前倒しすることができますが、その分、受け取る金額は通常よりも少なくなる点に注意が必要です。それでも、早期に資金が必要な場合や、他の収入源があるために早く年金を受け取りたいと考える方々にとっては、大変有効な制度でしょう。

参考: 老齢年金の繰り上げ支給|日本年金機構

各種免除


最後に、各種免除についてご紹介します。

国民年金の保険料納付免除

国民年金は、全国民が加入する公的年金制度の一つです。しかし、人生にはさまざまな要因で一時的に収入が減少したり、失業してしまったりすることもあります。そうした状況下で、国民年金の保険料を納めることが経済的に困難になった場合、納付の免除を受けることができる制度が設けられています。

具体的には、経済的な理由で国民年金の保険料を納めることが難しいと判断された場合、一定の手続きを経て保険料の納付を免除してもらえます。この免除制度を利用することで、将来の年金受給権を失うことなく、現在の生活を守ることが可能です。

参考:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構

住宅ローンの支払い免除

住宅ローンは多くの家庭の大きな負担となる借入金です。そんな中、団体信用保険という制度が存在します。

団体信用保険は、住宅ローンを組む際に加入することができる保険制度です。この保険の最大の特長は、加入者が予期せぬ事故や病気で死亡したり、所定の高度障害状態となったりした場合、その後の住宅ローンの残金を全額免除してもらえる点にあります。これにより、ご家族が住宅ローンの重荷による経済的な困難を経験することを避けることが可能です。

例えば、大きな金額の住宅ローンを組んで新しい家を購入した直後に、加入者が不慮の事故に遭ってしまった場合、団体信用保険に加入していれば、遺族はその後の住宅ローン返済の心配をせず、家を手放すことなく生活を続けることができるのです。

参考:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

がん・6種複合免疫療法

まとめ


従来のがん治療は、身体への負担が大きく、副作用も大きいのが特徴です。そのため、今まで続けていた仕事ができなくなることがあります。経済的な負担を少しでも減らすためには、公的制度を活用することがおすすめです。本記事では、健康保険や雇用保険、年金など、さまざまな方面から利用できる制度についてご紹介しました。

治療方法によっては、仕事を続けながら治療が受けられることも大いにあります。それが免疫療法です。免疫療法の一種である「6種複合免疫療法」は、免疫力を高めることでがん細胞を攻撃し、自らの身体でがんを克服するための治療法です。この治療法の最大の特長は、副作用が少ない点です。患者さん自身の免疫力を利用するため、体への負担が小さく、他の治療方法と組み合わせることも可能です。

福岡同仁クリニックでは、この6種複合免疫療法を提供しています。当クリニックの特長は、最新の医療技術を取り入れつつ、患者さん一人ひとりの体調や症状に合わせた個別性の高い治療を行うところにあります。高い専門性を持つスタッフが、患者さんの安心と安全を第一に考え、丁寧なカウンセリングを行います。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

がん・6種複合免疫療法

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