がん免疫療法コラム

がん検診で要精検(要精密検査)となったらどうすればいい? がんの種類別に検査結果が出るまでの期間もご紹介

本記事では、がん検査の流れや種類、検査結果の待ち時間の目安まで幅広く解説しています。また、がん検査を受けようとしている方、または精密検査の結果を待っている方へ、不安や疑問を少しでも軽減できるよう心の準備方法についてもご紹介しています。

がん検診とは?


がん検診とは、進行前にがんを発見し、早期治療を可能にすることを目的とした検診です。がん検診には大きく分けて2種類のタイプがあります。

「対策型検診」は、特定のリスクファクターを持つ個人や一定の年齢層を対象に、定期的に行われる検診です。

「任意型検診」は、個人が自身の意志で受けられる検診です。特にリスクファクターがなくても、自身の健康を確認したいと考える方が利用します。

対策型検診

対策型検診は、がんの早期発見を目指す公的な検診プログラムです。国や地方自治体が主体となり、特定の年齢層やリスク群を対象に行います。対策型検診では、胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんといった5大がんの検査が行われます。これらのがんは死亡率が高いため、早期の発見と治療が重要視されています。

各検診の詳細な内容は以下の通りです。

 がん種 対象者 受診間隔 検査内容
 胃がん 40歳以上の男女 1年に1回 上部消化管内視鏡検査やバリウムX線撮影を含む画像診断
 子宮頸がん 20歳以上の女性 2年に1回 子宮頸部の細胞診
 肺がん 40歳以上の男女 1年に1回 CT検査や胸部X線撮影を中心とした画像診断や喀痰細胞診など
 乳がん 40歳以上の女性  2年に1回 マンモグラフィー検査
 大腸がん 40歳以上の男女 1年に1回 粪便検査や大腸内視鏡検査を含む画像診断や生体組織の採取

(引用元: がん情報サービス

対策型検診は、がんの進行を未然に防ぎ、早期治療を実現するための重要な施策です。定期健診により、がんの死亡率の低減と社会全体の健康増進を図ることが目的です。

任意型検診

任意型検診は、医療機関が任意で提供するがん検診です。対策型検診と異なり、公的な規定や推奨に縛られることはなく、医療機関ごとにさまざまな検診方法や内容が展開されています。患者さんは自身の健康状態やリスクファクターに応じた、より幅広い選択肢から検診を選ぶことが可能です。

ただし、この任意型検診は公的な支援や補助が受けられず、費用は基本的に検診を受ける方の自己負担となります。これが任意型検診の大きな特徴であり、患者さんが個人的に検診の種類や範囲、頻度を選べる一方で、費用面での負担が増える可能性があるのです。

がん検診の流れ


がん検診は種類によって内容が異なりますが、だいたいの流れは一緒です。

以下に、がん検診のおおまかな流れについてご紹介します。

がん検診を受ける

がん検診は、基本的に自覚症状がない健康な人ががんの可能性を調査するために受けるものです。検診では、受検者の健康状態に基づいて「要精検」または「精検不要」という判定が下されます。

もし「精検不要」と判定され、異常が認められなかった場合でも、将来的なリスクを回避するためにも、定期的な検診を受けることをおすすめします。早期に対策を講じることで、健康な生活を長く続けられる可能性が高まります。

「要精検」になった場合、精密検査を受ける

がん検診において「要精検」(異常がある、がんの疑いがある)と診断された場合、次のステップは精密検査の受診です。この精密検査の受診病院は特に指定がなく、どの医療機関でも受けることが可能です。ただし、初めて受ける場合やどの病院を選ぶべきか迷った場合は、がん検診を受けた医療機関に相談しましょう。

精密検査の結果、異常が見られなかった場合や良性の病変だった場合は、ひとまず安心できる状態です。それでもがんのリスクは完全には排除できないため、その後も定期的にがん検診を受けることをおすすめします。

がんと診断された場合、治療を開始する

精密検査でがんと診断された場合は、医療機関で専門の治療を受ける必要があります。治療の方針はがんの種類や進行度によって異なるため、専門医と綿密に相談しながら、患者さんの状態に合わせた最適な治療プランを立てていきます。手術、放射線治療、抗がん剤治療など、さまざまな治療方法があるので、専門医のアドバイスを受けつつ、最良の治療法を選びましょう。

要精検と判定されたら必ず精密検査を受けましょう


がん検診で「要精検」の判定を受けると、多くの人が「がんかもしれない」という恐怖心を抱くかもしれません。その恐怖から逃れるために、精密検査を避ける方も少なくありません。また、自覚症状がない場合、検査を受けることを面倒くさく思う人もいます。

しかし、検診で精密検査が必要と判定された場合は、検査を受けることが非常に重要です。もしもがんであったとしても、早期に発見することで治療の選択肢が広がり、死亡リスクを大幅に減らせる可能性があるからです。

がん検診・精密検査の結果はいつ分かる?


がん検診を受けた方の中には、一刻も早く検査結果を知りたいと思う方も多いです。

ここでは、がん検診の種類別に、検査結果の待ち時間についてご紹介します。

がん検診の検査結果

がん検診を受けた際、患者さんが最も気になるのは検査結果がいつ出るかという点でしょう。検査結果の待ち時間は、受けた医療機関や検診の種類によって異なります。一般的な目安としては、結果が出るまで約10日~2か月ほどかかることが多いです。

ただし、これはあくまで目安であり、具体的な待ち時間に関しては受診した医療機関に直接確認してください。

【種類別】精密検査の検査結果

精密検査の結果待ち時間は、多くの人が気になるポイントです。ここでは、死亡者数(男女)が多い順に5大がん(肺がん、大腸がん、胃がん、乳がん、子宮頸がん)の検査結果が得られるまでの目安時間をご紹介します。

繰り返しますが、具体的な待ち時間は検査を受けた医療機関や検査の内容によって異なる場合があるので、あくまで目安として参照してください。

肺がん

肺がんの精密検査には主に胸部CT検査と病理診断の二つの方法があります。胸部CT検査は、体の周囲からX線を照射し、レントゲンでは観察しにくい部分も死角なく確認することができます。胸部CT検査で病変が見つかった場合、さらにがんかどうかを判断するための検査を受けることとなります。

次に病理診断では、病変の一部を採取して顕微鏡で観察し、がんかどうかを確認します。

肺がんの検査結果の待ち時間は、約数日~2週間程度とされています。

大腸がん

大腸がんの精密検査にはいくつかの方法があります。最初に、全大腸内視鏡検査を行います。これは内視鏡を肛門から挿入し、大腸全体を観察するもので、がんやその他の病変の有無を確認するために行われます。病変が見つかった場合は、組織を採取し、良性か悪性かを診断します。

次に、大腸のX線検査です。これは内視鏡が到達しづらい奥の部分の大腸を調査する方法で、全大腸内視鏡検査と併用されることが多いです。

さらに、大腸のCT検査も行います。CT検査では、肛門からガスを注入して大腸を拡張させ、X線で撮影することで、病変の有無や進行状態を調査します。

大腸がんの検査結果の待ち時間は約1週間です。

胃がん

胃がんの精密検査には胃内視鏡検査が行われます。胃の内部を詳細に観察するもので、疑わしい部位が見つかった際には生検を行い、その組織が悪性かどうかを調べる組織診が行われます。

胃がんの検査結果が出るまでの待ち時間の目安は約1週間とされています。

乳がん

乳がんの精密検査では、マンモグラフィの追加撮影、超音波検査、細胞診、組織診など複数の方法を組み合わせて行います。

まず、マンモグラフィの追加撮影では、乳房の異常部分をさらに詳しく確認します。次に超音波検査を行い、乳房の内部構造を観察し、しこりや変形などの異常を見つけ出します。細胞診では、乳房から採取した細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞の有無を調査します。そして組織診では、病変部分の組織を採取し、がんの種類や進行状態を確認します。

精密検査の結果が出るまでの待ち時間は、約1~3週間とされています。

子宮頸がん

子宮頸がんの精密検査は、コルポスコープ下の組織診、細胞診、HPV(ヒトパピローマウイルス)検査を組み合わせて行います。

まず、コルポスコープ下の組織診では、コルポスコープという腟拡大鏡を利用して子宮頸部を直接観察します。異常な部分が見つかった場合、その部分から組織を採取し、詳細な検査を行います。また、HPV検査では、子宮頸部から細胞を採取し、HPVの感染有無を調べます。HPVは子宮頸がんのリスクを高める可能性があるウイルスです。

子宮頸がんの検査結果の待ち時間は約1~2週間です。

検査結果が出るまでの心の在り方


がんの検査結果待ちの期間は、多くの人が不安や心配に包まれる時期です。結果が出るまではどうしても悪い方向に思考が向かってしまい、眠れなくなったり、落ち込んだりすることも珍しくありません。しかし、この時期に悩み続けたからといって、結果が変わるわけではありません。そのため、検査結果が出るまでは、なるべく普段どおりの生活を心がけましょう。

お気に入りの映画を観たり、読書をしたりなど、好きなことに時間を使って気を紛らわすことが大切です。また、趣味だけでなく、仕事に没頭することも効果的です。考える時間を少なくし、検査のことから頭を離す時間を作りましょう。精神的な負担を減らすことで、身体的な健康も保たれやすくなります。

そして、万が一検査結果でがんと診断された場合は、次のステップをどのように進めていくかを医師や家族と共に考えることが大切です。特に検査結果を聞く際は、信頼できる人や身近な家族が同席することで、心の支えとなり、落ち着いて情報を受け取ることができるでしょう。

6種複合免疫療法

まとめ


本記事では、がん検査の概要から、精密検査に至るまでの過程まで、がん検査におけるさまざまな情報をご紹介しました。がん検査はその種類や対象が多岐にわたり、特に精密検査では高度な技術と専門性が求められます。

そして、重要なのは、がんと診断された場合の心構えと治療選択です。信頼できる医師や医療機関で治療を受けることはもちろん、家族や友人ともしっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。また、精密検査の結果待ちの期間は精神的にも負担がかかる時間ですが、その間にも普段どおりの生活を心がけ、心の平穏を保つことが重要です。

そして、がんの治療法には、さまざまな種類があるとご紹介しました。手術、放射線治療、抗がん剤治療などは、皆さまも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、がんの治療法はそれら3つだけではありません。

近年注目されているのが、第4の治療法とも呼ばれる「免疫療法」です。免疫療法は、他の治療法と異なり、自分の免疫細胞を利用してがん細胞を攻撃するがん治療です。そのため、副作用が軽いことが大きな特長です。

福岡同仁クリニックでは免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」を提供しています。6種複合免疫療法は、患者さまの免疫力向上を目指し、がん細胞との戦いをサポートする最先端の治療方法として注目されています。これにより、体が自らがん細胞を排除しようとする力を高めることが期待できるのです。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

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