がん免疫療法コラム

がん治療における民間療法とは? 効果や3大治療法との違いについて解説

一般的に知られているがんの治療法は、手術療法、放射線療法、薬物療法の3つです。ですが、この他に民間療法と呼ばれる治療法もあります。この記事では、がんの患者さんやご家族の方で、がんによる身体的・精神的負担を軽くしたいと考えている方に向けて民間療法について紹介します。

この記事を読むと

  • 民間療法とは
  • 民間療法の種類
  • 免疫療法について

が分かります。ぜひ参考にご覧ください。

がん・6種複合免疫療法

民間療法とは?


さっそくですが、民間療法とは何かを解説します。民間療法は明確に定義が決まっていない治療法ですが、一般的には標準療法以外のサプリメントや健康食品によるものを言います。

民間療法は、「補完代替療法」や「統合医療」の一部として扱われるケースもあります。

補完代替療法とは、一般的に従来の通常医療とみなされていない、さまざまな医療や施術のこと。

統合医療とは、従来の治療方法である近代西洋医学と、補完代替療法や伝統医学を組み合わせたものです。

厚生労働省によると、民間療法を含めた補完代替医療について、日本ではがんの患者の44.6%が1種類以上利用しているそうです。

(参考:厚生労働省がん研究助成金「がんの補完代替医療ガイドブック」p15より

そもそも民間療法の目的は、「がんを治す」のではなく「生活の質(QOL)」を上げることです。精神的な不安を軽減し、治療をサポートする側面が強い傾向にあるということを念頭に置きましょう。

民間療法の種類


がんにおける民間療法と言われるものには、非常に多くの種類があります。民間療法に関する定義は明確でないため、今回は医療従事者ではなく一般人の判断で行う主な行為について紹介します。各民間療法について、以下の表にて解説します。

 民間療法の分類  民間療法の種類  概要
 生物学に基づく療法  特定の食品 特定の食品であるサメ軟骨、アガリクス茸、AHCCなどを摂取する
 ハーブ がんに効果的なハーブ類を摂取する
 サプリメント がんに効果的なサプリメントを摂取する
 整体や身体を基礎とした療法  アロマテラピー エッセンシャルオイルを使用した自然療法
 マッサージ 直接皮膚に刺激を与えて血液やリンパ液の循環を促進する
 鍼 専用の鍼で身体の特定の点を刺激する
 灸 専用の灸で身体の特定の点を刺激する
 カイロプラクティック 身体の歪みを生じさせている原因を探して、背骨や骨盤を矯正する
 代替医療体系  ホメオパシー 自然治癒力に働きかける治療法
 アーユルベーダ 中枢神経をリラックスさせる心の治療法
 伝統的中国医学 気を良い状態に保ち、健康を回復する治療法
 エネルギー療法  レイキ 補完療法の一つ。患者自身の治癒反応を促進する治療法
 手当て療法 手を患部などに当てたりかざしたりすることで身体の不調を整える治療法

民間療法にがん治療の効果はある?


そもそも、民間療法にがん治療の効果はあるのでしょうか。結論、民間療法のがんそのものへの効果は、医学的には証明されていません。民間療法を受けるだけで、がんの進行が遅くなったり、小さくなったりすることは現時点ではありません。ただし民間療法には、がんやがん治療によって起こる身体的・精神的な辛さを和らげる効果があるものも存在します。

民間療法を受ける際の注意点としては、がんの治療中に治療をする方が自己判断で民間療法を受けないようにすることです。場合によっては、治療の効果が弱まったり副作用が起きたりすることもあるため、慎重に判断する必要があります。

がんの3大治療法と民間療法の違い


一般的ながん治療には、主に以下の3つの種類があります。がんの3大治療法のそれぞれの概要や特徴について、表を用いて解説します。

 手術療法 手術療法とは外科手術により、がんを切除する治療法。周辺組織やリンパ節に転移があれば、一緒に切除することができる。

がん細胞を全て切除できれば、がんは完治する。ただし、切り取った部分以外にもがん細胞が存在すれば、再発の可能性がある。

 放射線療法 放射線療法とは放射線をがんに照射して、がん細胞の増殖を止める治療法。

決まった範囲にだけ影響を与える局所療法。予防的にまわりのリンパ腺などを含めて照射する場合もある。

 薬物療法 薬物療法は、抗がん剤などの化学物質を点滴や飲み薬の形で投与しがん細胞の分裂を抑え、がん細胞を破壊する治療法。

化学物質が全身に行き渡る治療法。全身にがんの転移がある状況で効果があるとされている。

上記は「標準治療」と呼ばれ、科学的な根拠に基づいている治療法であることが民間療法との大きな違いです。民間療法は自費で受けなければなりませんが、3大治療法の多くは健康保険が適用されるという特徴があります。

がん治療で民間療法を検討する際に押さえておくべきこと


がんを患っている方やご家族の方が民間治療を検討する際に、押さえておくべき注意点やポイントを次章で紹介します。

すぐに契約をしない

がん治療で民間療法を検討する際に押さえておくべきこと1つ目は、気になる民間療法を見つけたときに、すぐに契約しないことです。詳細は後述しますが、医師や家族など周囲への相談をしたり正しい情報を集めたりして、自分に本当に必要な民間療法かどうかを検討することが重要です。

検討している民間療法について担当医に相談する

がん治療で民間療法を検討する際に押さえておくべきこと2つ目は、検討している民間療法について担当医に相談することです。これは非常に大切なことで、前述した通り民間療法によっては従来の治療の効果が弱まったり、副作用が出たりする場合もあるため注意が必要です。

現在受けているがん治療や体調への影響を医師に必ず相談してください。担当医に言い出しにくい場合には、看護師や薬剤師、がん相談支援センターの相談員にも相談する形でも良いでしょう。

徹底的に情報収集を行う

がん治療で民間療法を検討する際に押さえておくべきこと3つ目は、徹底的に情報収集を行うことです。インターネットやSNSなどでは、医学的根拠のない情報や間違った情報も多くあります。検討している民間療法について、正しい情報を集めることが大切です。

情報収集の際に確認すべきポイントは、以下の4つです。

  1. いつの情報かという点。情報が古い場合は、現在と内容に差異がないかを確認する必要があります。
  2. 誰が発信している情報かという点。信頼できる情報なのかを確認しましょう。
  3. 根拠があるかという点。がん治療に有効かを証明するには、多くの人を対象にした研究が必要です。多くの人で効果が出ているかを確認しましょう。
  4. 民間療法のリスクやデメリット。民間療法の良い点だけでなく、起こり得るリスクやデメリットについても確認してください。

その際には前述した通り、医師に専門的な見解を聞いたりご家族や患者仲間に意見を聞いたりすることが大切です。

従来のがん治療をやめない

がん治療で民間療法を検討する際に押さえておくべきこと4つ目は、従来のがん治療をやめないことです。残念ながら、民間療法によるがんへの効果の医学的根拠はありません。ですので、医学的根拠のある一般的ながん治療をやめないようにすることが重要です。

民間療法はあくまで精神的な負担を軽減するためのサポート的な療法であることを認識しましょう。

費用感を確認する

がん治療で民間療法を検討する際に押さえておくべきこと5つ目は、費用感を確認することです。民間療法は保険適応ではないため、自費で受ける治療です。費用が高くなるものもあるため、注意は必要です。

また、費用が高ければ効果も高くなると考えがちだが、そうではないことを念頭に置きましょう。民間療法の費用がかかり、一般的ながん治療を思うように受けられなくなる、といったことが起きないように注意する必要があります。

民間療法を受ける前に検討したい第4のがん治療・免疫療法


一般的ながんの3大治療の他に、第4のがん治療として免疫療法があります。免疫療法とは、体に元々備わっている免疫力を高め、がんを攻撃する治療法です。

免疫療法は、一部の血液系のがん以外のがんに適応可能な治療法です。近年、研究開発が進められている治療法で、民間療法を受ける前に免疫療法を検討するのも一つの方法だと言えます。

免疫療法の特徴


免疫療法とは、治療を受ける方の体内に元々ある免疫細胞の力を利用して、がんを攻撃する治療方法です。免疫療法の特徴を次章で詳しく紹介します。

体への負担が少なく、重篤な副作用が起きにくい

免疫療法の特徴1つ目は、体への負担が少なく、重篤な副作用が起きにくいという点です。

がんの3大治療は、手術や放射線、薬物など外部の力で治療を進めるのに対し、免疫療法は元々体にある免疫細胞の力を活かして治療します。そのため体への負担が少なく、重篤な副作用が起きにくいという特徴があります。

まれに軽度な副作用が起きる可能性がありますが、主な副作用は、数日程度の発熱などの症状です。また、免疫療法の種類によっても起こり得る副作用は変わります。

治療についても、1回数十分程度で入院する必要がないため、生活の質(QOL)を下げずに治療できるというメリットがあります。基本的には体への負担が少ない治療方法のため、免疫療法は年配の方など体力が衰えている方にも適した治療法です。

他のがん治療と併用できる

免疫療法の特徴2つ目は、他のがん治療と併用可能という点です。治療方法の組み合わせによっては、相乗効果を期待できることもあります。

転移したがんにも有効

免疫療法の特徴3つ目は、転移したがんにも有効であるという点です。がんの手術は局所治療のため、体のいたるところにがんが転移してしまうと治療ができない場合もあります。ですが、免疫療法は全身治療であるため、転移している癌にも効果が見込めるという特徴があります。

再発予防としても効果的

免疫療法の特徴4つ目は、免疫療法は再発予防にも効果がある治療法だという点です。免疫療法では全身に効果が及ぶため、再発の原因となる、非常に小さながん細胞に対しても攻撃できるという特徴があります。

免疫療法の注意点


続いては、免疫療法の注意点を紹介します。

さまざまな種類の免疫療法があり、見極めが難しい

免疫療法の注意点1つ目は、免疫療法にはさまざまな種類があるということです。治療の名称は似ていても、治療方法や効果、費用など異なることもあるため注意が必要です。治療を検討する際は、効果はもちろん、リスクや注意点などについても医師に確認することが大切です。

健康保険が適用されないケースが多い

免疫療法の注意点2つ目は、健康保険が適用されないケースが多いということです。免疫療法には、治療効果や安全性が科学的に証明された免疫療法とそうでないものがあります。

効果が証明された免疫療法には保険が適用されますが、基本的に多くの免疫療法は保険が適用されません。一部、健康保険が適用される治療方法もありますが、治療を受けるクリニックや病院へ事前に治療費を確認しておくことが大切です。治療費は自己負担となり高額になることもあります。

すぐに治療を始められない

免疫療法の注意点3つ目は、免疫療法の治療はすぐに治療を始められないという点です。基本的に免疫療法では、治療を受ける方の血液を採取し免疫細胞を培養する必要があります。一般的には採血を行って、約2~3週間後に治療を始められることが多いと言われています。

がん・6種複合免疫療法

まとめ


今回はがんの民間療法について

  • 民間療法とは
  • 民間療法の種類
  • 免疫療法について

を紹介しました。

民間療法にはさまざまな種類があり、それぞれ効果やメリット・デメリットが異なります。民間療法を始める前には、免疫療法を検討することをおすすめします。

免疫療法の治療方法の1つとして、6種複合免疫療法があります。6種複合免疫療法は、免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻す療法です。

がん細胞を発見、認識、攻撃するなどそれぞれ役割を持つ免疫細胞を同時に増殖・活性化することで、より効果的にがん細胞と闘えるように免疫力を高めてくれます。

福岡同仁クリニックでは、6種複合免疫療法を受けられます。

福岡同仁クリニックは、治療を実施するに当たり患者さんの症状や病態や病気の経過などを判断し、最適な治療法を提案してくれます。

さまざまな負担を軽減し、生活の質を改善が期待できる6種複合免疫療法について、より詳しく知りたい方は「こちら」から、福岡同仁クリニックの公式ホームページをご確認ください。

がん・6種複合免疫療法

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