がん免疫療法コラム

がん(癌)とはどのような病気? がんになる仕組みや分類、主な治療法について解説

  • 解説

がんという病気は、私達の身近にある病気です。誰もが聞いたことのある疾患だと思いますが、がんとはどのような病気なのでしょうか。

今回はがんについて

  • がんはどのような病気なのか
  • がんになる仕組み
  • 主な治療法

を紹介します。がんという病気について詳しく知りたい人や、がんの予防・治療を行いたい人は、ぜひこの記事を参考にご覧ください。

がん(癌)とはどのような病気?


がんは、誰もがなる可能性のある病気です。心疾患、脳血管疾患とならび、日本人の死因の上位を占める3大疾病の一つと言われています。

日本人の場合、2人に1人はがんになる可能性があります。遺伝子が傷つくことによって起こる病気で、一部のがんにはウイルスなどの感染が要因のものもありますが、がんという病気そのものが人から人にうつることはありません。

がんの罹患数は、男性では

  • 1位:前立腺がん
  • 2位:大腸がん
  • 3位:胃がん
  • 4位:肺がん
  • 5位:肝臓がん

という順位になっています。一方女性では、

  • 1位:乳房がん
  • 2位:大腸がん
  • 3位:肺がん
  • 4位:胃がん
  • 5位:子宮がん

という順位になっています。また、2021年にがんで死亡した人は381,505人で、そのうち男性は222,467人、女性は159,038人でした。

(参考:がん情報サービス 最新がん統計

がんになる仕組み


続いては、がんになる仕組みを解説します。そもそも人間の体は約60兆個の細胞で構成されています。

正常な細胞は体の状態に応じて細胞分裂を行い、一定回数で分裂をしなくなる仕組みです。ですが、細胞分裂として細胞がコピーされる際に、正常な細胞の遺伝子に傷がつくことにより、変異細胞が発生してしまいます。

基本的に、変異細胞は体に備わっている免疫細胞(リンパ球)などで修復され退治されますが、なんらかの理由で修復・退治されないと、変異細胞が生き残ってしまいます。変異細胞が生き残ってしまうと、細胞を増殖させる遺伝子が必要ではないときにも活性化してしまったり、細胞増殖を停止させる遺伝子の働きが作用しなくなったりと悪影響を及ぼしてしまうのです。

複数の異常を持った変異細胞はがん細胞となり、分裂と増殖を繰り返しかたまりとなって、周囲に広がっていきます。また、がん細胞の元となる遺伝子の傷は一度に誘発されるわけではなく、長期間かけて徐々に誘発されるという特徴があります。がんになる仕組みを次章でさらに詳しく解説します。

がん細胞が発生する原因となる遺伝子変異

がん細胞が発生する原因には、遺伝子の変異があります。遺伝子変異とは、遺伝子の暗号に間違いが生じることです。遺伝子に傷がつく原因の一つに、遺伝子変異があります。

そもそも遺伝子の本体はDNAです。DNAはA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)で表される4種類の物質の並びによって、遺伝情報を文字列として表すことが可能です。遺伝子変異のタイプを表で紹介します。

 置換 何らかの理由で物質の並びが入れ替わる
 挿入 何らかの理由で物質の並びの中に他の物質が入り込む
 欠失 何らかの理由で特定の物質の並びが無くなる

がん細胞が分裂し続ける原因

次に、がん細胞が分裂し続ける原因を紹介します。細胞が分裂・増殖するには自身のDNAを複製しなければなりません。テロメアは染色体の末端にある構造蛋白体で、遺伝子情報を保つDNAを保護する役割を持ちます。

通常の場合、細胞分裂が行われる度にDNAは複製されますが、末端は複製されないため、テロメアは徐々に失われて短くなります。細胞は分裂できなくなり、細胞の役割を終えるのが通常のパターンです。

一方、がん細胞の場合はテロメラーゼと呼ばれる酵素が活性化します。これにより、テロメアの短縮化を防ぐため無制限に細胞分裂を繰り返すようになってしまうのです。

がん(悪性腫瘍)と良性腫瘍の違い


悪性腫瘍と良性腫瘍の違いを解説します。そもそも腫瘍とは、何らかの異常で生じた体の中にできた細胞の塊のことです。悪性腫瘍とは、がんのことを指しています。

悪性腫瘍は、浸潤といって増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり、体のあちこちに新しい腫瘍のかたまりを作ります。一方、良性腫瘍は浸潤や転移をせず、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと増える腫瘍です。良性腫瘍の場合、手術をすれば再発しないケースがほとんどです。

がんの主な分類


続いては、がんの主な分類を紹介します。がんが発生した細胞の種類によって、いくつかに分類できます。

固形がん

がんの種類1つ目は、固形がんです。固形がんとは、臓器や組織などで腫瘍ができるがんのことを言い、がん腫と肉腫に分けられます。がん腫と肉腫について次章で詳しく解説します。

癌腫

がん腫は、上皮細胞に発生します。消化管や気道などの内側や体の表面、あるいは臓器をおおう細胞に発生すると言われています。

  • 肺がん
  • 乳がん
  • 胃がん
  • 大腸がん
  • 子宮がん
  • 卵巣がん
  • 頭頸部のがん

などが、がん腫に分類されます。がん腫には、周囲にしみ出るように広がる、体のあちこちに飛び火して新しいがんのかたまりを作る、かたまりで増えるなどの特徴があります。

肉腫

肉腫は、非上皮性細胞に発生します。骨や筋肉などを作る細胞にできるがん細胞です。

  • 骨肉腫
  • 軟骨肉腫
  • 横紋筋肉腫
  • 平滑筋肉腫
  • 線維肉腫
  • 脂肪肉腫
  • 血管肉腫

などが、肉腫に分類されます。肉腫もがん腫同様に、周囲にしみ出るように広がる、体のあちこちに飛び火して新しいがんのかたまりを作る、かたまりで増えるなどの特徴があります。

血液がん

次に、血液がんの特徴を紹介します。血液がんは、白血球などの血管や骨髄、リンパ節の中にある細胞といった血球にできるがん細胞のことを言います。

  • 白血病
  • 悪性リンパ腫
  • 骨髄腫

などが、血液がんに分類されます。

悪性リンパ腫ではかたまりができてリンパ節などが腫れることがあります。また血液がんは、かたまりを作らずに増えるのが特徴です。

がんの発症要因


続いては、がんの発生要因について解説します。がんは、さまざまな要因によって発症すると言われています。生活習慣病や感染が原因となって発症することもあり、今現在完全ながんの予防方法は存在しません。次章で、がんの発生率の高い順に要因を紹介します。

喫煙

がんの発生要因の1つ目は喫煙です。喫煙は肺がんをはじめとするさまざまながんの原因となり得ることが、科学的に証明されています。また、喫煙者本人だけでなく、煙を吸った人の受動喫煙も肺がんの原因となります。がんを予防するために喫煙しないことが重要なだけでなく、周囲の人への健康被害に配慮するためにも禁煙することが大切です。

喫煙によってなりやすいがんの種類は、

  • 鼻腔、副鼻腔がん
  • 口腔、咽頭がん
  • 喉頭がん
  • 食道がん
  • 肺がん
  • 肝臓がん
  • 胃がん
  • 膵臓がん
  • 子宮頸がん
  • 膀胱がん

などがあります。

感染

がんの発生要因の2つ目は感染です。感染によってがんになるケースも多く、全体の約20%を占めると言われています。日本人の場合、B型・C型肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)による胃がんなどに罹患することがあります。

感染によるがん発症のメカニズムは、感染体が作り出すがん原性のタンパク質による作用や、慢性の炎症に伴う壊死と再生による影響などが報告されています。がんの発生に関係するウイルスや細菌について、下記の表にまとめています。

 ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori) 胃がん
 B型・C型肝炎ウイルス 肝がん
 ヒトパピローマウイルス(HPV) 子宮頸がん、陰茎がん、外陰部がん、膣がん、肛門がん、口腔がん、中咽頭がん
 エプスタイン・バーウイルス(EBV) 上咽頭がん、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫
 ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1) 成人T細胞白血病、リンパ腫

飲酒

がんの発生要因の3つ目は飲酒です。飲酒は、

  • 口腔がん、咽頭がん
  • 喉頭がん
  • 食道がん
  • 大腸がん
  • 肝臓がん
  • 乳房がん

のリスクを高めると言われています。

飲酒によりエタノールが取り込まれ、アセトアルデヒドに代謝されることが、がんの原因になると考えられています。飲酒は免疫機能を抑制したり、エストロゲンの代謝への影響を及ぼすため食生活の偏りを生じさせます。食生活の偏りは、栄養不足を引き起こしがんの原因になり得ますので、注意が必要です。

偏った食生活

がんの発生要因の4つ目は偏った食生活です。塩分過多や塩蔵食品・加工肉の過剰摂取などは、がんにつながることがあります。牛肉、豚肉、羊肉などの赤身肉は、大腸がんのリスク要因となります。偏った食生活は、

  • 大腸がん
  • 口腔、咽頭がん
  • 喉頭がん
  • 食道がん
  • 肝臓がん
  • 乳がん
  • 膀胱がん
  • 皮膚がん

などの原因となることが報告されています。

一方でがんになるリスクを下げる可能性のある食品もあります。一部の野菜や果物にはカロテン、葉酸、ビタミン、イソチオシアネートなどの物質が含まれており、これらはがんのリスクを低下させる可能性があります。食物繊維を含む食品や、非でんぷん野菜、にんにく、カルシウムを含む食品は、がんのリスクを下げる効果が期待できるので、積極的に取り入れることをおすすめします。ただし、一番はバランスの良い食事ですので、過剰に摂取することは避けましょう。

肥満や高身長など体格の影響

がんの発生要因の5つ目は、肥満や高身長など体格による影響です。肥満や急激な体重増加、また高身長などは、がんになるリスクが高まると言われています。

肥満ががんの発症に与える影響は多様であると考えられています。脂肪組織の中からエストロゲンが産生されることで、子宮体がんなどのリスクが上昇してしまいます。また、肥満に伴いインスリンが十分に作用しなくなり、インスリンの過剰分泌が引き起こされたり、インスリン様増殖因子が持続的に増加することもリスクの一因です。肥満や高身長など体格の影響によって発症する可能性があるがんを表で紹介します。

 肥満 食道がん、膵臓がん、肝臓がん、大腸がん、乳房がん(閉経後)、子宮体がん、腎臓がん
 成人後の体重増加 乳房がん(閉経後)
 高身長 大腸がん、乳房がん、卵巣がん

また日本人などのアジア人の場合、やせすぎによってがんのリスクが上がることも懸念されています。栄養不足に伴う免疫機能の低下や、抗酸化物質の不足などにより、がん発症のリスクが高まると推察されています。

運動不足

がんの発生要因の6つ目は運動不足です。運動をすることによって結腸がんや閉経後乳がん、子宮体がんなどのリスクが下がる可能性があります。運動は、肥満解消や血糖を下げるホルモンの働きの改善、免疫機能の増強、胆汁酸の代謝への影響などの効果が期待できます。

ホルモン値の異常

がんの発生要因の7つ目はホルモン値の異常です。エストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンが多い状態が続くと、がんの発症リスクが高まると言われています。

ホルモン剤や抗ホルモン剤についても、一部のがんのリスクを上げるものもあれば下げるものもあることが分かっています。がんのリスクを上げるホルモンについて表で紹介します。

 エストロゲン療法 閉経後の子宮体がん・卵巣がん・乳がん
 エストロゲン・プロゲストーゲン合剤の経口避妊薬 肝がん、乳がん、子宮頸がん
 エストロゲン・プロゲストーゲン合剤療法 閉経後の乳がん、子宮体がん
 抗エストロゲン薬として乳がんの治療に用いられているタモキシフェン 子宮体がん

一方で、がんのリスクを下げるホルモンは、タモキシフェンの予防的投与が知られています。タモキシフェンの予防的投与は、乳がんのリスクを下げると言われています。

化学物質の暴露

がんの発生要因の8つ目は化学物質の暴露です。

化学物質はがんのリスクを上げることが分かっています。化学物質が体内に吸収されると、細胞内のDNAと結合したり離れたりする際にDNAを傷つける可能性があり、がんの発症要因となってしまいます。

化学物質の暴露によるリスクは、肺がんが最も多くなっていますが、化学物質が接触する皮膚や吸入の経路である鼻腔、喉頭、胸膜、排泄経路である尿路なども多いのが特徴です。事業場が発がん性物質に曝されていることによって引き起こされるがんのことを「職業がん」と呼びます。

厚生労働省は「芳香族アミン取扱事業場で発生した膀胱がんの業務上外に関する検討会」にて、膀胱がんとオルト-トルイジンとの関連について、医学的知見を報告書として取りまとめています。これらは、福井県内の化学工場において、オルト-トルイジンを取り扱う業務に従事していた労働者に発症した膀胱がんの労災請求を受け、業務が原因かどうかを判断するために、国際的な報告や疫学調査結果などを分析・検討しまとめたものです。

その結果、以下のようにオルト-トルイジンのばく露と膀胱がんの発症リスクとの関連性を結論づけています。

  • ばく露業務に10年以上従事した労働者に発症した膀胱がんは、潜伏期間が10年以上認められる場合、その業務が有力な原因となって発症した可能性が高いものと考える。
  • ばく露業務への従事期間または潜伏期間が10年に満たない場合は、作業内容、ばく露状況、発症時の年齢、既往歴の有無などを勘案して、業務と膀胱がんとの関連性を検討する。

(参考:厚生労働省 膀胱がんとオルト-トルイジンのばく露に関する医学的知見を公表します

現在、発がんの可能性のある化学物質の使用の禁止や、暴露の制限がされている先進国が多く、発展途上国においては今後も問題となり得るでしょう。

がんの主な治療方法


続いては、がんの4つの治療法について解説します。手術療法、放射線療法、薬物療法、免疫療法について紹介します。

手術療法

手術療法とは外科手術により、がんを切除する治療法です。周辺組織やリンパ節に転移があれば、一緒に切除することができます。がん細胞を全て切除できれば、がんは完治することになります。

ただし、切り取った部分以外にもがん細胞が存在すれば、再発の可能性があるため、注意が必要です。また、体にメスをいれるため患者さんにとって侵襲の大きな治療法とも言えます。治療後の回復にも時間がかかるため、生活の質への影響が懸念されます。

放射線療法

放射線療法とは放射線をがんに照射して、がん細胞の増殖を止める治療法です。決まった範囲にだけ影響を与える局所療法で、予防的にまわりのリンパ腺などを含めて照射する場合もあります。小分けに何度も照射することで、正常な細胞への影響を最小限に抑えた治療ができます。

薬物療法

薬物療法は、抗がん剤などの化学物質を点滴や飲み薬の形で投与しがん細胞の分裂を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。化学物質が全身に行き渡る治療法ですので、全身にがんの転移がある状況で効果があるとされています。ですが、ほとんどのがんで完治するためには手術療法か放射線治療か、どちらかが必要だと考えられています。

免疫療法

免疫療法は、体の免疫を強めてがん細胞を排除する治療法です。化学療法同様に全身に効果が期待できる、全身療法のひとつです。今現在、研究開発が進められている治療法として知られています。

免疫療法には、治療効果や安全性が科学的に証明された免疫療法とそうでないものがあります。効果が証明された免疫療法には保険が適用されます。一方で、自由診療として行われる免疫療法もあります。

免疫療法は、患者さんへの侵襲が少なく副作用も少ない治療法です。放射線治療や抗がん剤治療との併用や、温熱療法や漢方、鍼治療、ビタミン療法などとの併用も問題ありません。

また、通院で治療を行えるため、QOLを維持できるというメリットがあります。ただし、ごくまれに軽度の副作用が出現する場合もあるため、注意が必要です。具体的に発熱、注射部位の発赤・発疹・搔痒感などです。症状は数日で治まることが多く、重篤な副作用は起きにくいと言われています。

免疫療法の一つである6種複合免疫療法は、免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻す療法です。がん細胞を発見、認識、攻撃するなどそれぞれ役割を持つ免疫細胞を同時に増殖・活性化することで、より効果的にがん細胞と闘えるように免疫力を高めてくれます。

手術や抗がん剤治療、放射線治療が難しい転移・再発したがんに対しても効果が表れるケースもあります。

6種複合免疫療法

まとめ


今回は、

  • がんはどのような病気なのか
  • がんになる仕組み
  • 主な治療法

を紹介しました。がんは誰もがなる可能性のある病気です。がんになる要因はさまざまですが、適度な運動や正しい食生活などでリスクを下げることができます。

「福岡同仁クリニック」は、今回紹介した免疫療法の一つである6種複合免疫療法を提供しています。福岡同仁クリニックは、治療を実施するに当たり患者さんの症状や病態や病気の経過などを判断し、最適な治療法を提案してくれます。

さまざまな負担を軽減し、生活の質を改善が期待できる6種複合免疫療法について、より詳しく知りたい方は「こちら」から、福岡同仁クリニックの公式ホームページをご確認ください。

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