がん免疫療法コラム

がん(癌)治療の副作用にはどのような症状がある? 起こり得る副作用や合併症を治療法別に解説

がん治療の副作用や合併症は、治療法によって異なります。また、副作用が現れるタイミング、症状、程度は、個人差があります。

がん治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞まで攻撃するため、様々な副作用や合併症が起きることがあります。特に免疫療法と他の治療法を組み合わせた場合、免疫系の反応を過度に強化してしまうため、体全体に影響を及ぼす可能性があります。

治療を受ける前に医師としっかり話し合い、がん治療のリスクとメリットをよく理解することが重要です。本記事では、がん治療で起こり得る副作用や合併症を治療法別に解説します。

がん(癌)の4大治療法とは?


がんの治療方法は、がんの種類や進行状況によって異なりますが、一般的には以下の4つの治療方法が主に用いられます。

 治療法 特徴
 手術療法 がん細胞を含む組織を体から物理的に取り除く方法です。早期のがんであれば、手術だけで治癒することもあります。しかし、深部に位置するがんや広範囲に広がっているがんの場合、完全に取り除くことが難しい場合もあります。
 放射線療法 放射線療法では、がん細胞に対して放射線を当てることで、細胞のDNAを破壊し、増殖を阻止します。放射線は正常細胞にも影響を及ぼす可能性があるため、適切な量と方向から照射することが重要です。
 薬物療法 薬物療法(化学療法)では、がん細胞の成長を阻害したり、がん細胞を直接破壊したりする薬物を用いて治療します。全身に広がったがんや手術が難しいがんの治療に用いられます。副作用があり、体力が必要な治療法です。
 免疫療法 免疫療法は、人間の免疫システムを活性化または強化し、がん細胞を攻撃する能力を向上させる治療法です。近年の医学の進歩により、免疫療法の種類は増えてきていますが、まだすべてのがんの種類に対応しているわけではありません。

上記の治療法は単独で行われることもありますが、組み合わせて使用されることもあります。例えば、手術で取り除けないがん細胞を放射線療法や化学療法で治療する、あるいは手術後に再発を防ぐために化学療法を行うなどです。

がん治療による副作用はなぜ起きる?


がん治療の副作用は、がん細胞を攻撃する過程で正常な細胞も同時に傷つけてしまうことが大きな原因です。治療方法によりますが、手術、放射線療法、化学療法などは、がん細胞を除去または破壊するために正常な細胞にも影響を及ぼします。

例えば、放射線療法では、がん細胞だけでなく周囲の正常な細胞も放射線の影響を受け、化学療法では体全体を巡る薬物によって、がん細胞だけでなく体内の全ての細胞が影響を受けます。これらの治療が正常な細胞を傷つけ、その結果、細胞が十分に分裂や増殖できなくなると、体の機能が低下し、様々な副作用が現れます。

がん治療において副作用が起きやすい人と起きにくい人はいる?


がんの治療法を選ぶ際は、どの治療法を選んでも副作用や合併症のリスクが存在することを理解しておくことが重要です。しかし、副作用が現れるタイミング、症状、程度は、個人差があります。個人差というのは、選択した治療法や使用する薬、患者さんの年齢や性別、体質、そして病気の進行状況など、多くの要素が複雑に絡み合って生じます。一部の患者さんでは強い副作用が出現する一方で、他の患者さんではそれほど強くない場合もあります。

また、選択する治療法ごとに起こり得る副作用や合併症も異なります。そのため、治療を受ける前に、医師から治療法に関する説明を十分に受け、理解することが大切です。次の項目では、各治療法の具体的な副作用や合併症について解説します。

手術療法で起こり得る副作用や合併症


がんの手術療法は、直接がん細胞を取り除く有効な治療法ですが、手術には様々な副作用や合併症が伴います。副作用や合併症は、手術の部位によっても異なります。ここでは、手術療法の主な副作用や合併症を、具体的な症状、原因、対処法とともに紹介します。

 痛み 手術部位の痛みは、切開や組織の刺激によるものです。適切な鎮痛薬を使用して痛みを管理します。
 声のかすれ 特に頸部の手術で発生する可能性があります。声帯神経の一時的または永続的な損傷が原因であることが多いです。必要に応じて音声療法を行います。
 創感染 手術部位が感染する可能性があります。感染予防には、傷口のケアや抗生物質が有効です。
 腸閉塞 腹部の手術後に腸の動きが止まることがあります。保存的治療、場合によっては再手術が必要になることもあります。
 縫合不全 切開した部位が適切に閉じない場合があります。治癒を促す治療や再手術が必要になることもあります。
 肺炎 手術後のベッド上での長時間の横たわりが原因で肺炎を引き起こすことがあります。意識的に痰を出すことが大切です。
 せん妄 特に高齢者の場合、手術後一時的に混乱状態になることがあります。原因は多岐にわたりますが、適切な環境調整や薬物療法が有効です。
 膵液漏 膵臓手術後に膵液が漏れ出すことがあります。保存的治療から再手術まで、状況に応じた対応が必要です。
 深部静脈血栓症・肺塞栓症 手術後、特に足の血管で血栓ができ、これが肺に流れ込むと生命に関わる肺塞栓症を引き起こすことがあります。弾性ストッキングの着用が効果的です。

放射線療法で起こり得る副作用や合併症


放射線療法はがん細胞を効果的に破壊する一方で、副作用や合併症を引き起こす可能性があります。これらの副作用は、治療から経過した期間により異なります。放射線治療中や終了直後に発生するものと、治療から半年〜数年後に発生するものに分けられます。しかし、これらはあくまで目安であり、実際の発現頻度や程度、時期には個人差があります。

放射線治療中・終了直後に起こり得る副作用や合併症

放射線治療中や治療直後には、多くの患者さんがさまざまな副作用を経験します。それぞれの症状、その原因、対処法について詳しく見ていきましょう。

 副作用や合併症 特徴
 疲労感、だるさ、倦怠感 身体が放射線によるストレスに対応しようとするために起こります。適切な休息とバランスの良い食事を心掛けることで軽減されることが多いです。
 食欲不振 放射線が消化器官に影響を及ぼし、食事に対する興味を損なわせることが原因です。栄養補給は重要なので、食べられるものから少しずつ摂取してみてください。
 血液障害 放射線が骨髄に影響を与えることにより引き起こされます。赤血球の減少により「貧血」が、白血球の減少により「感染症のリスク増大」が、血小板の減少により「出血傾向」が起こり得ます。定期的な血液検査で確認し、必要に応じて補充治療を行います。
 皮膚障害 放射線が皮膚細胞を直接損傷させることで発生します。皮膚が赤くなったり、痛みを伴ったりすることがあります。皮膚保湿と適切なケアが必要です。

放射線治療から半年~数年後に起こり得る副作用や合併症

放射線治療後、半年から数年の期間では副作用の発生はまれとされていますが、定期的な診察を受けて健康状態を確認することが重要です。

 副作用や合併症 特徴
 不妊 特に生殖器への放射線照射があった場合、卵子や精子の生成能力が低下し、結果的に不妊となることがあります。対策として、治療前に卵子や精子を保存する方法があります。
 二次がん 放射線治療が新たながんを引き起こす可能性はゼロではありません。治療が行われた部位においては、がんが発生する確率が照射されていない部位と比べて高くなるとされています。リスクは低いものの、長期的な健康管理と定期的な観察が必要です。

薬物療法で起こり得る副作用や合併症


薬物療法はがんの治療に多く用いられ、使用される薬剤は治療法により異なります。

細胞障害性抗がん薬を用いた「抗がん剤治療」、分子標的薬を使用する「分子標的療法」、内分泌療法薬やホルモン療法薬を使う「内分泌療法/ホルモン療法」があります。これら3つの治療法はそれぞれ異なる効果と副作用を持つため、患者さんの状態やがんの種類によって最適な治療法が選ばれます。

抗がん剤治療による副作用や合併症

細胞障害性抗がん薬は、細胞の増殖メカニズムに直接働きかけ、がん細胞の生存・増殖を妨げる治療法です。DNAの複製、細胞分裂の過程、代謝経路など、細胞が増殖する上で重要な機能を阻害します。

ただし、細胞障害性抗がん薬の効果は特異的ではなく、健康な細胞も影響を受ける可能性があります。特に急速に増殖する正常な細胞、例えば髪の毛や消化管の細胞などは、抗がん薬の影響を大きく受け、副作用を引き起こす可能性があります。副作用の発現は、治療開始からの経過時間により異なります。一部の副作用は治療中や直後に現れることが多く、他の副作用は治療完了後に発生することがあります。

しかし、あくまでも目安であり、実際の副作用の発現頻度、程度、および時期は患者さんの体質、年齢、同時に存在する病状などの複数の要因により大きく異なります。

治療開始直後に起こり得る副作用や合併症

治療直後に起こり得る主な副作用や合併症は以下の通りです。

 副作用や合併症 特徴
 倦怠感 抗がん剤は体のエネルギーを使い果たし、倦怠感を引き起こすことがあります。適度な休息と栄養補給が重要で、また軽い運動も効果的なことがあります。
 便秘 抗がん剤が腸の動きを遅くすることにより生じます。食事で食物繊維を多く摂ること、適度な運動、水分をしっかり摂ることで緩和される場合があります。
 急性悪心・嘔吐 抗がん剤が消化器系に影響を及ぼすためです。これは抗吐薬を用いることで予防・管理できます。
 アレルギー反応 体が抗がん剤に反応して、発疹や呼吸困難などのアレルギー反応を示すことがあります。発症した場合はすぐに医師に連絡し、治療計画の見直しを検討する必要があります。
 血圧低下 抗がん剤は血圧調節に影響を与え、血圧低下を引き起こすことがあります。血圧の定期的なチェックと必要に応じて薬物療法が行われます。
 不整脈・頻脈 抗がん剤は心臓に影響を及ぼし、不整脈や頻脈を引き起こすことがあります。心電図等での定期的なモニタリングと、必要に応じた医療的対処が行われます。

治療開始から約1~2週間後に起こり得る副作用や合併症

治療開始から約1〜2週間後に起こり得る主な副作用や合併症は以下の通りです。

 副作用や合併症 特徴
 吐き気・食欲低下 抗がん剤が消化器系に影響を及ぼすために生じます。これらは抗吐薬を用いて予防・緩和可能で、食事内容や頻度を調整することでも対処できます。
 だるさ 薬物が体内の正常な細胞に影響を与える結果として出ることがあります。軽い運動や適切な休息、栄養補給により軽減できる場合があります。
 口内炎 抗がん剤が口腔内の細胞を損傷することで生じます。口腔内ケアと専用の口腔ケア製品の使用が有効です。
 下痢 腸の動きが抗がん剤によって乱れることで起こります。適切な食事や薬物療法が効果的です。
 肝機能障害 抗がん剤は肝臓や腎臓に負担をかけ、機能を低下させる可能性があります。これらの機能障害は、血液検査によって観察され、必要に応じて治療が調整されます。
 腎機能障害
 心機能障害 抗がん剤の一部は心臓に影響を及ぼし、心機能障害を引き起こす可能性があります。心エコーや心電図などの定期的なモニタリングと、必要に応じた医療的対処が行われます。
 骨髄抑制 抗がん剤が骨髄の正常な機能を妨げ、白血球や血小板の生産を減少させることで起こります。血液検査で確認し、必要に応じて治療を調整したり、補充療法を行います。

治療開始から約2週間以降に起こり得る副作用や合併症

治療開始から約2週間以降に起こり得る主な副作用や合併症は以下の通りです。

 副作用や合併症 特徴
 脱毛 脱毛は抗がん剤の一般的な副作用であり、頭髪だけでなく全身の毛髪が影響を受けることがあります。抗がん剤は早く分裂する細胞を攻撃するため、髪の毛の成長に関係する細胞も影響を受け、脱毛が起こります。
 手足のしびれ・耳鳴り 手足のしびれや耳鳴りは、抗がん剤の神経系への影響が原因である可能性があります。
 皮膚の異常 皮膚が乾燥したり、色素沈着(皮膚の色が変わる)がみられることがあります。これは、抗がん剤が皮膚の細胞に影響を及ぼすためです。

分子標的療法による副作用や合併症

分子標的治療薬は、がん細胞が増殖や生存に必要な特定の分子に作用し、その活動を阻害することでがんの成長を抑制する治療法です。分子標的薬は従来の抗がん剤(細胞障害性抗がん薬)とは異なる特性を持つため、副作用も特有のものがあります。

標的とする分子によって副作用は異なりますが、一般的によく見られる副作用をいくつか挙げます。

 副作用や合併症 特徴
 下痢 一部の分子標的薬が消化管の細胞に影響を与えることにより、下痢が発生する可能性があります。脱水症状を防ぐために、水分補給や食事療法が重要となります。
 発熱 発熱が認められた場合、解熱剤による対象療法を行います。
 皮膚障害 肌の乾燥やかゆみを伴うにきび、爪の周りの炎症などが起こることがあります。特定の分子標的薬にみられる副作用です。
 高血圧 血管新生を抑制する分子標的薬によくみられる副作用です。血圧の管理は患者さんの生活や治療の継続を維持するために非常に重要になります。
 肺障害・肝機能障害 肺障害や肝機能障害といった内臓器官への影響も起こり得ます。これらの副作用は時に重篤な状態を引き起こす可能性があり、定期的な検査と医師の指示に従った管理が必要です。

内分泌療法による副作用や合併症

内分泌療法は、ホルモン感受性のがん(例えば乳がんや前立腺がんなど)の治療に使われます。この治療法はホルモンの働きを抑制したり、ホルモンの量を減らすことでがん細胞の成長を阻止します。しかし、副作用として、ホルモンのバランスが乱れ、更年期症状に似た症状が現れることがあります。

 副作用や合併症 特徴
 のぼせ・ほてり・発汗 女性ホルモンのエストロゲンの減少によるもので、更年期に見られる症状と似ています。
 肌荒れ 内分泌療法は皮膚の状態に影響を及ぼす可能性があります。肌荒れが生じた場合は、保湿クリームの使用や皮膚科医の受診を検討してください。
 体重増加 ホルモンのバランスが変わると、食欲増進や代謝率の低下を引き起こし、体重が増える可能性があります。定期的な運動と健康的な食事を心がけてください。
 関節痛  ホルモンの変化が関節の痛みを引き起こすことがあります。適切な運動や痛み止めの使用が効果的です。
 性器出血・膣分泌物の増加 内分泌療法は性器の組織に影響を及ぼす可能性があります。
 気分の落ち込み・不眠 ホルモンバランスと精神状態は密接に関係しています。心理的なサポートや必要に応じて精神科医を受診します。
 記憶力の障害 一部の方はホルモン治療により記憶力や集中力が低下することがあります。
 骨密度の低下 ホルモンの影響で骨密度が低下し、骨折のリスクが高まることがあります。骨密度の定期的なチェックと必要に応じたカルシウムやビタミンDの補給が重要となります。
 子宮内膜異常 エストロゲンの影響により子宮内膜が肥厚することがあり、異常出血や子宮体がんのリスクが増加する可能性があります。

定期的な婦人科検診と超音波検査で子宮内膜の状態を確認し、異常が見つかった場合は適切な治療を行います。

 血栓症 内分泌療法は血液の凝固傾向を高め、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの血栓症を引き起こす可能性があります。

血栓症のリスクを低減するために、長時間の座位を避け、定期的に足を動かすなどの生活習慣の改善が求められます。

免疫療法で起こり得る副作用や合併症


免疫療法は、体内の免疫システムを活用してがん細胞を攻撃する治療法です。特長の一つが副作用が比較的軽いことです。従来のがんの3大治療法(手術療法、放射線療法、化学療法)に比べて、身体に負担が少ないため、高齢者や体力の落ちている方でも治療を受けやすいとされています。

しかし、免疫療法の中でも用いられる治療法によって、起こり得る副作用は異なることに注意が必要です。また、副作用の発現頻度や程度、時期には個人差があります。

副作用は全ての患者さんに現れるわけではなく、患者さんの体質や治療薬の種類、用量などが影響します。そのため、治療を受ける前には医師と十分に話し合い、治療中は定期的に診察を受けて、必要に応じて治療法を調整することが大切です。

免疫チェックポイント阻害療法による副作用や合併症

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫システムががん細胞を攻撃する能力を高める薬剤です。人間の免疫システムは、異常な細胞や異物を攻撃する機能を持ちながら、自身の健康な細胞を攻撃しないように制御する”チェックポイント”というメカニズムを持っています。

がん細胞は、このチェックポイントを悪用して、免疫システムの攻撃を避けることがあります。免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞の動きをブロックし、免疫システムががん細胞を再び攻撃できるようにします。

免疫チェックポイント阻害薬は効果的な治療法である一方、免疫関連有害事象と呼ばれる副作用が起こる可能性があります。免疫システムが過剰に活性化し、体内の健康な細胞を誤って攻撃する結果、起こるとされています。

 副作用や合併症 特徴
 皮膚障害 かゆみ、赤み、水ぶくれ、唇のただれなどが起こることがあります。
 筋肉疾患 息がしにくい、力が入りにくいなどの症状が出る可能性があります。
 神経障害 手足のしびれなどが出る場合があります。
 肝機能障害 だるさを感じることがあります。
 血液障害 貧血や出血が起こりやすくなります。
 消化器疾患 下痢、血便、吐き気などの症状が出る可能性があります。
 呼吸器疾患 咳や発熱が起こる場合があります。
 腎機能障害 尿の減少する可能性があります。
 膵炎 発熱や腹痛を起こすことがあります。
 内分泌障害 下垂体機能低下症、副腎皮質機能低下症、甲状腺機能異常症、副甲状腺機能低下症、1型糖尿病などを発症するリスクがあります。

エフェクターT細胞療法による副作用や合併症

エフェクターT細胞療法、特にCAR-T療法は、免疫療法の一つであり、体内のT細胞(免疫システムの重要な部分)を工学的に改変して、がん細胞をより効果的に攻撃するよう設計されたものです。

患者さんの血液からT細胞を取り出し、実験室で特定のがんに対するレセプター(CAR:Chimeric Antigen Receptor)を持つよう遺伝子改変し、再度患者さんに戻すという手順を踏みます。この改変により、T細胞は特定のがん細胞を識別し、攻撃する能力を獲得します。

しかし、CAR-T療法は強力ながん治療法でありながら、一部の患者さんで副作用が報告されています。

 副作用や合併症 特徴
 血圧や酸素濃度の低下 CAR-T療法により活性化したT細胞が大量のサイトカインを放出することで、全身の炎症反応が増大し、血圧の低下や体内の酸素濃度の低下を引き起こします。
 サイトカイン放出症候群(CRS) 免疫反応の一環として体内で大量のサイトカイン(免疫細胞が放出するタンパク質)が放出される状態で、頭痛、吐き気、脱力感、めまい、動悸、息切れ、発熱、胸の痛み、出血のしやすさといった症状を引き起こすことがあります。
 意識障害 免疫細胞の大量活性化による「神経毒性」により、混乱、記憶障害、てんかんなどの神経系の症状が現れることがあります。

6種複合免疫療法による副作用や合併症

6種複合免疫療法は、6つの異なる免疫刺激物質を使用し、体の自然な免疫システムを活性化し、がん細胞を攻撃するための治療法です。各成分はそれぞれがんと闘うために異なる方法で働き、一緒に使用することで互いの効果を補強し、より効果的な免疫反応を促進します。

6種複合免疫療法の特徴的な点は、重篤な副作用が少ないとされていることです。しかし、全く副作用がないわけではなく、軽度の副作用は認められています。

 副作用や合併症 特徴
 一過性の発熱 治療を受けた患者さんは、一過性の発熱を経験することがあります。これは体の免疫反応が活性化されているサインであり、一般的には数日で自然に治まります。
 注射部位の赤み・発疹・かゆみ 注射部位に赤み、発疹、またはかゆみが出ることもあります。通常、短期間で消え、深刻な問題にはなりません。

しかし、6種複合免疫療法を他の治療法、特に免疫チェックポイント阻害剤と同時に使用する場合、重篤な副作用を引き起こす可能性があることに注意が必要です。

これらの治療の組み合わせは、免疫系の反応を過度に強化し、体全体に影響を及ぼす可能性があります。そのため、治療を受ける前に、医師としっかりと検討し、リスクとメリットをよく理解することが重要です。

6種複合免疫療法

まとめ


本記事では、各種がん治療法の副作用や合併症について詳しく紹介してきました。治療法の選択は、メリットだけでなく、副作用や合併症をよく理解することが大切です。体に負担をかけたくない方、または現在のがん治療と併用可能な治療法を探している方には、免疫療法が適しているかもしれません。

特に、6種複合免疫療法は副作用が比較的軽いとされています。これは患者さん自身の免疫システムを利用して、がん細胞を攻撃する革新的な方法です。

福岡同仁クリニックは、患者さんに対するきめ細やかなケアと、最新の医療技術の導入により、がんと闘うすべての方をサポートしています。当クリニックでは6種複合免疫療法も行っております。治療法の選択から治療の進行、そしてアフターケアまで、患者さま一人ひとりに対する全面的なサポートを提供しています。

本記事で取り上げた内容について更に詳しく知りたい方、あるいは自身の治療選択肢について考えている方は、福岡同仁クリニックの公式サイトをご覧ください。

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