がん免疫療法コラム

褥瘡に注意する重要性

医療機関では専門職によるケアが行われますが、在宅で過ごす中でもベッド上で過ごす事が多く自力で身体の向きを変える事が難しかったり、長時間の圧迫により褥瘡が発生する危険性があります。しかし在宅では常に専門職がいるわけではなく、必要に応じてご家族様が行う場合もあります。そうなるととても不安が大きいかもしれませんが褥瘡のケアが必要な場合は事前に専門職からの指導があります。

※ケアの方法は個人差により異なります。

※ここからは褥瘡の予防や悪化を防ぐために大切な事や主にどのようなケアが行われているか?についてです。

主に圧迫を軽減する、スキンケア、栄養、リハビリテーションなどが大切です。その中でも特に重要な圧迫を軽減するための内容についてお話しします。

【体圧分散寝具の選択】

体圧分散寝具は沈み込んでお尻を包み込む事で圧力を小さくし、その圧力のかかる持続時間を短くします。主にベッド上で過ごす事が多くなり、身体の向きを変える介助が必要になったり、褥瘡の発生のリスクが高くなった場合などに使用します。体圧分散寝具にはエアーマット、ウレタンフォームなどさまざまな種類があります。専門職と相談しながらご自身にあった物を選択する事が大切です。その他、車椅子用の体圧分散クッションなどもあります。

【体位変換】

身体の向きを変える事です。原則2時間ごとに行う必要がありますが、困難な場合は高機能のエアマットレスなどを使用し、4時間以内を目安に行います。

向きを変える前に身体の位置を確認し体勢を整えます。仰向けから横向きに変える時に90度の場合、骨が突き出ている腸骨の圧迫を避けるために30度が目安ですが個人差があります。

【ポジショニング】

身体を支えて体勢を保持する事が難しい場合などに安楽を保つための体勢へと整えます。その他、圧迫の軽減、関節拘縮なども予防します。身体全体を支えられるように状況に合ったクッションを使用するなどして、どの体勢が安楽に過ごせるか?調節しながら行う事が大切です。

【ずれを予防する】

ベッドを起こす時、体勢を整えてからずれを予防するために先に足側を15度程に上げ、頭側は30度が目安です。

【圧抜き】

ベッドの頭側を起こした時、背中からお尻の辺りにかけて張り付いていた力やずれを開放します。

〇背抜き〇

仰向けから行う場合は、肩と腸骨の部分を支え横に向ける様な感じで手前に引き寄せ、背中からお尻にかけて圧を抜きます。ベッドを起こした後も背抜きは大切です。背中に手を差し込み抱き起こすようにして圧を抜きます。

〇足抜き〇

かかとから足全体を上げていきます。

〇座っている時〇

90度ルールと言った股関節90度、膝関節90度、足関節90度でかかとは床に付いた状態です。座っている場合も同じく15分〜1時間おきに立ち上がりや前屈などで浮かす事も大切です。

6種複合免疫療法

【まとめ】

褥瘡は圧を軽減する事、安楽に過ごせる体勢、清潔保持、栄養管理などが大切です。通常であれば同じ体勢でいる事はとても負担が大きく必要に応じて自身で向きを変えたり立ち上がるなどを行いますが、それが困難な方にとっては身体に大きな影響を及ぼします。それを防ぐためのケアはとても重要です。

【参考・引用文献】

・在宅褥瘡テキストブック

・褥瘡ガイドブック

・根拠と事故防止からみた基礎・臨床看護技術

http://jspu.org/jpn/patient/protect.html

https://knowledge.nurse-senka.jp/219294/

https://knowledge.nurse-senka.jp/206142/

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