がん免疫療法コラム

褥瘡が起こると

褥瘡(床ずれ)とは寝たきりなどで長時間圧迫された事により循環障害が起き、ただれ、壊死、などの障害が生じます。

どのような方が褥瘡になりやすいのかについては主に寝たきりで自力で向きを変える事が困難である方、高齢者、皮膚が弱くなっているなどがあります。がんも病状や治療などにより身体にあるそれぞれの組織の耐久性が低下、だるさによる活動量の低下、栄養状態の低下、皮膚が乾燥しバリア機能が低下などにより褥瘡が発生する危険があります。褥瘡は一度発生すると治りにくく、悪化を防ぐためにも医療機関に限らず患者様やご家族様も事前に危険性を知っておく事は大切です。

【褥瘡が発生しやすい場所】

主に身体をまっすぐにして寝ている状態では頭、肩、肘、お尻、かかと、横向きでは下になっている方の耳、肩、肘、腰骨、膝、くるぶしなど骨が突き出している部分は圧迫を受けやすいため褥瘡が発生しやすくなります。

【褥瘡の危険となる主な要因】

関節拘縮(関節を動かす事が難しくなる)では安定した体勢を保つ事が難しくなります。

おむつを使用している場合など排泄物や発汗により湿った状態が続くと皮膚の損傷を起こしやすくなります。

低栄養状態の場合、タンパク質の量が減ると血漿の中の約7%がタンパク質でありそれを血漿タンパク質と言い、その中にあるアルブミンの量が減ります。アルブミンの働きの一つに血管内の水分を保持します。そこでアルブミンの量が減ると水分を移動する力が弱くなり間質(細胞と細胞のすきま)に水分がたまって浮腫(むくみ)が生じます。そうなると圧迫に対する抵抗性が弱くなります。

摩擦やずれが続くと皮膚が傷付き圧迫を受けやすくなります。

【褥瘡による影響】

褥瘡の症状や深さとして皮膚の発赤から、痛み、水ぶくれ、びらんなどがあり、さらに進行すると骨、筋肉が露出したり、壊死などが見られます。また感染にも注意が必要です。

【褥瘡かどうか確かめるために】

褥瘡が出来やすい部分が赤くなっている場合、人指し指で赤くなっている部分を軽く3秒程圧迫し、白っぽく変化するかを確認します。押した時に白く変化し、離すと再び赤くなる物は褥瘡ではありません。押しても赤みが消えない場合は初期の褥瘡の可能性があります。

6種複合免疫療法

【まとめ】

褥瘡は体重の圧迫による循環障害、やせ、低栄養状態、などさまざまな要因があります。予防のためには、何よりも日頃のケアが重要です。

【参考・引用文献】

・看護の「なぜ・何」QA

・見てできる臨床ケア図鑑がん看護ビジュアルナーシング

・ナースのためのやさしくわかる褥瘡ケア第2版イラストと写真でよくわかる

・系統看護学講座専門基礎解剖生理学

https://www.kango-roo.com/learning/3527/

https://www.kango-roo.com/learning/3141/

http://jspu.org/jpn/patient/about.html#5

https://www.jaog.or.jp/note/9%EF%BC%8E%E8%A4%A5%E7%98%A1%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2%E3%81%A8%E7%AE%A1%E7%90%86/

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