がん免疫療法コラム

がんによる皮膚障害のケアについて

がんの症状や治療などの状態によって異なり、患者様全てに皮膚障害が起こるわけではありません。皮膚症状が悪化すると皮膚症状の治療のためにがんの治療を一時中断するなど影響をきたします。治療だけでなく悪化を防いだり予防としてスキンケアも重要です。

【皮膚ケアでの注意点】ポイントは過度な刺激や負荷を防ぐ事です。

身体を拭く時は強くこすり過ぎない、洋服は肌に優しい物、洋服や靴は締め付ける様な物は避けましょう。

石鹸、ローション、軟膏、クリーム、日焼け止め、化粧品などは刺激が少ない物が良いですが、皮膚に問題がないか?が大切なので以前から使用していた物でも大丈夫です。 しかし異常を感じた場合は使用を中止しましょう。

髭剃りはT字のかみそりの場合、傷付ける恐れがあり、電気シェーバーを使用しましょう。

手足症候群は圧がかかる所では症状が強くなる恐れがあり、長時間の立ち仕事や歩行などには注意が必要です。

【皮膚のケアについて】

ポイントは保温、保湿、保護です。

皮膚症状の治療では主に炎症を抑えるなどの働きをするステロイド剤の軟膏などを使用します。

手洗いなど身体を洗う時

石鹸を使用する時はしっかり泡立てて優しく洗い、タオルやハンカチは肌に優しい物を使用し抑え拭きをしましょう。入浴やお湯で手洗いや洗顔などを行う時はぬるめで入浴の場合は40度以下にし、長湯は避け10分以内が目安です。お湯が熱過ぎると皮脂を取り過ぎて皮膚を乾燥させてしまう恐れがあります。

入浴直後は皮膚の水分量が急激に低下するため、可能であれば15分以内に保湿しましょう。

水仕事

刺激を防ぐために柔らかい素材の手袋の上にゴム手袋を使用しましょう。

皮膚の乾燥

保湿は皮膚の水分の蒸発を防ぎ水分や脂分、バリア機能を補います。保湿剤の種類としてローション、軟膏、クリームなどがあり、塗る時は身体全体がしっとりしているか?が大切です。

爪囲炎

食い込みによる圧迫を防ぐ事が大切です。伸縮性のテープの先を食い込んでいる所に貼り、引っ張りながら、らせん状にきます。

爪を切る時

深爪にならないよう指先より1〜2㎜程の長さで四角に切り、爪が薄く、もろい状態の場合、割れたり欠けたり割れる恐れがありますのでヤスリで丸め過ぎないようにして削ります。深爪や丸めすぎると巻き爪や爪囲炎の危険があります。

紫外線対策

色素沈着は紫外線などの刺激により黒ずみなどが増えたりします。しかし健康な皮膚でも炎症反応の危険があります。

そのため夏場の暑い時期に限らず帽子、日傘、長袖、日焼け止めなどで保護する事も大切です。

爪のカバーに関して

爪の変色などで気になった場合はマニキュア、ネイルチップなどでカバーする事もできます。

6種複合免疫療法

【まとめ】

皮膚のケアは清潔を保つ、可能な限り皮膚への刺激を避ける事が重要です。さまざまな方法から状況に応じたケアを行う事が大切です。

【参考・引用文献】

・JASCCがん支持医療ガイドシリーズがんサバイバーのための皮膚障害セルフケアブック

・やさしくわかる抗がん剤の副作用とその対処法

https://www.ra.opho.jp/wp-content/uploads/2021/05/seminar_2018_06.pdf

https://www.scchr.jp/cms/wp-content/uploads/2016/01/514003d0fe03fad5875856545be0b6af-5.pdf

スキンケア_指導冊子_0805_リンク付き (lillymedical.jp)

https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/gairaichemo/manual-pdf/02_10.pdf

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