がん免疫療法コラム

がんの患者様の食事摂取について

無理に食べようとするとその分ストレスになり、食事そのものが苦痛になる可能性もあります。どのようにしたら無理をせずに食べる事ができるか?調節する事も大切です。

【食べられない要因となっている物を改善する。】

◯思い当たる事を探ってみる。◯

例えば〜だから食べられない。それがよくなれば食べられるかもしれない。などはっきりと思い当たる事や、よく分からないけどもしかすると〜が関係しているから食べられないかも?など自分で整理してみる。

 

◯関係している症状の治療◯

※治療は状況に合わせた判断によります。

前回お話しをしました悪液質だけではなく、関係している症状を改善して食べやすくする事も大切です。例えば口内炎の痛みによって食べづらい場合は痛みを抑える薬、口の中を清潔に保つ事が必要です。

嘔吐がある時は状態に合わせた制吐薬(嘔吐を抑える薬)また予期性悪心・嘔吐と言ったまだ抗がん剤を入れたわけではないのに「吐いてしまうのではないか?」との不安から嘔吐する症状もあります。その場合は不安を軽くする薬を使用する事もあります。

下痢の場合は下痢を軽くする薬などを使用します。

【環境の調節】

例えば盛り付けの工夫としては季節を感じさせる物、明るめの食器を使用する、好きな柄があればその柄が入った食器を使用する、リラックスできる様な場所で食べる。リラックス出来る様な、または好きな音楽を流すなど

においによって食べづらい場合は換気を行う、冷ましてから食べるなど

【食事の工夫】

3食に限らず自分のペースで食べられる時に食べたい物を食べられる量だけ食べる。そのために必要な分の準備をする。また、その時によって食べやすく口当たりの良い食べ物にする、主食をおにぎり、サンドイッチなどにしてみる。小さめの食器で少量で小分けにして食べた達成感を感じさせる。

今は〜であれば食べられそうと考える事も大切ですが偏らないように注意しましょう。

より栄養を摂取するための工夫として例えば果物にヨーグルトをかける。ご飯にかつおぶしをかけるなど

【症状ごとの食事】

口内炎:水分の多い物、ペーストなどのど越しの良い物、

悪心・嘔吐:食事前にうがいをする、消化の良い物、飲み込みやすい物、味付はシンプルに

する、さっぱりとした物、その他脱水にも注意しましょう。

食欲不振:酸味がある物は食欲増進の効果があります。

下痢:消化の良い食事

味覚障害:味覚障害は味の感じ方に変化を生じます。酢主な工夫として酢、レモンなどの

適度な酸味を利用する、だしを利用するなど味付に工夫する。

【控えた方が良い物】

口内炎:からい、酸っぱいなどの刺激の強い物

悪心・嘔吐:脂っこい物は胃に負担になる可能性があります。

その他:においが気になって食べられない場合はにおいが強い食べ物

下痢:刺激の強い物、脂っこい物は負担がかかる可能性があります。

 

※飲み込みに問題がある場合、汁物などはさらさらした状態で飲むとむせたり、誤嚥性肺炎の危険もあります。それを防ぐためにとろみをつける事もあります。その他、少しでも不安があれば職員さんに相談しましょう。

6種複合免疫療法

【まとめ】

食事は病態や症状によって異なります。力を付けるだけではなく、生きがいなどを感じるためにはとても大切です。しかしなかなかうまく食べる事ができずに悩む事もあるかもしれませんが、特定の方法に限らず状況に合わせて工夫する事で食べやすさにつながる場合もあります。

【参考・引用文献】

予期性悪心・嘔吐 | もっと知ってほしいがんと生活のこと (cancernet.jp)

がんと食事 | 国立がん研究センター 東病院 (ncc.go.jp)

がんと食事:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)

がん看護実践ガイド・がん治療と食事治療中の食べるよろこびをささえる援助

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