がん免疫療法コラム

外傷からの感染のリスクについて

日々、過ごす中で思わぬ所でけがをする事があるかもしれません。ご家庭で過ごしている方は応急処置を行う事もあるかもしれません。状態によってはすぐに病院受診も必要です。中には病院を受診するまではないと思ってもかかりつけの病院に定期的に通院していたり、在宅医療を受けている方は主治医の先生や看護師に必ず伝えましょう。また傷から病原菌が侵入し感染する危険がありますのでそれに注意しながら適切に処置を行う事が重要です。

【傷を直接手で触れてはいけません。】

それは感染の危険があるためです。血液による感染を血液媒介感染と言いますが血液を直接手で触れて、その手で口や鼻などの粘膜に触れる事で体内に入り感染症が発症します。主にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、後天性免疫不全症候群(HIV)、梅毒などの疾患があります。傷が深く、出血がひどく、布などで抑える場合も同じです。本来ならビニール手袋があれば良いのですが、ビニール袋でも代用できます。先のとがった物などが深く刺さった場合は抜いたり、動かしたりするとさらに出血や神経などを傷付ける危険がありますので周囲を清潔な布で固定しすぐに病院を受診しましょう。

【処置】

日常生活でよく起こりうる転んだり、うっかりして切ってしまう時にできる切り傷や擦り傷の処置を中心にお話しします。傷口は消毒ではなく水または、ぬるま湯で洗い、石けんを使用する場合は泡で優しくそしてしっかり流します。

傷は乾燥させずに湿潤療法と言った。水で洗った後、傷からの浸出液(傷から出てくる液)で適度に湿らせます。傷を保護する物の一つとして創傷被覆材は病院だけではなく市販でも販売されています。傷の上に貼り湿潤環境の維持などに働きますが、種類にはハイドロコロイドなど傷の範囲によって異なります。

血を止めるために使用したティッシュなどはビニールに入れてしっかり結んで捨てましょう。

治るまでは必要に応じて確認も必要です。一度処置をしたからと言って放置するとそこから病原菌が増殖し感染の危険もありますので適宜傷を洗って交換も必要です。また気になって必要以上にテープをはがして見たり、直接手で触れないようにしましょう。処置をした後は必ず手洗いを行いましょう。

【環境調節】

がんの患者様に限らず高齢者や血が固まるのを抑える薬など、血友病、播種性血管内凝固症候群などの出血しやすい疾患がある方なども注意が必要です。

転ぶのを防ぐために周りの整理整頓をする、皮膚を強くこすりすぎないようにする、鼻をかむ時は力を入れすぎないようにする、排便の時は強くいきまないようにする。そのために便通を整える事も必要です。

6種複合免疫療法

【まとめ】

けがをすると不安になり焦ってしまうかもしれません。応急処置のやり方はけがの原因によって異なります。事前の心構えとして知っておく事もそうですが、周囲に人がいた場合は助けを呼んだり応急処置を行った後にやはり心配だと感じた場合は相談や病院受診も大切です。

【参考・引用文献】

すり傷|一般社団法人 日本創傷外科学会 一般の皆様へ (jsswc.or.jp)

出血しやすい・血小板減少 もっと詳しく:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)

jinshikkan_a_0010.pdf (mhlw.go.jp)

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