がん免疫療法コラム

生活習慣とがんは生活どう関係しているのか?

    以前の文章で生活習慣病についてのお話しがありましたが、状況によっては、がんの発生につながる危険もあります。がんの発生要因として主に飲酒、喫煙、食生活、肥満、運動の不足などがあげられます。

 がんは遺伝子の異常により起こります。そのがんの原因となる物が細胞に入り、DNAに結合し突然変異を起こします。

DNA

 

 

 

 

 

【飲酒】

 お酒は飲みすぎると身体に良くありません。肝臓は解毒作用(身体にとって害になる物を害にならないようにする役割)や栄養を代謝する働きなどがあります。

飲んだお酒

肝臓でアセトアルデヒドという物質になります。ですがこれは毒性が強いです。

そのため、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)という酵素によって無毒化されます。

アルデヒドロゲナーゼ(ALDH)の働きが弱い場合、がんの危険性も高くなります。アセトアルデヒドロはDNAやたんぱく質と結合しやすい事もがんの発生と関係しています。

 

【喫煙】

たばこの煙には約60種類の発がん物質が含まれています。先程お酒の所でアセトアルデヒドが出て来ましたが、たばこにもアセトアルデヒドは含まれています。

【食生活、肥満】

 主に緑黄色野菜の不足、熱い物、塩分、動物性脂肪などを必要以上に摂取する事などがあげられます。

 熱い物を摂取し過ぎると、食道がんの危険があります。例えば物を焼く時、やけどをした時を想像するとイメージは付きやすいかと思いますが、こうして熱い物を摂取し過ぎると食道の粘膜を傷付けてしまいます。

 塩分を摂取し過ぎると胃の粘膜にダメージを与える事や、ヘリコバクターピロリ菌の感染は胃がんの危険性があります。

 緑黄色野菜はがんを予防するための栄養素が豊富に含まれています。その栄養素が不足するとがんの危険性があります。

 動物性脂肪は主に牛乳、チーズ、バター、ラードなどの乳製品や牛肉、羊の肉などに含まています。摂り過ぎると2次胆汁酸を作る量が増えてしまいます。2次胆汁酸は発がん物質が含まれており、大腸の粘膜に影響するためです。 その他、肥満でも増えます。 

 食生活についてですが「がんの危険がある。だから食べてはいけない。食べない方が良い」と言う分けではありません。食べ過ぎないように気を付ければ良い事です。むしろバランスの悪い偏った食事をする方が悪影響になります。何事もそうですがメリット、デメリットがあります。身体のためにもバランスの良い食事が大切です。

胆汁について

 胆汁は肝臓で作られ、一時的に胆嚢に蓄えられます。そして食事をした時に栄養を吸収する役割を行う小腸で脂質の吸収や身体にとって不要な物を取り除く働きをします。

 

胆汁酸(胆汁の成分の1つです。)について

紫色の文字は胆汁酸の成分の1つです。

1次胆汁酸では

・コール酸

・ケノデオキシコール酸

が作られ

腸内細菌により

2次胆汁酸として

・コール酸→デオキシコール酸

・ケノデオキシコール酸→リトコール酸

となります。

 

腸内細菌について

 大腸内に存在している細菌です。大きく分けると、善玉菌(便を出しやすくするなど良い働きをします。)悪玉菌(生活習慣の乱れにより増え、悪影響を及ぼします。)日和見菌(中間的な働きをします。)があります。

 

【運動不足】

   日頃から体を動かす量が少ないと、腸の働きが低下し便秘になる可能性があります。そのため便が長くたまってしまいます。便は発がん物質が含まれており、腸に影響します。

6種複合免疫療法

【まとめ】

 生活習慣とがんの関係についてお話ししました。がんは食道がん、胃がんなど、さまざまな種類がありますが、多くは飲酒、喫煙、食生活などが関係しています。日頃の生活を意識する事でがんの予防、がんの進行の抑制などにつながりますのでしっかり振り返ってみましょう。

 

 

参考、引用文献

・シンプル生化学【改訂第6版】

・最新版「がんの」医学百科 告知されたその日から役立つ

・お酒を飲んでがんになる人ならない人

・https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b9.html

https://epi.ncc.go.jp/index.html

 

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