がん免疫療法コラム

親ががんと診断されたらどうしたら良い?心配で仕事が手につかないときこそ家族は冷静な対応を

親ががんとの診断を受けた際のショックは計り知れないものであり、日常生活や仕事にも影響が出ることが少なくありません。そんな混乱と戸惑いの中で、「どうすればいいのか」「どのように支えられるのか」を知ることは非常に重要です。

この記事を通じて、がんという病気とどのように向き合うべきか、また親をサポートするための具体的な方法や心構え、そして自身の気持ちの整理の仕方などをお伝えします。

がんは日本人の2人に1人がかかる病気


がんは、私たちの生活に身近な病気となっています。2019年のデータに基づくと、日本人男性が一生のうちにがんと診断される確率は65.5%、すなわちほぼ2人に1人の確率でがんになることが示されています。

女性の場合も、51.2%と2人に1人の割合でがんと診断されることが予想されます。突然の診断に、多くの人は衝撃を受けますし、家族も同様の心情を抱えることでしょう。

しかし、これらの数字からもわかるように、がんは決して珍しい病気ではないのです。

参考:最新がん統計|がん情報サービス

本人や家族の、がんとの基本的な向き合い方

がんとの向き合い方は、患者さん本人や家族にとって非常に大切なテーマです。まず、過去を振り返り原因を追究したり、根拠のない後悔に囚われるのではなく、視点を未来に向けることが大切です。

未来志向の考え方は、前向きな気持ちや治療への希望を生む手助けとなります。また、感じる気持ちを無理に抑え込むのではなく、自分の感じることを素直に周囲の人々に相談することも大切です。人は一人ではなく、周りの支えがあって乗り越えていくものです。信頼できる人たちとのコミュニケーションを大切にして、がんと向き合っていきましょう。

急いで仕事を辞める必要はない

現代において、がんは治せる病気となっています。先進的な医療技術や治療法の発展により、多くの患者さんが完治を目指し、希望を持って治療に臨んでいます。

しかし、がんという病名を聞くと、まず頭に浮かぶのは「治療に専念するための休職」かもしれません。特に子どもの立場から見れば、親ががんと診断された場合、「仕事を辞めて、治療に専念してほしい」と願うのは自然な感情です。

ただし、重要なのは本人の意思を尊重することです。治療の進行や生活スタイル、そして仕事への思いなど、多くの要素が絡み合い、一概に「休職すべき」とは言えません。

復職後のことも考慮すると、治療を受けながら仕事を続けることを検討してみても良いかもしれません。仕事を続けることは、患者さんの精神的な安定や社会とのつながりを維持する上で有効な場合も多いのです。

実際、国も仕事と治療の両立を支援する方針を推奨しています。厚生労働省では、がん患者さんが仕事を続けながら治療を受けることをサポートするためのガイドラインを策定しています。これには、企業側の配慮や取り組むべき点が明示されており、患者さんのQOL(生活の質)の向上を目指しています。

参考:治療と仕事の両立について|厚生労働省

親ががんと診断されたら


親ががんと診断された際、どのように接すれば良いのか迷うことは多いでしょう。しかし、親に余計な心配や負担を与えないためには、いつも通り接することが大切です。

いつも通り接しながら支える

極端に気を遣い過ぎたり、無理に励ますことは必要ありません。むしろ、いつも通りの接し方を心がけることが大切です。もちろん、時には意見が対立することもありますが、そのときでも「私たちは味方である」ということを根底に持ち続けることが重要です。日常の些細なことや意見の違いにこそ、愛情や絆が試されることもあるかと思います。しかし、そうした瞬間にこそ、お互いを大切に思う気持ちをしっかり伝え合うことで、絆はさらに深まるでしょう。

本人の気持ちを尊重する

人と接する際の基本は、その人の気持ちを尊重することです。特に、何か困難や悩みを抱えている人は、一番に「理解されること」や「受け入れられること」を求めていることが多いです。そんなとき、大切なのは、しっかりと彼らの話を聞くことです。聞き手として、ただ黙って相手の話を受け止めるだけでも、その人の心は少し楽になることがあります。

一方で、本人が話したくない場合もあるでしょう。そんなときは、言葉をかけずにただそばに寄り添うことも、深い理解や支えとなるのです。

親ががんになったときに家族ができること

がんとの闘病は身体的な負担だけでなく、心の面でも大きな試練となります。そんな親の心に寄り添い、真のサポートをするためには、まず彼らが何を求めているのか、どのようなサポートが助けとなるのかを正確に把握することが必要です。

担当医とのコミュニケーション

担当医とのコミュニケーションは、闘病生活において非常に重要です。特に、病気や治療に関する不安や混乱がある時、本人はその気持ちをうまく医師に伝えられないことが多いです。そんな時、家族や友人が介入し、具体的な症状や困っていることを担当医に伝えることで、適切なアドバイスや対応を受けることができます。

また、治療方針や緩和ケアなどの選択肢についても、医師から詳しく情報を得て、それを整理し本人へと伝える役割が求められます。

適切な情報の収集

がんと診断された際、患者さんとその家族は多くの情報や判断を迫られます。適切な情報の収集は、治療の方針を決める上で非常に重要です。

まず、具体的な「医学的病名」を知ること。これにより、病気の性質や特徴を理解するための第一歩となります。次に、その病名に関連する「専門の診療科」を調べることで、最も適切な治療を提供する病院や医師を見つける手助けとなります。また、治療に伴う「副作用への対処法」の情報は、治療生活を少しでも楽にするための貴重な知識となるでしょう。

がんの進行度や治療の見通しを明確にするためには、これらの情報の収集が欠かせません。治療の方向性や期待する効果、可能性をしっかりと掴むことが、適切な治療を選ぶための基盤となります。

さらに、治療や生活に関するサポートも不可欠です。「高額療養費制度」のように、医療費の負担を軽減するための制度や、各種治療支援が存在します。これらを活用することで、経済的な負担や心の重荷を減少させることが期待できます。具体的な制度や治療支援の詳細については、公的機関や病院の公式サイトで詳しく紹介されています。※参考として、以下のURLをご覧ください。

参考:「がん相談支援センター」とは|がん情報サービス

高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省

障害者手帳について|厚生労働省

我が国の医療保険について|厚生労働省

基本手当について|ハローワークインターネットサービス

身の回りのサポート

身の回りのサポートとは、日常生活に関することです。例えば「洗濯」では、衣類の清潔を保ち、生活リズムを乱さないためのサポートを行います。

また、「買い物」に関しては、食材や生活必需品を適切に揃えることで、生活の基盤を維持するためのサポートとなります。

金銭的サポート

金銭的サポートとは、経済的負担を軽減するための援助のことです。例えば、「治療費のサポート」や「入院費のサポート」などが含まれます。多くの場合、家族がこれらの費用を一部または全額を負担することが考えられます。がんや重い病気の治療は長期にわたることも多く、経済的な問題が生じ、不安を感じるケースが少なくありません。このような金銭的な問題は言いにくい部分もあるかと思いますが、家族間でしっかりと話し合い、お互いの理解を深めることが非常に大切です。

家族は第二の患者


がんを患った患者さんの家族は「第二の患者」とも言えます。がんになった親のサポートは、身体的にも精神的にも大きな負担がかかりやすいです。自分自身が疲れてしまわないよう、適切にケアをすることが大切です。

自分自身を大切に

がんという診断は、患者さんだけでなく、家族にとっても非常に大きなショックとなります。特に、子どもの立場からすると、親の苦しみや不安を目の当たりにすることは計り知れない心の負担となることでしょう。多くの子どもたちは、親のつらさを思いやり、自らの心情や不安を抑えてしまう傾向があります。そのため、自分の感情や心配を後回しにしたり、言葉に出すのが難しくなることも少なくありません。

事実、家族は「第二の患者」とも言われるほど、がんの影響を大きく受けています。親の病気を知ったショックやその後の治療の過程、未来への不安など、子どもたちも多くの感情を抱え込むことが多いのです。

しかし、ここで大切にしたいのは、自分の感情や心の健康を大切にすることです。親や家族のためだけでなく、自分自身のためにも、時には自分の気持ちや悩みを共有する勇気をもつことが大切です。それが、家族とともに乗り越える力となり、みんなを支えるエネルギーの源となります。

困ったり悩んだりしたときは専門家へ相談を

繰り返しになりますが、がんを患った家族を持つ方々は、自身の感情や不安を抑え込むことなく、適切な場所での相談を積極的に行うことを強く推奨します。一人で抱え込むより、話すことで気持ちが楽になることも多いです。

まず、親しい友人や親戚など、日常の中で自然に接する周囲の人たちに気持ちを話すことから始めてみましょう。しかし、専門的なアドバイスやサポートが必要な場合、医療機関への相談も考えてみてください。

さらに、公的機関にも相談窓口が設置されています。がん相談支援センターは、がん患者さんやその家族の心のサポートを中心に活動しており、全国各地に拠点を持っています。他にも、自治体や専門の団体が提供する支援制度や相談窓口が多数存在します。それぞれの公式サイトで、具体的なサービス内容や利用方法を詳しく確認することができます。

参考:「がん相談支援センター」とは|がん情報サービス

がん相談ホットライン|日本対がん協会

がんサバイバー・クラブ – がんの相談窓口のご紹介

がん患者の家族を助ける制度


がん患者さんの家族が直面する困難を和らげるための公的な制度は、経済的、心理的サポートを目的としています。ここでいくつかの主要な制度を紹介いたします。

がん患者の家族をつける制度

 公的医療保険 日本の医療保険制度は、多くの医療費を補助します。がん治療も医療保険の対象となり、患者本人や家族が負担する金額は、一定の範囲内に抑えられます。
 介護保険 がんの進行などで日常生活に支障をきたす場合、介護保険を利用してサービスを受けることができます。この制度を利用することで、介護サービスを利用する際の負担を軽減することが可能です。
 失業手当(基本手当) 仕事を辞め、家族の介護に専念しなければならない場合にも、支援があります。失業手当として、一定期間、収入の補填が受けられます。
 高額療養費制度 高額な医療費がかかる場合に、一定の上限を超える部分の医療費を公的に補助するこの制度も、がん治療の際の経済的負担を減少させるためのものです。

 

6種複合免疫療法

まとめ


本記事では、がんと診断された親への接し方やサポートについてご紹介しました。

がん治療には副作用が強く出るものもあり、身体的・精神的サポートが大切になります。

そして、多数あるがん治療の中で現在注目されているのが「6種複合免疫療法」です。この治療法は、がん細胞を攻撃する免疫力を高めることを目的としています。従来の治療法と組み合わせることで、より効果的な治療が期待できると言われています。

福岡同仁クリニックでは、6種複合免疫療法を専門的に行っており、最先端の医療技術や設備を持っています。治療方法や再発防止方法の一つとして、6種複合免疫療法を検討してみてはいかがでしょうか。

6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。

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