がん免疫療法コラム

骨肉腫の治療や対処法とは? さまざまな選択肢と標準治療を解説

骨肉腫は、主に若年層に発生する悪性の骨腫瘍であり、早期発見と適切な治療が重要です。

今回の記事では、骨肉腫の治療法や対処法について詳しく解説します。

手術や薬物療法、放射線療法などの標準治療に加え、免疫療法などの新しい選択肢も紹介し、それぞれの治療法がどのように骨肉腫の治療に役立つかを説明します。

 

さらに、新たながん治療の選択肢として福岡同仁クリニックがおすすめする「6種複合免疫療法」についてもご案内します。

骨肉腫よりも一刻も早く6種複合免疫療法について知りたい、という方は、こちらからお願いします。

がん・6種複合免疫療法

肉腫とは

肉腫とは

骨肉腫は、体中のあらゆる部位に発生する可能性があるがんの一種で、非上皮性組織由来の悪性の骨軟部腫瘍です。

英語では「サルコーマ(sarcoma)」と呼ばれ、骨や筋肉、脂肪、血管などのさまざまな部位に発生することが特徴です。

骨肉腫は、発生する部位や組織によっていくつかの種類に分類されます。

例えば、骨に発生するものを「骨肉腫」、軟部組織に発生するものを「軟部肉腫」と呼びます。

それぞれの部位に応じて異なる治療法が必要であり、専門的な診断と治療が求められます。

骨肉腫は比較的まれな腫瘍ですが、特に若年層に多く見られるため、早期の発見と治療が重要です。

骨の肉腫とは

骨肉腫は、骨に発生する肉腫の一種国内での発症頻度は非常にまれで、人口50万人に1人程度とされています。

年間発症者数は200~300人程度と推定され、特に10~20代の若年層に多く発生しますが、約3割は40歳以上でも発症します。

骨に発生するがんには大きく分けて転移性骨腫瘍と原発性骨悪性腫瘍の2種類があります。

転移性骨腫瘍は、他の臓器に発生したがんが骨に転移するもので、例えば肺がんや乳がんが骨に広がるケースがこれに該当します。

一方、原発性骨悪性腫瘍は、骨そのものからがんが発生するもので、これが「肉腫」と呼ばれる腫瘍のほとんどを占めます。

骨肉腫はその中でも悪性度が高い腫瘍であり、早期の発見と治療が非常に重要です。

骨肉腫の治療には、手術や薬物療法が主に用いられますが、進行したケースや再発防止のために免疫療法が新たな治療選択肢として注目されています。

早期に診断され、適切な治療が行われることで、患者さまの予後が大きく改善される可能性があります。

骨の肉腫の主な症状

肉腫の症状

骨肉腫の初期症状としては、まず痛みが挙げられます。

これは、腫瘍が骨に発生することで周囲の組織に圧迫や刺激が加わるためで、特に夜間や運動後に痛みが増すことが特徴です。

次に、腫れが見られることがあり患部に腫瘍が発生すると、周囲腫れ皮膚の変色が起こることがあります。

また、腫瘍が発生した骨が脆くなることで、軽い衝撃でも骨折してしまう病的骨折も初期症状の一つです。

腫瘍が発生する部位によっては、これらの症状が分かりづらい場合もあります。

そのため、がんと診断されるまでに肉腫がかなり大きくなってしまい、場合によっては麻痺が出るまで気づかないことも少なくありません。

その結果、発見されたときには、すでにがんがステージⅡやⅢまで進行しているケースが多いです。

さらに、10~20%の症例では、診断時にすでに肺などへの遠隔転移が認められることがありますが、これらの病変は小さいものが多く、早期に対応することで治療が可能です。

骨肉腫は早期発見が難しいことがあるため、痛みや腫れなどの症状が見られた場合には、早期に医療機関を受診することが重要です。

骨の肉腫の種類

肉腫の種類

骨の肉腫にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

ここでは、骨の肉腫の主な種類について詳しく説明します。

骨肉腫

骨肉腫は、腫瘍性の類骨や骨を形成する悪性腫瘍であり、主に若年層に発生します。

通常の骨肉腫に加えて、頻度は低いものの、血管拡張型骨肉腫や小細胞型骨肉腫、低悪性度中心性骨肉腫、放射線照射後やPaget病に続発する二次性骨肉腫といった亜型も存在します。

これらの亜型は非常にまれで、診断や治療が難しいケースが多いです。

現在、骨肉腫の原因となる特定の遺伝子異常は明らかになっていませんが、治療の進歩により、初診で転移がなく、四肢に発生した骨肉腫5年生存率約70%程度にまで改善されています。

軟骨肉腫

骨肉腫は40代以上で発症しやすく、大腿骨、骨盤、上腕骨などに多く見られるがんの一種です。

骨肉腫にはさまざまな悪性度やタイプが存在し、それに応じて治療方法も異なります。

一般的には「骨内通常型」が最も多く見られますが、他にもいくつかの亜型があります。

例えば、骨内高分化型骨肉腫や稀な円形細胞骨肉腫、表在骨肉腫、傍骨骨肉腫、骨膜骨肉腫、表在高悪性骨肉腫などが挙げられます。

さらに、放射線治療後に発症する「2次性骨肉腫」と呼ばれるタイプも存在します。

これらの亜型はそれぞれ異なる治療アプローチが必要であり、専門的な診断と治療計画が必要です。

ユーイング肉腫

ユーイング肉腫ファミリー腫瘍は、骨や軟部組織に発生する悪性腫瘍で、特に大腿骨、骨盤骨、脊椎に多く見られますが、骨以外の軟部組織にも発生することがあります。

20歳以下の若年者に多く発症しますが、高齢者にも発生するケースがあるため、年齢に関係なく注意が必要です。

この腫瘍は、特有の融合遺伝子を持っており、近年の診断技術の進歩により、正確な診断が可能となっています。

融合遺伝子の発見により、治療法の選択がより的確に行われ、患者さまにとって効果的な治療が期待されます。

脊索腫

脊索腫は、胎生期における脊索の遺残組織に由来するまれな腫瘍です。

主に頭蓋底(斜台)や仙骨部に発生することが多く、頭蓋や脊椎に沿ってあらゆる部位に発生する可能性があります。

発生部位の割合としては、仙骨部が約50%を占め、次いで頭蓋底が約35%、その他の脊椎が約15%となっています。

脊索腫は進行が遅いものの、治療が難しいため、専門的な診断と治療が必要です。発症部位によって症状や影響が異なるため、早期発見と適切な対応が重要です。

骨巨細胞腫

骨の巨細胞腫は、主に20代前後の若年者に多く見られ、特に膝周囲に好発します。

この腫瘍は再発率が高く、さらに肺への転移を生じることがあるため、中間悪性腫瘍として扱われます、厳密には悪性骨腫瘍ではありません。

治療後も再発や転移を早期に発見するため定期的な検査が重要です。

骨肉腫の治療法や対処法

治療法・対処法

骨肉腫の治療には、さまざまな方法があり、患者さまの状態や腫瘍の進行度に応じて選択されます。

以下に、主な治療方法対処法について詳しく説明します。

手術療法

骨肉腫の治療において、基本的なアプローチは広範切除と呼ばれる手術です。

これは、腫瘍を取り囲む正常な組織も一緒に切除することで、腫瘍の完全な除去を目指す方法です。

具体的には、腫瘍の周囲にある正常な骨や筋肉も含めて切除し、がん細胞が残らないようにします。

可能であれば、手足を温存する手術(患肢温存術)を試みますが、腫瘍が重要な神経や血管を巻き込んでいる場合には、手足の切断が避けられないこともあります。

その際には、人工関節や自分の骨を再利用する再建術を併用し、機能の回復を図ります。

骨肉腫は再発や転移が珍しくないため、治療後も定期的な通院と検査が必要です。

特に若年者の場合、成長に伴って再手術が必要になるケースもあります。

これにより、病状の早期発見と適切な治療が可能となり、患者さまの予後改善につながります。

薬物療法

骨肉腫が転移を生じている場合、治療方針は一般的に抗がん剤を中心とした治療が採用されます。

抗がん剤治療により、治癒が見込める場合もあり、特に手術の前後に薬物療法を併用することで、再発率を下げ、治癒率を向上させることが期待されます。

治療に使用される主な抗がん剤には、メトトレキサート、シスプラチン、アドリアマイシンが挙げられます。

これらの薬剤は、骨肉腫の細胞を効果的に攻撃する力を持っており、転移したがんの治療において重要な役割を果たします。

しかし、抗がん剤治療には副作用が伴います。

具体的には、はき気や嘔吐、だるさ、口内炎、白血球減少による感染症のリスク増加などの症状が現れることがあります。

また、これらの薬剤は妊孕性に影響を及ぼす可能性あるため、治療前に医師と十分に相談することが重要です。

抗がん剤治療は、副作用と向き合いながらも、骨肉腫の治療において非常に重要な選択肢となります。

患者さまに適切な治療計画を立て、定期的な検査とフォローアップを行うことで、最良の治療結果を目指します。

放射線療法

骨肉腫の治療において、放射線治療が行われることもありますが、一般的には骨肉腫に対してはあまり効果がないとされています。

それでも、手術前後の補助的な治療として放射線治療が行われることがあります。

特に、安全な広範切除が難しい場合や、再建が困難な患肢温存術を行う際に、放射線治療が補助的な役割を果たします

これらの決定は、腫瘍の大きさや発生部位に応じて行われます。

また、粒子線治療が選択されることもあります。

例えば、ユーイング肉腫など、脊椎や骨盤に発生した腫瘍で広範切除が困難な場合に、この治療法が有効とされます。

粒子線治療は、通常の放射線治療よりも高精度で腫瘍を狙うことができるため、骨肉腫の治療において重要な選択肢となり得るのです。

免疫療法

免疫療法は、患者さま自身の免疫システムを活性化させ、がん細胞を排除する治療法です。

がん治療において、他の治療法と組み合わせることで相乗効果を期待できるケースが多く見られます。

また、副作用が比較的少ないため、体への負担を抑えたい患者さまに選ばれることが増えています。

免疫療法の一つに、免疫チェックポイント阻害薬があります。

これは、がん細胞が免疫システムからの攻撃を逃れるために利用する「チェックポイント」を阻害する薬剤で、CTLA-4阻害薬療法がその代表例です。

この治療法により、がん細胞が再び免疫システムに攻撃されやすくなり、がんの進行を抑制することができます。

 

さらに、6種複合免疫療法など他の免疫療法も注目されています。

「6種複合免疫療法」は、複数の免疫機構を同時に活性化させ、がんに対する免疫反応を強化する治療法であり、がん細胞の効果的な排除が期待されます。

その他にも、患者さまの樹状細胞を利用し、がん細胞を特定し免疫システムに提示することで、がんに対する免疫反応を強化する「樹状細胞ワクチン療法」、患者さまのリンパ球を増殖・活性化させて体内に戻し、がん細胞を攻撃する力を高める「非特異的リンパ球療法」などがあります。

免疫療法は、従来の治療法と組み合わせることで治療効果を高める可能性があり、今後のがん治療において重要な役割を果たすと期待されています。

緩和ケア

緩和ケアや支持療法は、がんに伴う心と体、そして社会的苦痛を和らげるために行われる治療です。

これらのケアは、がんの進行具合や治療の段階に関わらず、患者さまがつらさを感じたときにはいつでも受けることができます。

特に若年患者さまの場合、周囲の人々が本人の様子をよく観察し、患者さまの声に耳を傾けることが重要です。心身のつらさや不安を抱え込まず、適切なタイミングでサポートを受けることで、患者さまの生活の質が向上し、治療への意欲も高まります。

緩和ケアは、患者さまの全体的な幸福感を支える重要な役割を果たします。

骨肉腫には標準治療がある

骨肉腫の治療は、世界的に標準的な治療法が確立されています。

標準的な治療プロセスは、まず術前化学療法として、2~3カ月にわたる薬物療法が行われます。これにより腫瘍を縮小させ、手術の成功率を高めます。

次に、腫瘍の広範切除と骨再建を目的とした手術が行われます。

手術後も数カ月にわたって薬物療法を追加し、再発や転移を防ぐことを目指します。

この標準治療が確立された背景には、1970年代以前の厳しい現状があります。当時は、患肢切断による手術療法のみが行われており、多くの患者さまが術後1年以内に肺転移を起こし、5年生存率はわずか5~10%という極めて不良なものでした。

しかし、1970年代以降、再発や進行した骨肉腫に対する化学療法の有効性が報告され、これが初回治療にも応用されるようになりました。

この進展により、手術と化学療法を組み合わせた治療が行われるようになり、治療成績が大幅に向上しました。

現在では、術前化学療法、手術、術後化学療法の組み合わせが、骨肉腫に対する標準的な治療法として確立され、多くの患者さまの生存率を高めています。

骨肉腫と6種複合免疫療法

今回の記事では、骨肉腫の治療法について解説しました。

骨肉腫は、早期発見と適切な治療が非常に重要であり、標準治療として術前化学療法、手術、そして術後化学療法が世界的に確立されています。

しかし、がん治療においては、さらなる治療効果を目指して新しいアプローチが求められることも多いです。

 

その一つが免疫療法であり、特に「6種複合免疫療法」は注目されています。

この治療法は、患者さま自身の免疫システムを強化し、がん細胞を効果的に排除することを目指しています。

福岡同仁クリニックでは、この6種複合免疫療法を提供しており、患者さま一人一人に合わせた治療を行っています。

6種複合免疫療法とは?

患者さまご自身の免疫細胞を活性化・増殖させてがんと闘う力を増強させる治療法です。
従来の治療法と比べ、副作用が軽微で体への負担が少ない治療法です。

がんと闘う免疫細胞を、厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、約3週間で「1,000万〜2,000万個」の細胞を「20億〜50億個」まで培養できます。

 

特徴

  1. がん3大療法との併用が可能。ほぼ全てのがん※に対応
  2. 副作用が少なく、続けやすい療法
  3. 厚生労働省の許可を受けた施設で細胞培養を行う

※一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。

医療機関での治療の流れ

6種複合免疫療法・治療の流れ

医療機関での採血後、血液は細胞加工センターへ送られ、ここで患者さまのがんに特化したオーダーメイドの培養を行います。

約3週間後、増殖・活性化された免疫細胞は治療用バッグに入れられ、採血をした医療機関で投与が行われます。

6種複合免疫療法の治療効果

以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。

6種複合免疫療法・治療効果

6種複合免疫療法・治療効果

 

 

A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。

また、6種複合免疫療法の特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。

以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。

6種複合免疫療法・がんの部位

ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。

まずは今すぐ、詳しい内容をお問い合わせください。専任スタッフにより丁寧にご説明します。

6種複合免疫療法に関する詳細は、こちらよりご確認ください。

 

がん・6種複合免疫療法

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