がん免疫療法コラム
乳がん手術後のドレーンはいつ取れる? 過ごし方や注意点を解説
乳がん手術後、患者さまにとって重要なケアの一つがドレーンの管理です。
ドレーンは手術後の体内に残る不要な液体を排出するためのもので、感染予防や回復をスムーズにする役割があります。
しかし、ドレーンがいつ取り除かれるのか、その間の過ごし方や注意点について不安を抱く方も多いでしょう。
今回の記事では、ドレーンの役割や取り扱い方法、生活上の注意点について詳しく解説します。
さらに、従来の治療法に加え、乳がんにおける免疫治療の可能性についても触れていきます。
免疫療法の中でも特に知っておいていただきたい、福岡同仁クリニックがおすすめする6種複合免疫療法について、以下にて詳しく紹介しています。
気になる方はまずこちらをご覧ください。
INDEX
乳がん手術後につけるドレーンとは?
ドレーンとは、手術後に皮下にたまる出血や浸出液を体外に排出するための管です。
この排出を行う医療行為は「ドレナージ」と呼ばれます。
ドレナージの主な目的は、体内にたまった液体が腫れや感染を引き起こすのを防ぎ、回復を促進することです。
特に乳がんの手術後には、術後の症状を治療するためにドレーンが使用されます。
ドレナージは、病気の予防や検査のために行われることもありますが、乳がんにおいては術後の合併症を防ぐために不可欠な役割を果たしています。
ドレーンが必要となる乳がんの手術
乳がんの手術の中でも、特に全摘術や腋窩リンパ節郭清を行う場合、術後にドレーンを挿入することが一般的です。
全摘術では乳房全体を取り除くため、手術後に皮下にたまる血液やリンパ液を排出する必要があります。
同様に、腋窩リンパ節郭清では、脇の下のリンパ節を取り除くため、手術部位に液体がたまりやすくなります。
このような場合、ドレーンを脇の下や前胸部に挿入し、余分な液体を排出することで、腫れや感染を防ぎ、回復を促進します。
一方、乳房部分切除術の場合は、通常ドレーンを使用しません。
切除範囲が限られているため、液体がたまりにくいからです。
ただし、万が一液体がたまった場合は、外来で針を刺して排液を行うことがあります。
ドレーンは乳がん手術後一週間ほどで取れるのが一般的
乳がん手術後、ドレーンが取れる時期は一般的に術後一週間ほどです。
この期間中、ドレーンは体内の余分な血液や浸出液を排出し、排液量が減少すると、医師の判断によりドレーンが取り外されます。
しかし、ドレーンを取った後も、体内に少量の浸出液やリンパ液がたまることがあり、引き続き注意が必要です。
ドレーンが取れた後、挿入部の傷は通常数日でふさがりますが、完全に治るまでの間はガーゼや絆創膏で保護することが推奨されます。
特に、傷が汚れるのを防ぐために、適切なケアが重要です。
退院時には、創部をスキントンテープで保護するよう指示されることが多く、これにより傷の回復を助けるとともに、感染のリスクを低減させることができます。
ドレーンが取れた後も、自己管理を怠らず、医師の指示に従ってケアを続けることが、早期回復の鍵となります。
乳がん手術後からドレーンが取れるまでの過ごし方
乳がん手術後からドレーンが取れるまでの期間は、患者さまにとって重要な回復の時期です。
適切なケアと過ごし方を知ることで、回復をスムーズに進めることができます。
ここでは術後の日数別に過ごし方を解説し、日常生活で注意すべきポイントを紹介します。
乳がん手術後1日目
乳がん手術後、術後1日目から体を起こしたりベッドから離れたりすることは可能です。
これにより、早期回復を促進し、合併症のリスクを軽減します。
しかし、日常生活での動作には注意が必要です。特に、食事やトイレなどの基本的な行動は問題ありませんが、それ以外の動作では過度な体の動きは避ける必要があります。
また、手術を受けた側の腕を横に広げるような動作は、傷口に負担をかける可能性があるので控えましょう。
このような注意を守りながら、無理のない範囲で体を動かすことが大切です。
乳がん手術後2〜3日目
乳がん手術後、術後2日目からは下半身のシャワーが可能となります。
上半身のシャワーについては、術後3日目から傷の状態を確認しながら許可されることが一般的です。
この際、シャンプーなどは看護師の補助を受けることができ、無理なく清潔を保つことができます。
また、傷の状態によっては、理学療法士によるリンパ浮腫予防のリハビリが開始されることがありますが、必ず専門家の指導の下で行われます。
適切なケアを受けながら、少しずつ日常生活に戻る準備を進めることが重要です。
乳がん手術後4〜6日目
乳がん手術後、術後4~5日目からは手術を受けた側の腕の運動制限が徐々に緩和されます。この時期には、腕を90度まで動かすことが可能となり、日常生活に必要な動作が少しずつ行えるようになります。
術後6日目からは、手術側の上肢の運動制限がほぼなくなり、より自由に腕を動かせるようになります。
ただし、無理をせず、少しずつ運動範囲を広げることが大切です。
ドレーンを付けている期間の注意点
ドレーンを付けている期間中に感染などのトラブルを防ぐためには、いくつかの点に注意しなければなりません。
以下に、ドレーンを付けている期間の注意点について詳しく解説します。
日常の動作
ドレーンを付けている間は、ドレーンを引っ張らないよう、日常の動作に十分な注意が必要です。
多くの場合、安全に過ごせるようドレーンポーチが用意されます。例えば、歩く際にはドレーンポーチを肩にかけるなどの工夫をすることで、ドレーンが引っ張られるのを防ぎます。
また、寝返りや立ち上がりなど、動作の際にもドレーンの位置を意識し、慎重に動くことが大切です。
感染症
ドレーンを使用する際は、挿入部から細菌が侵入し、感染症を引き起こすリスクがあるため、慎重な管理が求められます。
感染症の兆候としては、皮膚の赤み、痛みの悪化、発熱などが挙げられます。これらの症状が現れた場合、早急に医療機関で対応する必要があります。
感染症を予防するためには、まずドレーンの位置や状態を定期的に確認し、屈曲や吸引装置の不具合がないかをチェックすることが重要です。
ドレーンが適切に機能しているかを確認するために、必要に応じて触診や「ミルキング」と呼ばれるドレーン内の液体を流す操作を行うことも大切です。
また、ドレーンが固定されている部分には、固定によるスキントラブルが発生することもあります。
固定部位の皮膚が擦れて炎症を起こさないよう、定期的に皮膚の状態を確認し、必要に応じて保護テープを交換するなどのケアが必要です。
患者さま自身も定期的にドレーンの状態を確認し、不安や異常を感じた場合はすぐに医療スタッフに相談することが大切です。
着用する下着
乳がん手術後の傷への刺激を避けるためには、締めつけがなく、ゆったりとした下着を選ぶことが重要です。
特に、アンダーバストが幅広で皮膚に食い込まないデザインのものを選ぶと、傷への負担が軽減されます。
また、柔らかく伸縮性があり、汗を吸収しやすい綿素材の下着を選ぶことで、快適さと衛生面でのメリットも得られます。
さらに、手術後にリンパ液の漏出リスクが高い方や排液量が多い方には、一定期間バストバンドの着用が推奨されることがあります。
バストバンドの使用期間や外してよいタイミングについては、必ず医師の指示に従うようにしましょう。
ドレーンが取れた後の乳がんの治療法
乳がんは早期発見であっても、手術後に20~30%の割合で再発する可能性があります。
そのため、ドレーンが取れた後も、必要に応じて治療を継続するケースがあります。
再発予防や治療の選択肢としては、放射線療法、薬物療法、さらには免疫療法などが考えられます。
以下にそれぞれの治療法の特徴について解説します。
放射線療法
乳がん手術後、温存した乳房や切除後の胸、またはその周囲のリンパ節において、がんが再発する可能性を減らすために放射線療法が行われることがあります。
放射線療法は、手術で取り切れなかったがん細胞を破壊し、再発リスクを低減させる目的で行われます。通常、治療は1日1回、週5回の頻度で行われ、約4〜6週間にわたって照射されるのが一般的です。
放射線療法は、特に再発リスクが高いとされる患者さまに対して、手術後の補助療法として重要な役割を果たします。
薬物療法
浸潤がんの場合、手術後の再発予防として薬物療法が行われることがあります。
乳がんの薬物療法には、いくつかの種類があり、患者さまのがんの特性や進行状況に応じて組み合わせて使用されます。
ホルモン療法薬は、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンが乳がん細胞の増殖を促すのを抑えるために用いられます。
分子標的薬は、がん細胞の特定の分子を標的とし、その成長や生存を阻害します。
細胞障害性抗がん薬は、がん細胞の増殖を妨げ、細胞を直接破壊する効果があります。
免疫チェックポイント阻害薬は、体の免疫システムががん細胞を認識し、攻撃する能力を高めます。
免疫療法
免疫療法および免疫細胞療法は、がん治療の新たな選択肢として注目されています。
この治療法は、がんの種類やステージにかかわらず適用できるため、早期から末期のがん患者さままで幅広く利用可能です。
特に末期がんにおいては、他の治療法と組み合わせることで治療効果を高めることが期待されます。
また、再発や転移の予防にも有効とされ、治療後の長期的な健康維持にも役立ちます。
免疫療法の特徴は、重篤な副作用が少ない点です。
一般的な治療法に比べて、軽度の発熱や発疹などの軽微な副作用が発生する可能性はありますが、日常生活に大きな支障を来すことは少ないとされています。
免疫細胞療法にはさまざまな種類があり、患者さまの状態やがんの特性に応じて適切な治療法が選択されます。
中でも「6種複合免疫療法」は、複数の免疫細胞を組み合わせてがんに対抗するアプローチで、特に効果が期待されています。
この治療法は、がん細胞を効果的に攻撃するために、異なる免疫細胞の機能を活用し、より強力な治療効果を狙います。これにより、がん細胞の増殖を抑制し、患者さまの免疫力を高めることが可能となります。
免疫療法は、患者さま一人一人の体質やがんの特性に合わせた個別化治療が求められるため、医師との綿密な相談が必要です。
乳がんと6種複合免疫療法
今回の記事では、乳がん手術後に使用されるドレーンについて詳しく解説してきました。
ドレーンは術後のトラブルを予防したり、回復を促進したりと重要な役割を果たします。
しかし、乳がんは20~30%の割合で手術後に再発する可能性があり、手術後も治療を継続するケースがあります。
乳がん手術後の再発予防として行われる治療法として、放射線療法や薬物療法、そして免疫療法をご紹介しました。
中でも、免疫療法はがん治療の新しいアプローチとして注目されています。
乳がんとドレーンについて学んだ後に、ぜひ知っておいていただきたいのが「6種複合免疫療法」です。
6種複合免疫療法とは?
患者さまご自身の免疫細胞を活性化・増殖させてがんと闘う力を増強させる治療法です。
従来の治療法と比べ、副作用が軽微で体への負担が少ない治療法です。
がんと闘う免疫細胞を、厚生労働省の許可を受けた細胞培養施設にて、約3週間で「1,000万〜2,000万個」の細胞を「20億〜50億個」まで培養できます。
特徴
- がん3大療法との併用が可能。ほぼ全てのがん※に対応
- 副作用が少なく、続けやすい療法
- 厚生労働省の許可を受けた施設で細胞培養を行う
※一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。
医療機関での治療の流れ
医療機関での採血後、血液は細胞加工センターへ送られ、ここで患者さまのがんに特化したオーダーメイドの培養を行います。
約3週間後、増殖・活性化された免疫細胞は治療用バッグに入れられ、採血をした医療機関で投与が行われます。
6種複合免疫療法の治療効果
以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。
A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。
また、6種複合免疫療法の特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。
以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。
ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。
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6種複合免疫療法に関する詳細は、こちらよりご確認ください。
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