がん免疫療法コラム
抗がん剤によるめまいの原因は? 発現時期や対処法について解説
抗がん剤はがんの治療としてよく使用される薬剤です。患者さんの症状によっては高い効果を発揮しますが、さまざまな副作用が生じる可能性もあります。
今回は抗がん剤の副作用である「めまい」について解説します。めまいの発現時期や対処法について情報をまとめましたので、ぜひ参考にご覧ください。
INDEX
抗がん剤治療とめまいの関係
まずは、抗がん剤治療とめまいの関係を紹介します。抗がん剤治療ではめまいの症状が起こることがあります。
具体的なめまいの症状は以下の通りです。
- 景色が回るように感じる
- 目の前が真っ暗になる
- ふらつく
など。
ただしめまいの症状には個人差もありますので、必ずしも今回紹介する情報の通りではありません。
抗がん剤治療によるめまいの原因
続いては、抗がん剤治療によるめまいの原因を紹介します。
抗がん剤治療によるめまいの原因には、骨髄抑制や溶血、下痢による脱水症状があります。それぞれについて、次章以降で詳しく見ていきましょう。
骨髄抑制
抗がん剤治療によるめまいの原因の1つ目は、骨髄抑制です。
抗がん剤の影響で「骨髄抑制」という副作用が起きる可能性があります。骨髄抑制とは、骨髄において造血細胞の働きが抑えられる症状のことです。消化管などから出血することもあり、全身に酸素を運ぶ働きのある赤血球の数が少なくなってしまい、貧血やめまいが生じやすくなります。
溶血
抗がん剤治療によるめまいの原因2つ目は、溶血です。
赤血球が通常より壊れやすくなる溶血などの症状によって、めまいや貧血が起こる可能性があります。
下痢による脱水症状
抗がん剤治療によるめまいの原因3つ目は、下痢による脱水症状です。抗がん剤の副作用で、下痢が生じることがあります。下痢の状態で水分を摂取していないと、脱水症状に陥る場合もあり、脱水症状になるとめまいやふらつきが起こる可能性があります。
めまいが発症する時期(タイミング)
次に、めまいが発症する時期やタイミングについて解説します。
赤血球の寿命は長いため、一般的に抗がん剤を投与してからすぐにめまいが起きることはありません。抗がん剤治療を継続するうちに次第に症状が起こるケースが多く、具体的には、治療開始から2〜3週間程度経ってから骨髄抑制の副作用が起こりやすいと言われています。
また、下痢による症状は治療開始から1〜3週間程度で起こりやすいため、注意が必要です。
抗がん剤によるめまいの予防法
続いては、抗がん剤によるめまいの予防法を紹介します。抗がん剤によるめまいを予防するために、治療を受ける方ができる予防法をいくつか解説します。
今回は
- 十分な休息を取る
- 体を温める
- 手洗いうがいを心掛ける
- バランスのよい食生活をする
- 小まめに水分補給をする
- 長風呂を避ける
という6つの方法を見ていきましょう。
十分な休息を取る
抗がん剤によるめまいの予防法1つ目は、十分な休息を取ることです。
体がだるい、ふらつく、めまいがあるといったときは、無理をして動かずに休憩をとることを推奨します。抗がん剤治療中はいつも以上に睡眠時間や休憩時間を増やすようにしましょう。
体を温める
抗がん剤によるめまいの予防法2つ目は、体を温めることです。
体内に酸素が行き届かないと新陳代謝が低下しやすくなるため、体を保温することを心掛けましょう。
手洗いうがいを心掛ける
抗がん剤によるめまいの予防法3つ目は、手洗いうがいを心掛けることです。
抗がん剤使用中は抵抗力が低下するので、手洗いやうがいをこまめに行うことが大切です。
バランスのよい食生活をする
抗がん剤によるめまいの予防法4つ目は、バランスのよい食生活をすることです。一日三食、規則正しい上にバランスのよい食生活を心掛けることが大切です。主食・主菜・副菜を意識し、特にタンパク質やビタミンB12、鉄分、カリウムの多い食品を多く含む食品を摂取するようにしましょう。具体的な食材としては、タンパク質の豊富な豚肉、鶏卵、牛乳、チーズなど。ビタミンB12の多いカツオ、マグロの赤身、しじみ、あさり、レバーがおすすめです。
また、鉄の吸収を阻害するタンニンを含む食品は控えることを推奨します。
小まめに水分補給をする
抗がん剤によるめまいの予防法5つ目は、小まめに水分補給をすることです。
下痢をしているときは脱水症状になりやすいため、こまめに水分補給をすることが重要です。スポーツドリンクなどで水分やミネラルを補給しましょう。ただし、冷たい飲み物はお腹が冷えてしまうため避けることをおすすめします。刺激の強い炭酸飲料、コーヒー、紅茶、アルコールなども控えるようにしましょう。
長風呂を避ける
抗がん剤によるめまいの予防法6つ目は、長風呂を避けることです。
入浴の際は、湯船の温度を適温にして熱くし過ぎないようにしましょう。また、長時間入らないようにすることも大切です。抗がん剤によるめまいの予防法として体を温めることを紹介しましたが、長風呂を避ければ入浴は効果的な方法です。
抗がん剤によってめまいが起きたときの対処法
続いては、抗がん剤によってめまいが起きたときの対処法を紹介します。
抗がん剤によってめまいが起きた際は、その場でしゃがみこむ・ゆっくりとした動作を心掛ける・手すりなどを利用する・医師に相談するなどの対策を講じましょう。
めまいやふらつきを感じたときはその場でしゃがみこむ
抗がん剤によってめまいが起きたときの対処法1つ目は、その場でしゃがみこむことです。
めまいやふらつきを感じたときは我慢せずに、すぐに近くの安全な場所でしゃがみ込んで落ち着くまで休憩してください。めまいやふらつきによる転倒・転落などの事故を防ぐことにも繋がります。
ゆっくりとした動作を心掛ける
抗がん剤によってめまいが起きたときの対処法2つ目は、ゆっくりとした動作を心掛けることです。めまいやふらつきなどが起こったときにその場でしゃがみこんで落ち着いたら、ゆっくりとした動作を心掛けましょう。特に動き始めに注意して、歩いているときも、動悸や息切れが起きないようなペースで歩行することをおすすめします。
手すりなどを利用する
抗がん剤によってめまいが起きたときの対処法3つ目は、手すりなどを利用することです。
めまいの症状が落ち着いた後は、手すりを使用したり車などが来にくい道を利用したりして危険の少ないところまで移動しましょう。めまいやふらつきによる二次的な被害を防ぐことができます。
医師に相談する
抗がん剤によってめまいが起きたときの対処法4つ目は、医師に相談することです。
今回紹介した対処法を講じることも重要ですが、めまいが起きたら我慢せずに、早めに医師に相談することをおすすめします。
まとめ
今回は抗がん剤によるめまいの原因について解説しました。
発症時期は人によってさまざまですが、治療開始から2〜3週間経って起こることが多いと言われています。対処法として、十分な休息を取ることや体を温めること、バランスのよい食生活をすることを推奨します。
また、めまいが生じた際にはその場でしゃがみこんだり、ゆっくりとした動作を心掛けましょう。
今回紹介した抗がん剤治療の他にも、がん治療にはさまざまな方法があります。主な治療法として知られているのは、手術療法、放射線療法、免疫療法です。それぞれについて概要を簡単に紹介します。
まずは、手術療法についてです。
名前の通り、がんを切除によって取り除く治療法です。がんの転移や浸潤がない場合に検討される治療法で、がんの初期に根治目的として行われることが多いという特徴があります。患者さんの体力に不安がある場合や高齢の患者さんでは、手術による侵襲が大きいため、別の治療法が検討されるケースもあります。
次に、放射線療法についてです。
放射線療法は、放射線をがんに放射することで、細胞の遺伝子に損傷を与える治療法です。放射線療法は通院で受けられることや、正常細胞へのダメージが少ない放射線療法が研究されており、比較的負担の少ない治療法として知られています。
抗がん剤治療などの化学療法と併用して行われることもあります。
最後に、免疫療法についてです。
治療を受ける方の体に元々備わっている免疫細胞を利用して、がんを治療する方法です。免疫療法は一部のがんを除き基本的にほとんどのがんに適応している治療法であり、手術療法のような侵襲もありません。
免疫細胞療法の一つである「6種複合免疫療法」は、この新しい治療法の一つです。この治療法は、患者さん自身の免疫力を高め、がん細胞に対抗するために設計されています。
福岡同仁クリニックは、がん免疫療法専門の再生医療クリニックとして、6種複合免疫療法を提供しています。これまで多くの患者さんのがん治療を行い、患者さん一人ひとりに合わせた治療法をご提案しています。
6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。
監修:福岡同仁クリニック院長
お電話でのお問い合わせ
専任のスタッフが丁寧に対応いたします。
ご不明な点などございましたら、まずはお気軽にご相談ください。
0120-271-580 受付時間平日9:00~18:00/土曜9:00~13:00