がん免疫療法コラム
がんと仕事の両立は可能? 仕事を休む・仕事を復帰する際の12のコツを解説
がんという重大な病気との闘いの中で、仕事をどのように続けるべきか、またどのようなアプローチで日常の業務をこなすべきか、多くの方々が悩んでいます。この記事を読むことで、がん闘病中の仕事の続け方や、職場でのサポートの受け方、仕事の質やペースの調整方法など、具体的なアドバイスや事例を知ることができます。また、自身の心の持ち方や周囲とのコミュニケーションの取り方についてのコツも紹介しています。
INDEX
がんになっても働き続ける人が多い現代
がんはかつて「治らない病気」という印象を持たれることが多かったですが、近年の医療技術の進歩により、そのイメージが大きく変わりつつあります。現代ではがんも不治の病というわけではなく、多くのケースで適切な治療を受けることで、長期間の寛解や生存が期待できるようになりました。これはつまり、がんという病気が「生涯のパートナー」として、どのように上手く付き合っていくかが問われる時代となってきたということを意味します。
しかし、実際にがんと診断されると、治療への専念や身体的・精神的な負担を考慮して、仕事を辞めることを考える人は少なくありません。実際、2019年5月の日本経済新聞の報道によれば、がん患者のうち3割以上が治療のために退職を選んでいると言われています。
しかし、即座に退職を選択する前に、仕事を続けるための方法や工夫はないか、という視点で状況を考えてみることが非常に重要です。
もちろん、治療や体調を最優先することは当然ですが、仕事とのバランスを見つけ、治療と両立させることができれば、生活の質やメンタルの面でのサポートにも繋がるでしょう。結局のところ、がんという病気とどのように付き合っていくかは、一人ひとりのライフスタイルや価値観によるため、自身にとって最良の選択をするための情報収集や相談が欠かせないのです。
出典:「がんで仕事辞める」3割超 国立がんセンター調査|日本経済新聞
がんでも仕事を続けられるケース
現代の職場は多様な働き方を求める声に応える形で、様々な制度を導入しています。特に、がんなどの病気との闘いの中で仕事を続ける場合、これらの制度が大いに役立ちます。
まず、有給休暇が取りやすい、フレックスタイム制やリモート勤務の導入されている職場では、治療の都合や体調の変動に柔軟に対応できるため、長期間の継続勤務がしやすくなります。治療日を固定したり、体調の良い時間帯に仕事をしたりすることで、効率的に業務を進めることが可能です。
しかし、こうした制度が明確に存在しない職場でも、上司や人事部門と相談することで勤務時間の調整など、アレンジが可能なケースも多いです。大切なのは、自分の状況や希望を正確に伝え、理解を求めることです。
また、がん患者である家族をサポートする際には、介護休暇や介護休業の制度があると、働き手としての役割と介護の役割の両立がよりスムーズになります。このような制度を活用することで、家族を支えながらもキャリアを継続することが可能となります。
がん治療のための休職をする際のコツ
がん治療のために休職するとき、復職しやすいように会社や医師などと連携することが大切です。ここでは、休職する際のコツを4つご紹介します。
会社のルールを確認する
仕事をしながら治療を受ける際、まず就業規則の「休職 / 欠勤」に注目しましょう。休職は法的な制度ではなく、その取り扱いは会社により異なります。実際、上司の善意だけでは問題が生じることがあり、例として、休職期間を超えて自動退職になったケースも存在します。治療のための休業を考える際は、主治医の診断書を提出し、人事や総務部とともに、上司との間で就業規則を基に休職可能期間などを確認・相談することが大切です。
また、有給休暇や欠勤の手続きも正確に理解してから実行に移しましょう。体調が悪く自身で連絡が難しい時は、家族や知人に支援を求め、適切な手続きを踏んで治療に専念することが最良の選択となります。
復職シナリオを作る
検査結果を受けて必要な休職の期間を予測し、いくつかのシナリオを準備することをおすすめします。担当医師と相談し、最も実現可能性の高いシナリオに基づいて暫定的な計画を立て、それを基に会社へ休職の申請を行いましょう。このとき、計画の変更の可能性や、変更が生じた場合の速やかな連絡の約束も会社に伝えることが重要です。治療計画が確定したら、再度会社にその内容を報告しましょう。肝心なのは、状況の変化に合わせて、継続的に会社とのコミュニケーションを保つことです。
医師へ相談する
医師に相談する際、彼らは医療以外の職場の詳細や働き方に詳しくないことを理解しておきましょう。質問するときは、漠然としたものよりも具体的な質問を心がけてください。例えば「復職できますか?」ではなく、「重いものの持ち運びは大丈夫でしょうか?」や「長時間のパソコン作業は可能ですか?」のように具体的な作業を伝えることが大切です。また、治療の見通しや体力的な制限に関する質問もしておくと良いでしょう。
引き継ぎや業務の外注をする
体調が許せば、仕事の進行状況や取引先リストなどの情報を書面にまとめ、後任者や部署のメンバーに引き継ぐことをおすすめします。もし具体的な書面作成が難しければ、使用中の資料を整理してアクセスしやすい状態にするだけでも十分です。部署内で少なくとも一人に大まかな業務の内容を伝えれば問題ありません。
しかし、万が一、しっかりとした引き継ぎができなかったとしても、過度に気にすることはありません。多くのケースで、部署の他のメンバーがその業務をカバーすることができます。
がん治療を終えて復職する際のコツ
がん治療のために休職したあと、復職する際にはいくつか注意すべきポイントがあります。がん治療を終えて復職する際のコツを5つご紹介します。
副作用などを同じ職場の人に説明する
初めて化学療法を経験する際、どれほどの副作用が現れるのか不安になることは当然です。特に、外来での治療と仕事を両立させる際、仕事への影響が気になることでしょう。通院の際に、抗がん剤の種類や組み合わせによる副作用を、主治医と詳しく話し合うことが大切です。
しかし、副作用の具体的な出方や影響は個人により異なり、仕事の性質によっても異なるため、まずは治療を受けてみて、実際に体感することも重要です。その後、職場の環境や必要な配慮を上司と相談すると良いでしょう。
柔軟な働き方を検討する
通勤時に痛みや全身の倦怠感、排泄の頻度などの変化が仕事に影響を及ぼす方もいます。主治医と相談しながら、症状の管理方法を見つけましょう。例えば、通勤に必要な時間を十分確保し、途中のトイレの位置を把握しておくことが効果的です。また、フレックスタイム制度の利用や勤務時間の変更、一時的な在宅勤務が可能か尋ねてみることをおすすめします。
さらに、「体調不良バッジ」の使用も検討してみてはいかがでしょうか。社内の人の理解が深まりやすくなるでしょう。
体調が悪い時は休めるよう相談する
調子が悪いときは無理を避け、休むようにしましょう。日常的にコミュニケーションをとっておくことで、周囲に体調変動を理解してもらいやすくなります。体調の変動には波があり、特に治療開始初期は厳しいこともありますが、徐々に安定してくることでしょう。
また、調子が良い時には不調時をカバーする姿勢でいることが求められます。このように、がん治療中の仕事ではメリハリを意識することが大切です。
外見ケアにも気を配る
抗がん剤治療は頭髪だけでなく、まつ毛や眉毛、鼻毛などの体毛の脱落を引き起こすことがあります。髪の毛の脱毛に関しては、治療用のウィッグで対処できます。ウィッグは様々なスタイルや価格のものがあり、フルタイプや部分タイプ、帽子やバンダナとの組み合わせなど、多種多様です。自分に合ったものを探すときは、医療スタッフやメーカーと相談しましょう。患者会で使用体験談を聞くことも一つの手です。
また、まつ毛や眉毛の脱毛に関しては、メイクアップの技術を利用してカバーすることができます。
産業医や産業看護職に相談する
産業医は企業で労働者の健康管理を担当する医師で、50名以上の従業員がいる事業所では必須とされます。主に健康診断結果に基づく働き方のアドバイスや職場環境の改善指導などを行い、治療行為は基本的に行いません。
一方、産業看護師も従業員の健康管理を担当し、産業医がいない場所で独立して勤務することもあります。がん治療と仕事の両立を目指す際、産業医や産業看護職は職場の状況を理解した専門的な相談相手として頼りになります。
職場に産業医や産業看護職がいれば、積極的に相談しましょう。
がん治療を終えて新しい職場を探す際のコツ
退職後、病状が落ち着いて新しく仕事を探す人も多くいます。
ここでは、がん治療を終えて新しく職場を探す際のコツを3つご紹介します。
病歴を伝えるかどうかは状況に応じて
面接時や就業前の段階での病歴の告知は、業務遂行に差し支えがない範囲であれば義務ではないのです。つまり、状況を見極めた上での判断が可能というわけです。
さらに、面接では業務の現実とのギャップを事前に確認することが大切です。これはミスマッチを避け、お互いの期待を明確にするための重要なステップと言えるでしょう。就職活動では、実務の内容や環境を理解しておくことが、後に失望や不満を防ぐカギとなります。
そして、もし状況が許すのであれば、病名の自己開示はおすすめです。これは職場において理解者や応援者を増やす効果があります。オープンなコミュニケーションを図ることで、より良い職場環境を構築するための基盤ともなり得ます。病歴を共有することで、周囲の人々があなたの状況を理解し、支援の輪を広げるきっかけとなるかもしれません。このような積極的な取り組みが、職場での成功へとつながっていくのです。
治療計画を把握しておく
企業の将来性や安定した勤務環境を評価する際、中長期的な視点を持つことが非常に重要です。企業のビジョンや経営方針を深く理解することで、将来的な働き方やキャリアの展望を検討できます。このような視野を持つことで、あなたが目指す働き方と企業の方向性がマッチしているかどうかを見極めることが可能となり、長期的なキャリア構築に繋がります。
ハローワークなどを活用する
ハローワークや各種紹介会社、エージェントの利用は、求職活動における有効な手段となります。これらの機関は、多岐にわたる職種や企業の情報を手軽に探せるメリットがあります。また、専門のアドバイザーが個別のニーズや希望を理解し、適した仕事を提案することが可能です。職探しの際には、積極的に利用することをおすすめします。
まとめ:がんと仕事の両立は人それぞれ、さまざまな治療法を試そう
本記事では、がん治療と仕事の両立を目指して、現在の職場を休む・再開する際のコツについて解説しました。また、がん治療で一度退職してしまった方にも、新しい仕事を探す際のポイントをいくつかご紹介しました。
化学療法は副作用が出やすいというイメージをお持ちの方が多いかと思います。副作用が強く出て、仕事に支障をきたしたらどうしようと不安になる方も少なくありません。
近年、身体への負担が少なく、副作用も一時的で軽いと言われているのが「6種複合免疫療法」です。免疫療法は、患者様の体内にもとからある免疫細胞を増殖・活性化させて、がん細胞への攻撃力を高める治療法です。自分自身の細胞を用いることから、副作用が比較的軽いとされているのです。
当クリニックでは免疫療法を専門に行っており、6種複合免疫療法を提供しています。
6種複合免疫療法についてさらに詳しく知りたい方はこちらよりご確認ください。
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