がん免疫療法コラム
がんに関するそれぞれの主な口腔ケアについて
合併症を減らしたり、がん治療を円滑に進めるために口腔ケアは重要です。その中でこの様な口腔内乾燥を防ぐために、痛みやしみたりする事などに対してどの様にして行ったら良いのか?状況に合わせて行う必要があります。また、歯磨きがうまく行かなかったり、疑問などを感じた場合は医師、看護師、歯科衛生士などに相談しましょう。
※経過によって異なります。
1日の中で口の中が1番汚れているのが起床後です。就寝前の口腔ケアは特に重要で、就寝中は口の動きが少なくなり唾液の量が減る事で自浄作用が低下し、細菌が急激に増加します。
【口腔内の乾燥】
こまめなうがいや保湿剤を口の中に塗る事で乾燥を防ぎ、保湿剤の種類としてジェルタイプ、スプレータイプなどがありますが、塗り過ぎには注意しましょう。
【歯ブラシ、洗浄剤の主な種類】
歯ぐきや粘膜を傷付けないよう、それぞれに合った歯ブラシを使用し、みがく時は力を入れすぎないように注意が必要です。
ブラシ
歯ブラシ
歯ブラシの硬さは柔らかいブラシは普通の硬さと比較すると汚れが落ちにくく、しかし口内炎や腫れ、血小板の減少により出血のリスクが高く注意を要する時などはヘッドの小さい物、柔らかいブラシが良いですが、痛みや口内炎などがない場合は普通の硬さを使用します。
スポンジブラシ
痛みや炎症が強く歯ブラシを当てにくい場合などに使用します。細菌の増殖から感染を防ぐために1度使用したら新しいのに交換しましょう。
舌ブラシ
舌苔(舌の表面に付着している苔状の物)など舌をみがく際に使用し、細菌や口臭などを減らす効果もあります。
歯間ブラシ
歯と歯のすき間を通す事で汚れを落とします。
タフトブラシ
通常の歯ブラシよりも柄が細く、柔らかく毛束が小さく先がとがったブラシで口内炎などで痛みが強い場合などに使用します。
…などさまざまな種類があります。
洗浄剤
歯磨き剤、洗浄剤、保湿剤は刺激の少ない物にし、フッ素が含まれている歯磨き剤は虫歯になりにくくする働きがあります。しみる事で使用が難しい場合は無理に使用する必要はありません。
【うがいの方法について】
しみる事がない場合は水道水のうがいをし、しみたりなどで水道水でのうがいが難しい場合は、刺激の少ない生理食塩水でうがいをする方法もあります。濃度は体液とほぼ同じです。
用意する時は作り置きは避け、500mlのペットボトルに水500mlと4.5gの食塩を入れて食塩が溶けるようにしっかりと振ります。
少なくとも1日3回以上で可能であれば1日2時間ごと、1日8〜10回行い、水が口全体に行き渡るようにし、ガラガラうがいは気管に入ってしまうと肺炎のリスクがありますので約30秒間のブクブクうがいを行います。
吐き気などでみがく事が難しい場合はうがいを行いましょう。
【義歯の手入れ】
必ず専用の容器に水を入れて保管します。水を入れずに保管すると乾燥し、破損や変形のリスクがあります。水は毎日交換しましょう。
義歯は毎食後に洗い、装着したままでは汚れも落ちにくいので外し、歯ブラシでは柔らかく汚れが落せないため、義歯用のブラシでみがきます。
歯をみがく時の歯磨き剤は研磨剤が含まれているため義歯が傷付いてしまいます。そのため義歯専用の歯磨き剤を使用します。週に2、3回は洗浄剤を使用しましょう。そして就寝中は外します。
【まとめ】
口の中をケアする事で細菌の増殖を抑えたり、悪化を抑える事につながります。口腔ケアは生活に欠かせない物です。症状などによる苦痛でやりづらい場合は無理のない範囲で行う事も大切です。
【参考・引用文献】
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg1987/16/3/16_374/_pdf
・https://www.matsue.jrc.or.jp/files/libs/136/201608031611142851.pdf
・口腔ケアでがん治療はグッと楽になる。
・アセスメントとケアがよくわかる!口腔ケアの疑問解決Q&A
・統計看護学講座専門分野Ⅱ老年看護学
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