がん免疫療法コラム
がんと運動の重要な関係について
【がんと診断された時から運動を行う事が大切】
がんそのものや治療による副作用で痛み、吐き気、息苦しさ、だるさなどによる苦痛から動く事がしんどくなるかもしれません。しかし、活動が少なくなると体力や筋力の低下、身体の関節の動きが弱くなるなどさまざまな影響を及ぼします。そのために運動はとても重要です。
【がんによる運動障害】
がんそのものでは主に腫瘍による手足の麻痺、しびれ、嚥下障害(飲み込みに影響をきたし食べ物が詰まる恐れがあります。)痛み、骨折など
治療による物では放射線療法は有害反応による嚥下障害、化学療法は有害反応による神経障害など
手術では切除などによる関節可動域制限と言った関節の動きに影響をきたす物もあります。その中でも乳がんなど動かさないでいると物が取りづらいなど日常生活に支障をきたす恐れがありますので早い段階から動かす事が大切です。その他にもリンパ節の切除によりむくみを予防するためにも動かす事は大切です。
飲み込みに関しては、主に脳腫瘍、頭頚部がん(口腔、咽頭、喉頭、甲状腺などにできる)、食道がんなどは嚥下障害、発声障害などが起こる可能性がありますので舌の動きを良くしたり、安全に飲み込むための運動などを行います。
【運動をすると】
主に術後の合併症の予防、体力を上げて疲れにくくする。機能低下を防ぎ生活の質も上げる事などにつながります。
【手術後の合併症予防ための運動】
〈手術前〉
◯呼吸訓練◯
麻酔による呼吸抑制なども関係しています。その中でも肺炎や無気肺(痰や異物などがたまり容積が狭くなる事で呼吸が妨げられます)などを予防します。主に痰を出す練習、深呼吸、腹式呼吸、器具を使った呼吸筋のトレーニングを行います。
〈手術後〉
イレウス(腸の通過障害)や血栓などの危険があります。そのためにも早い段階で少しずつでも動く事が大切です。
【注意点】
病状によっては安静が必要な場合や過剰に負荷がかかると危険が生じる可能性があります。そのため運動する場合はどの範囲まであれば大丈夫か?確認したうえで行いましょう。
発熱、息苦しさ、動悸など体調が悪い時は控えましょう。途中でしんどくなった時はそこで中止しましょう。
大切なのは適度な運動です。良くしたいという強い気持ちで無理をして必死で行えば良い物ではありません。
【まとめ】
運動はがんと診断と同時に意識する必要があります。時にはつらい事もあるかもしれませんが、無理をすると負担も大きくなりますので、できる範囲で少しずつ行うだけでも違います。今の自分にとってどの様な運動が良いか考えながら取り組んでみましょう。
【参考、引用文献】
がんとリハビリテーション医療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)
20171014_Rehabilitation.pdf (ncc.go.jp)
治療後のリハビリテーションとはどのようなものですか? | 舌がん・口腔がん 何科を受診すればいいの? | 日本耳鼻咽喉科学会 (jibika.or.jp)
がん看護実践ガイドサバイバーを支える看護師が行うがんリハビリテーション
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