がん免疫療法コラム

胃がんの転移とは? 種類や転移場所についても解説

胃がんは、進行に伴いがん細胞が他の組織や臓器へ広がる「転移」という現象を引き起こします。

転移は、胃に発生したがん細胞が原発巣(がんが最初に発生した部位)から離れ、リンパ液や血液、体腔を通じて他の組織や臓器に広がる現象を指します。

転移したがん細胞は新たな部位で腫瘍を形成し、がんの進行を引き起こします。

転移は、がんの進行度を示す重要な指標であり、治療方針や予後に大きな影響を与える要素となります。

今回の記事では、胃がんの主な転移の種類や発生部位、それらが患者さまの体に与える影響について詳しく解説します。

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副作用が少なく、他の治療と併用できる!


6種複合免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を一度体外へ取り出し、活性化・増殖させて体内へ戻すことで、がんと闘う力を高める免疫療法です。

治療法は、採血と点滴だけの通院治療です。

6種複合免疫療法をおすすめする理由

  • がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する
  • 副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である
  • 入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる

がん治療の選択肢の一つとして、6種複合免疫療法もぜひご検討ください。

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がん・6種複合免疫療法

転移の種類と特徴

胃がんにおける転移の種類と特徴は以下のとおりです。

リンパ節転移

  • 一般的な特徴: がん細胞がリンパ液を介して近くのリンパ節に広がり、進行すると遠隔のリンパ節にも影響を及ぼします。
  • 胃がんでの特徴: 胃がんでは胃周囲のリンパ節から転移が始まることが多いです。

血行性転移

  • 一般的な特徴: 血液の流れを利用して移動したがん細胞が、肝臓、肺、骨などの遠隔臓器に到達して腫瘍を形成します。
  • 胃がんでの特徴: 胃がんでは肝臓への転移がよく見られます。

腹膜播種

  • 一般的な特徴: がん細胞が腹腔内に散らばり、腹膜や他の臓器表面に付着して増殖します。進行がんで頻繁に見られる転移形式です。
  • 胃がんでの特徴: 胃がんが進行すると腹膜表面にがん細胞が浸潤することがあります。

胃がんの進行と転移の関係

胃がん 転移

胃がんの進行は転移と密接に関係しており、がんが進むにつれ周囲の組織や臓器への浸潤、さらには遠隔部位への転移リスクが高まります。

  • 早期胃がん:がんが胃の粘膜層や粘膜下層に留まり、転移リスクは比較的低い。
  • 進行胃がん:がん細胞がリンパ液、血液、腹腔内を通じて拡散。リンパ節転移、血行性転移、腹膜播種が一般的に見られる。

ステージ分類と転移の関連性(リンパ節転移、遠隔転移など)

進行の程度は病期(ステージ)分類で示され、転移の有無や範囲が治療方針の決定において重要な指標となります。

この分類は以下の3つの要素で決まります。

  1. T因子(浸潤の深さ)
  2. N因子(リンパ節転移の有無と範囲)
  3. M因子(遠隔転移の有無)

ステージと転移の特徴は以下のとおりです。

  • ステージI(早期胃がん):がんが胃壁の粘膜層または粘膜下層に留まる。リンパ節転移や遠隔転移のリスクは低い。
  • ステージII:がんが筋層または漿膜層に進行し始める。リンパ節転移が見られることがある。
  • ステージIII:リンパ節転移が広範囲に広がる。
  • ステージIV:遠隔転移(肝臓、肺、腹膜播種など)が認められる。

胃がんが転移する主な部位

胃がん 転移 部位

肝臓転移:症状や影響

肝臓転移は、胃がんが血行性転移を通じて発生する最も一般的な遠隔転移の一つです。

肝臓は血液供給が豊富であるため、がん細胞が到達しやすく、転移が起こりやすい部位とされています。

肝臓転移が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

  • 右上腹部の痛みや不快感
  • 体重減少や倦怠感
  • 黄疸(肝機能低下によりビリルビン値が上昇し、皮膚や白目が黄色くなる。)
  • 腹部の膨満感(肝臓の腫れにより、お腹が張る感覚を覚える。)

腹膜播種:腹水や腹痛の原因

腹膜播種は、胃がんが進行する過程でがん細胞が腹腔内に散らばり、腹膜や臓器の表面に付着して増殖した状態を指します。

進行胃がんでよく見られる転移の形態です。

腹膜播種が発生すると、がん細胞が腹腔内に炎症や浸潤を引き起こし、以下のような症状が現れることがあります。

  • 腹水(がん細胞がリンパ管や血管を圧迫し、体液の循環が阻害されることで溜まる。)
  • 腹痛(腹腔内の炎症や圧迫による痛み。)
  • その他の症状(お腹の膨張感、呼吸困難、消化不良など)

骨転移:痛みや骨折のリスク

骨転移は、胃がんが進行し、血液を介してがん細胞が骨に到達し増殖した状態を指します。

胃がんにおける骨転移は比較的稀ですが、発生すると患者さまに強い痛みや機能障害を引き起こします。

  • 持続的な骨の痛み:がん細胞による骨の侵食や炎症、神経圧迫が原因で発生。
  • 骨折のリスク増加:骨が弱くなり、特に脊椎や大腿骨で病的骨折が起こりやすい。

肺転移:咳や息苦しさ

肺転移は、胃がんが血行性転移を通じて肺にがん細胞が到達し増殖した状態を指します。

比較的稀な転移形態ですが、発生するとがん細胞が肺の組織を侵食し、気道や肺胞の機能を低下させることで呼吸器系の症状を引き起こします。

  • 慢性的な咳
  • 血痰(痰に血が混じる。)
  • 息切れや息苦しさ
  • 胸水(肺に水が溜まり、呼吸困難を悪化させる。)

その他の転移(脳、皮膚など稀なケース)

胃がんが進行すると、稀に脳や皮膚といった部位に転移することがあります。

これらの転移は頻度は低いものの、発生すると特有の症状を引き起こします。

脳転移では以下のような神経症状が現れることがあります。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 意識障害
  • けいれん
  • 片麻痺

これらは、がん細胞が脳内で腫瘍を形成し、周囲の組織を圧迫することで生じます。皮膚転移では、以下の症状が現れることがあります。

  • しこり
  • 赤み
  • 潰瘍のような変化

がん細胞が皮膚に浸潤して発生するもので、目に見える部位に生じるため発見は比較的容易です。

転移の予兆と発見のポイント

胃がんの転移を早期に発見するためには、予兆となる症状や体の変化に注意することが重要です。

転移が起こる部位によって症状は異なりますが、共通する全身症状として、体重減少、倦怠感、食欲不振などが挙げられます。

部位ごとの予兆は以下のとおりです。

  • 肝臓転移:右上腹部の痛み、黄疸
  • 肺転移:慢性的な咳、息切れ
  • 骨転移:局所的な痛み、骨折
  • 腹膜播種:腹水、腹部膨満感

転移の発見には、定期的な画像検査(CT、MRI、PET-CTなど)や腫瘍マーカー検査が有効です。

転移した胃がんの治療法

転移した胃がんの治療は、がんの進行度、転移の範囲、患者さまの全身状態に応じて個別に選択されます。

抗がん剤治療(化学療法)

抗がん剤治療(化学療法)は、転移した胃がんに対する主要な治療法の一つで、がん細胞の増殖を抑え、腫瘍の進行を遅らせることを目的とします。

手術が困難な場合や全身的な治療が必要な場合に選択されることが一般的です。

胃がんの化学療法では以下の薬剤が使用されます。

  • 5-FU系(エスワン・カペシタビン)
  • プラチナ系(シスプラチン・オキサリプラチン)
  • タキサン系(パクリタキセル・ドセタキセル)
  • イリノテカン

これらの薬剤は単剤でも使用されますが、治療効果を向上させるために複数の薬剤を組み合わせた併用療法が一般的です。

また、化学療法には、以下のような副作用が見られることがあります。

  • 吐き気
  • 脱毛
  • 白血球減少

支持療法の進歩により、これらの症状を軽減することが可能になっています。

分子標的治療薬

分子標的治療薬は、がん細胞が持つ特定の分子やシグナル伝達経路を標的にし、がんの増殖を抑える治療薬です。

従来の化学療法と比べ、正常細胞への影響を抑えながら、がん細胞を選択的に攻撃するという特長があります。

転移した胃がんにおいても、新たな治療選択肢として注目されています。

代表的な分子標的治療薬は以下のとおりです。

  • トラスツズマブ:HER2陽性胃がんに使用される薬剤。HER2タンパク質を抑制し、腫瘍の進行を遅らせる。
  • ラムシルマブ:VEGF-2を標的にした薬剤。腫瘍の血管新生を阻害し、がん細胞への栄養供給を断つことで効果を発揮する。

これらの分子標的治療薬は、化学療法と併用することで効果がさらに高まることが期待されています。

免疫チェックポイント阻害薬

免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫系の攻撃を回避する仕組みを解除し、患者さま自身の免疫細胞ががんを攻撃できるようにする治療薬です。

転移した胃がんにおいても、新たな治療選択肢として注目されています。

胃がんでは、免疫チェックポイント分子であるPD-1やPD-L1が関与する免疫抑制メカニズムが確認されており、これを標的とした薬剤が使用されています。

  • ニボルマブ・ペムブロリズマブ

PD-1/PD-L1の結合を阻害し、T細胞の活性を回復させる。活性化した免疫細胞ががん細胞を攻撃する効果を発揮する。

免疫チェックポイント阻害薬は、化学療法や放射線療法と併用することで効果が高まる可能性があります。

ただし、副作用は従来の治療法と異なるため慎重な管理が必要です。

また、治療効果は患者さまの遺伝子変異や腫瘍の特性に左右されるため、個別化医療の一環として適用されることが一般的です。

今後も研究の進展が期待され、転移した胃がん治療における重要な選択肢として注目されています。

放射線治療や緩和治療

放射線治療は、高エネルギーの放射線を用いてがん細胞を破壊し、腫瘍の縮小や症状の緩和を目指す治療法です。

転移した胃がんでは、痛みや出血、腫瘍による圧迫症状を軽減する緩和的な目的で行われることが一般的です。

例えば、骨転移による痛みの軽減や、腫瘍が出血を引き起こしている場合の止血効果が期待できます。

また、胃がんが肺や肝臓に転移して呼吸困難や肝機能障害を引き起こす場合にも、症状の緩和を目的とした放射線治療が選択されることがあります。

一方、緩和治療は、がんの進行による不快な症状を軽減し、患者さまの生活の質を向上させることを目的とします。

疼痛管理、栄養サポート、心理的ケアなど、患者さま一人ひとりのニーズに応じた多角的なアプローチが行われます。

緩和ケアは、治療の一環として早期から取り入れることが推奨されています。

胃がんの転移と免疫療法

胃がんの治療法には、ここまで解説してきたとおりさまざまな選択肢がありますが、中でも新しい選択肢として注目されているのが、免疫療法の一つである「6種複合免疫療法」です。

この治療法は、患者さま自身の免疫システムを強化し、がん細胞を攻撃する力を引き出すことを目的としています。

6種複合免疫療法では、以下の6種類の免疫細胞を活用し、それぞれが異なる役割を果たしながらがんに立ち向かいます。

  • 樹状細胞:がん細胞の情報を免疫システム全体に伝える役割を担います。
  • NK細胞:がん細胞を直接攻撃し、迅速に排除します。
  • NKT細胞:自然免疫と獲得免疫をつなぐ重要な役割を持っています。
  • キラーT細胞:標的となるがん細胞を精密に攻撃します。
  • ヘルパーT細胞:他の免疫細胞を活性化し、免疫応答を強化します。
  • ガンマデルタT細胞:幅広いがん細胞を認識し、攻撃します。

これらの免疫細胞が協力して働くことで、がん細胞に対する相乗効果が期待されます。

以下、さらに詳しく6種複合免疫療法の解説を続けます。

副作用が少ない6種複合免疫療法

「6種複合免疫療法」の特徴を3つ紹介します。

①がん3大療法との併用が可能で、ほぼ全てのがんに対応する

がん3大療法(外科手術/化学療法/放射線治療)との併用が可能で、一部(T細胞・NK細胞・NKT細胞型白血病/T細胞・NK細胞・NKT細胞型悪性リンパ腫)を除く、ほぼ全てのがんに対応します。

また、手術後に残ったがん細胞にも対応し、がん細胞増殖の抑制、再発・転移の予防にも効果的です。

②副作用が少ないため、体への負担も小さい治療法である

患者さまご自身の免疫細胞を使用するため、抗がん剤のような強い副作用がほとんどありません。

そのため、他のがん治療で治療継続は困難と判断された場合でも、6種複合免疫療法なら治療を継続できる可能性があります。

また、費用は治療ごとでのお支払いのため、医療費を一度にまとめて支払う必要もありません。

③入院が必要ないため、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができる

6種複合免疫療法は、採血によって取り出した免疫細胞を培養し、活性化させた後点滴で体内に戻すという治療法です。方法は、採血と点滴だけの通院治療です。

そのため、入院の必要がなく、患者さまの生活のリズムを変えることなく治療を行うことができます。

6種複合免疫療法の治療効果

以下は、6回(1クール)の治療を終えた患者さまの治療効果を紹介します。

6種複合免疫療法・判定基準

6種複合免疫療法・進行抑制率

6種複合免疫療法・進行抑制率

A判定〜C判定の約79%の方は腫瘍の進行が抑制されたと評価し、さらにA判定〜B判定の約26%の方は腫瘍の減少が認められた状態となりました。

また、6種複合免疫療法の大きな特徴として、さまざまな部位のがんに対応できるという点があります。

以下、6種複合免疫療法で過去に治療したがんの一例です。ほぼ全てのがん種に対応しているため、以下に記載のないがん種や希少がんでも、治療可能です。

6種複合免疫療法・対応がん種

詳細は以下よりお問い合わせください。

がん・6種複合免疫療法

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